就労継続支援A型

就労継続支援A型の開設・指定申請・運営サポート

最終更新日:2026年7月11日

就労継続支援A型事業所の開設をご検討の事業者様へ。

就労継続支援A型は、一般企業での就労が難しい障害のある方と雇用契約を締結し、働く機会の提供や、一般就労に向けた支援を行う障害福祉サービスです。

利用者は労働者として最低賃金法、労働基準法その他の労働関係法令の適用を受けるため、障害福祉サービスとしての指定基準だけでなく、安定した生産活動、賃金の確保、労務管理体制の整備が必要です。

当事務所では、事前相談、法人・物件・人員基準の確認、収支計画の作成、指定申請、加算届出、開設後の運営まで一貫してサポートしています。

就労継続支援A型とは

就労継続支援A型は、通常の事業所に雇用されることが困難であるものの、雇用契約に基づき継続して働くことが可能な障害者に対し、次の支援を行うサービスです。

  • 雇用契約に基づく就労機会の提供
  • 生産活動その他の活動機会の提供
  • 就労に必要な知識・能力の向上に向けた支援
  • 一般就労への移行に向けた支援
  • 職場定着に向けた相談・生活支援

最低定員は原則として10名です。利用期間について、一律の上限は設けられていません。

対象となる利用者

主な対象者は、一般企業等への就職が難しく、雇用契約に基づいて継続的に働くことが可能な方です。

具体的には、次のような方が想定されています。

  • 就労移行支援を利用したものの、一般企業への就職に結びつかなかった方
  • 特別支援学校を卒業後、就職活動を行ったものの就職に結びつかなかった方
  • 一般企業での就労経験があり、現在は離職している方
  • 市町村が就労継続支援A型の利用を適当と認めた方

65歳以上の方についても、65歳になる前から一定期間継続して障害福祉サービスの支給決定を受け、65歳到達日の前日に就労継続支援A型の支給決定を受けていた場合など、一定の要件を満たせば利用できる場合があります。最終的には、市町村による支給決定が必要です。

A型・B型・就労移行支援の違い

項目就労継続支援A型就労継続支援B型就労移行支援
雇用契約ありなし原則なし
最低賃金適用あり適用なし原則適用なし
利用期間原則として制限なし原則として制限なし原則2年間
主な目的雇用契約に基づく就労継続非雇用型の生産活動一般就労への移行
利用者への支払い賃金工賃原則なし

令和6年度の全国平均は、A型事業所の平均賃金月額が91,451円、B型事業所の平均工賃月額が24,141円です。ただし、実際の賃金額・工賃額は、地域、労働時間、生産活動の内容などによって異なります。

人員配置基準

主な人員配置基準は次のとおりです。

管理者

原則として1名を配置します。

管理業務に支障がない場合には、サービス管理責任者その他の職務と兼務できる場合があります。資格・実務経験の要件や兼務の可否については、指定権者への事前確認が必要です。

サービス管理責任者

利用者60名以下の場合は1名以上を配置し、少なくとも1名は常勤である必要があります。

利用者が60名を超える場合は、40名またはその端数を増すごとに追加配置が必要です。

職業指導員・生活支援員

職業指導員および生活支援員をそれぞれ1名以上配置し、両職種を合計した常勤換算数について、原則として利用者10人に対して1人以上を配置します。

また、職業指導員または生活支援員のいずれか1名以上は常勤でなければなりません。

基本報酬の「就労継続支援A型サービス費(Ⅰ)」を算定する場合は、職業指導員および生活支援員の合計を、利用者7.5人に対して1人以上配置する必要があります。

生産活動収支と賃金の確保

A型事業所では、生産活動による収入から、生産活動に必要な経費を差し引いた金額が、原則として利用者へ支払う賃金総額以上となるように事業を運営しなければなりません。

障害福祉サービスの給付費を利用者賃金の不足分に充てることを前提とした事業計画は認められません。

指定申請時には、少なくとも次の事項を具体的に示す必要があります。

  • 生産活動の具体的な内容
  • 発注元、取引先および契約内容
  • 売上単価、作業量および必要経費
  • 利用者ごとの勤務時間
  • 利用者賃金の見込み
  • 開設後の収支見込み
  • 受注が減少した場合の代替事業
  • 特定の取引先に過度に依存しない事業体制

生産活動収支が賃金総額を下回った場合には、指定権者から経営改善計画書の提出を求められることがあります。

なお、スコア方式におけるマイナス50点は、単に収支が改善していないことを理由に自動的に適用されるものではありません。指定権者から求められた経営改善計画書を、定められた期限までに提出しなかった場合に適用されます。

A型事業所のスコア方式

A型事業所の基本報酬は、次の7項目によるスコアの合計で決定されます。

評価項目配点
1日の平均労働時間5点~90点
生産活動収支マイナス20点~60点
多様な働き方0点・5点・15点
支援力向上0点・5点・15点
地域連携活動0点・10点
経営改善計画0点・マイナス50点
利用者の知識・能力向上0点・10点

最高点は200点ですが、減点項目も設けられています。

1日の平均労働時間

1日の平均労働時間点数
7時間以上90点
6時間以上7時間未満80点
5時間以上6時間未満65点
4時間30分以上5時間未満55点
4時間以上4時間30分未満40点
3時間以上4時間未満30点
2時間以上3時間未満20点
2時間未満5点

利用者の障害特性や希望を考慮せず、報酬を上げることだけを目的として労働時間を延長することは適切ではありません。個別支援計画や雇用契約に基づき、無理のない勤務時間を設定する必要があります。

生産活動収支

直近3事業年度の生産活動収支を基に、次のとおり評価されます。

生産活動収支の状況点数
直近3事業年度すべてで、生産活動収支が賃金総額以上60点
直近年度およびその前年度が賃金総額以上50点
直近年度のみ賃金総額以上40点
直近年度の前年度のみ賃金総額以上20点
直近年度とその前年度がいずれも賃金総額未満マイナス10点
直近3事業年度すべてで賃金総額未満マイナス20点

新規指定事業所など、3事業年度分の実績がない場合は、別途定められた方法で評価されます。

スコアの公表

A型事業所は、毎年度、スコアの合計点だけでなく、各評価項目の内容についても自己評価を行い、指定権者へ提出するとともに、原則としてインターネット上で公表する必要があります。

所定の自己評価結果を公表していない場合は、自己評価未公表減算の対象となる可能性があります。

基本報酬

A型事業所の基本報酬は、人員配置区分、利用定員およびスコアによって決まります。

利用定員20名以下の場合の、1日当たりの基本報酬は次のとおりです。

スコアサービス費(Ⅰ)7.5対1サービス費(Ⅱ)10対1
170点以上791単位727単位
150点以上170点未満733単位671単位
130点以上150点未満701単位641単位
105点以上130点未満666単位608単位
80点以上105点未満533単位486単位
60点以上80点未満419単位382単位
60点未満325単位296単位

利用定員が21名以上の場合は、定員区分に応じて単位数が異なります。

なお、令和8年6月に実施された一部障害福祉サービスの基本報酬に関する特例措置は、就労継続支援A型を対象としていません。そのため、A型については上記の現行報酬体系に基づいて算定します。

主な加算

A型事業所で算定を検討する主な加算には、次のようなものがあります。

  • 賃金向上達成指導員配置加算
  • 就労移行支援体制加算
  • 福祉専門職員配置等加算
  • 送迎加算
  • 医療連携体制加算
  • 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算
  • 高次脳機能障害者支援体制加算
  • 重度者支援体制加算
  • 福祉・介護職員等処遇改善加算

加算は、職員を配置しただけでは算定できず、届出、勤務実績、支援記録、資格証、個別支援計画などの保存が必要です。

就労移行支援体制加算の令和8年度改正

令和8年4月から、同一事業所が1年度に算定できる一般就労移行者数について、原則として事業所の利用定員が上限とされました。

また、同一利用者について、過去3年間に当該加算の算定対象となっている場合は、原則として再度算定できません。ただし、本人の責めによらない離職など、やむを得ない事情が指定権者に認められた場合は例外となることがあります。

施設外就労について

利用者が企業等の事業所内で作業を行う「施設外就労」は、現在も一定の要件を満たせば実施できます。

ただし、以前設けられていた「施設外就労加算」は令和3年度の報酬改定で廃止され、基本報酬に組み込まれています。

施設外就労を実施する場合は、請負契約の内容、作業の指揮命令、職員配置、利用者への支援体制、個別支援計画への位置付けなどを確認する必要があります。

主な減算

運営基準を満たさない場合には、次のような減算が適用される可能性があります。

  • 定員超過利用減算
  • 人員欠如減算
  • サービス管理責任者欠如減算
  • 個別支援計画未作成減算
  • 自己評価未公表減算
  • 身体拘束廃止未実施減算
  • 虐待防止措置未実施減算
  • 業務継続計画未策定減算
  • 情報公表未報告減算

減算率や適用開始時期は、欠如している基準や継続期間によって異なります。人員の退職、長期休業、資格要件の不足などが生じた場合は、速やかに指定権者へ確認することが重要です。

就労選択支援との関係

就労選択支援は、令和7年10月1日から開始されています。

就労継続支援B型を新たに利用する一定の方については、原則として就労選択支援による就労アセスメントを受ける取扱いが開始されています。

就労継続支援A型については、令和9年4月以降、新たに利用する方を中心に、原則として就労選択支援を利用する方向で検討されています。ただし、具体的な対象者や例外的な取扱いについては、今後の通知を確認する必要があります。

A型事業所を開設するまでの流れ

1.事業計画の作成

生産活動の内容、取引先、売上見込み、利用者賃金、必要経費、人件費、給付費などを整理します。

2.指定権者への事前相談

自治体によっては、指定申請の数か月前までに事前相談や事業計画書の提出が必要です。

3.法人・物件の確認

法人の定款目的、建物用途、消防設備、都市計画法、建築基準法、バリアフリー基準などを確認します。

4.人員の確保

管理者、サービス管理責任者、職業指導員、生活支援員など、指定日に必要となる職員を確保します。

5.生産活動契約の整備

取引先との業務委託契約書、請負契約書、見積書、発注見込書などを準備します。

単に「開設後に仕事を探す」という計画では、安定した賃金支払いが確認できないとして、指定が認められない可能性があります。

6.指定申請

人員、設備、運営規程、事業計画、収支予算、雇用契約書、就業規則などの申請書類を提出します。

7.指定後の届出・労務手続

指定後は、利用契約、個別支援計画、雇用契約、労働保険・社会保険の手続、加算届出、国保連請求などを行います。

近年は、指定申請時に、生産活動の実現可能性、取引先との関係、利用者が実際に行う作業、売上と賃金の整合性などが以前より厳しく確認されています。形式的な契約書だけでなく、実際に継続できる事業体制を整えることが重要です。

就労継続支援A型の開設・運営をご支援します

就労継続支援A型は、障害福祉サービスと雇用の両方に関する知識が必要な事業です。

指定を受けることだけでなく、開設後も適正に賃金を支払い、スコアを維持し、安定した生産活動を継続できる体制を整える必要があります。

当事務所では、次の業務に対応しています。

  • 指定権者への事前相談
  • 法人・物件・人員基準の確認
  • 指定申請書類の作成
  • 生産活動収支・事業計画の確認
  • 運営規程、重要事項説明書、利用契約書の作成
  • 雇用契約書、就業規則その他の労務書類の確認
  • 加算・減算の確認
  • スコア表の作成・確認
  • 国保連請求
  • 運営指導・実地指導対策
  • 開設後の継続的な運営サポート

就労継続支援A型の開設・運営でお困りの方へ

初回のご相談は無料です。就労継続支援A型事業所の開設や、現在の運営方法にご不安がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

指定申請、生産活動の事業計画、スコア対策、加算・減算の確認まで、一貫してサポートいたします。

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