【令和8年6月施行】就労継続支援B型の基本報酬区分の基準が見直しへ!変更点をわかりやすく解説

令和8年度の障害福祉サービス等報酬改定において、就労継続支援B型の基本報酬区分の基準額が見直されることになりました。

令和6年度改定で導入された平均工賃月額の新しい算定方式により、全国的に平均工賃月額が約6千円上昇し、想定以上に高い報酬区分の事業所が増加したことが背景にあります。今回はこの見直しについて、事業者の皆さまが押さえておくべきポイントをわかりやすく整理しました。

見直しの背景 ― なぜ基準額が変わるの?

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令和6年度の報酬改定では、障害特性等により利用日数が少ない方を多く受け入れている事業所に配慮し、平均利用者数を用いた新しい算定式が導入されました。

この新算定式(年間工賃支払総額 ÷(年間延べ利用者数÷年間開所日数)÷ 12月)の導入により、全国の平均工賃月額が約6千円上昇しました。その結果、想定以上に高い報酬区分に該当する事業所が増加し、制度全体のバランスを保つために基準額の見直しが行われることになりました。

具体的に何が変わるの? ― 3つの変更ポイント

ポイント① 基準額が一律3千円引き上げ

各報酬区分の基準となる平均工賃月額が、それぞれ3千円ずつ引き上げられます。

たとえば、これまで区分(一)の基準が「4万5千円以上」だったものが「4万8千円以上」に変わります。引き上げ幅は、平均工賃月額の上昇幅(約6千円)の1/2にあたる3千円に留められています。

ポイント② 中間的な区分(A〜F)が新設

今回の見直しにより区分が下がる事業所について、基本報酬の減少額が3%程度に収まるよう、現行の区分の間に中間的な区分が新設されます。

たとえば、定員20人以下・サービス費(I)の場合、現行の8区分に加えて区分A・B・C/四・D/五・E・Fが新たに設けられ、より細かい段階で報酬が設定されます。

ポイント③ 区分七・八の基準は据え置き

令和6年度改定で単価が引き下げられた区分七と区分八の間の基準額については引き上げず、据え置きとなります。下位区分への影響を最小限にとどめる配慮がなされています。

配慮措置 ― 区分が上がっていない事業所は対象外

確認

今回の見直しでは、令和6年度改定の前後で区分が上がっていない事業所については、見直しの適用対象外とされています。

つまり、新算定式の導入によって区分が上がった事業所のみが見直しの影響を受け、もともと区分が変わらなかった事業所はこれまでどおりの報酬区分が維持されます。

報酬単位数の比較 ― 定員20人以下の場合(サービス費I)

定員20人以下の事業所を例に、サービス費(I)の現行と改定後の報酬単位数を比較すると以下のとおりです。

<現行>定員20人以下の場合

区分平均工賃月額の基準単位数
(一)4万5千円以上837単位
(二)3万5千円以上4万5千円未満805単位
(三)3万円以上3万5千円未満758単位
(四)2万5千円以上3万円未満738単位
(五)2万円以上2万5千円未満726単位
(六)1万5千円以上2万円未満703単位
(七)1万円以上1万5千円未満673単位
(八)1万円未満590単位

<改定後>定員20人以下の場合

区分平均工賃月額の基準単位数
(一)4万8千円以上837単位
(A)★新設4万5千円以上4万8千円未満812単位
(二)3万8千円以上4万5千円未満805単位
(B)★新設3万5千円以上3万8千円未満781単位
(三)3万3千円以上3万5千円未満758単位
(C・四)★新設2万8千円以上3万3千円未満738単位
(D・五)★新設2万3千円以上2万8千円未満726単位
(E)★新設2万円以上2万3千円未満705単位
(六)1万8千円以上2万円未満703単位
(F)★新設1万5千円以上1万8千円未満682単位
(七)1万円以上1万5千円未満673単位
(八)1万円未満590単位

※ 黄色の背景は今回新設される中間区分です。
※ 令和6年度改定前後で区分が上がっていない事業所については、従前の報酬区分を適用。
※ サービス費(II)・(III)についても同様の見直しが行われます。定員規模(21〜40人、41〜60人、61〜80人、81人以上)ごとにも別途単位数が設定されています。

平均工賃月額の算定方式(参考)

令和6年度改定で導入された新しい算定式は以下のとおりです。

年間工賃支払総額 ÷(年間延べ利用者数 ÷ 年間開所日数)÷ 12月

この算定式では「平均利用者数」を用いるため、利用日数が少ない方を多く受け入れている事業所でも、実態に即した工賃月額が反映されやすくなっています。なお、この新算定式の導入に伴い、現行算定方式における除外要件は廃止されています。

施行時期

今回の基本報酬区分の基準の見直しは、告示改正により令和8年(2026年)6月から施行されます。

事業所の皆さまにおかれましては、自事業所の平均工賃月額と新しい基準額を照らし合わせ、改定後にどの区分に該当するかを早めに確認しておくことをお勧めします。

事業所が今からやっておくべきこと

① 自事業所の平均工賃月額を再確認する
新算定式で算出した平均工賃月額が、改定後の基準額でどの区分に該当するかを確認しましょう。

② 令和6年度改定前後で区分が変動したか確認する
区分が上がっていない場合は見直しの適用対象外となるため、自事業所の変動状況を把握しておくことが重要です。

③ 中間区分への該当可能性を確認する
区分が下がる場合でも、新設される中間区分(A〜F)により減少幅が3%程度に抑えられます。具体的な単位数を確認し、収支への影響を試算しておきましょう。

まとめ

今回の就労継続支援B型の基本報酬区分の見直しは、令和6年度改定による平均工賃月額の上昇に対応した調整措置です。基準額の引き上げ幅は上昇幅の半分である3千円に抑えられ、中間区分の新設や配慮措置も設けられるなど、事業所への影響を緩やかにする工夫がなされています。

ただし、区分が変動する事業所にとっては報酬額に直接影響する重要な改定です。施行前に自事業所の状況をしっかり確認し、必要な準備を進めていきましょう。

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※本記事の内容は令和8年4月時点の情報に基づいています。最新の情報は厚生労働省のホームページや各自治体にてご確認ください。