【令和8年度】福祉・介護職員等処遇改善加算が大きく変わります!新制度のポイントをわかりやすく解説

令和8年度の障害福祉サービス等報酬改定により、福祉・介護職員等処遇改善加算の内容が大幅に見直されました。

今回の改定は、「強い経済」を実現する総合経済対策(令和7年11月21日閣議決定)を背景に、障害福祉分野の人材不足への対応と賃上げ支援を目的としたものです。令和9年度の報酬改定を待たずに期中改定として実施されるという、異例の対応となっています。

今回のコラムでは、事業者の皆さまに知っていただきたい変更点と手続きのポイントをわかりやすく解説します。

そもそも処遇改善加算とは?

障害福祉事業に専門特化

処遇改善加算とは、福祉・介護職員の賃金を改善するために設けられた加算制度です。平成24年度に創設されて以来、累次の改定で拡充が図られてきました。

令和6年6月からは、それまで別々だった「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」の3つが一本化され、現在の「福祉・介護職員等処遇改善加算」となっています。

今回の令和8年度改定では、この一本化された加算制度がさらに拡充されることになります。

令和8年度、何が変わるの?3つの大きな変更点

変更点① 賃上げ額が大幅アップ

今回の改定では、福祉・介護職員だけでなく障害福祉従事者を幅広く対象に、月額1.0万円(3.3%)の賃上げを実現する措置が実施されます。

さらに、生産性向上や協働化に取り組む事業者の福祉・介護職員を対象に、月0.3万円(1.0%)の上乗せ措置も設けられます。

定期昇給0.6万円を含めると、合計で福祉・介護職員について最大月1.9万円(6.3%)の賃上げが実現する仕組みです。

変更点② 対象範囲が拡大

これまで処遇改善加算の対象外だった以下のサービスに、新たに処遇改善加算が創設されます。

新たに対象となるサービス
計画相談支援
障害児相談支援
地域相談支援

相談支援事業所にとっては、待望の処遇改善加算の適用となります。

変更点③ 加算区分の見直し(イ・ロの新設)

令和8年6月以降の算定分から、新たに「処遇改善加算Ⅰイ」「Ⅰロ」「Ⅱイ」「Ⅱロ」といった区分が設けられます。

「ロ」の区分を算定するためには、従来の要件に加えて⑧の令和8年度特例要件を満たす必要があります。具体的には、生産性向上や協働化に係る取組の実施や、社会福祉連携推進法人への所属などが求められます。

加算率はどう変わるの?

加算率は時期によって異なります。令和8年4月・5月については、別紙1表1-1に掲げる加算区分及びサービス類型別の加算率が適用されます。令和8年6月以降については、別紙1表1-2及び1-4に掲げる新しい加算率が適用されます。

また、令和8年4月・5月については、別紙1表1-3に掲げるサービスが処遇改善加算の算定対象となります。

ここがポイント!

令和8年度に増加した加算額については、独自の賃金改善を含む過去の実績に関わらず、新たに賃金改善を実施する必要があります。新規に実施する賃金改善は、ベースアップ(基本給の引き上げ)により行うことが基本とされています。

算定に必要な要件は?

処遇改善加算を算定するには、賃金改善の実施に加えて、加算区分に応じた複数の要件を満たす必要があります。

要件内容
① 月額賃金改善要件月給による賃金改善を実施すること
② キャリアパス要件Ⅰ任用要件・賃金体系の整備等(職位・職責に応じた賃金体系を整備し、就業規則等で周知)
③ キャリアパス要件Ⅱ研修の実施等(資質向上の計画策定、研修機会の確保)
④ キャリアパス要件Ⅲ昇給の仕組みの整備等(経験・資格・評価に応じた昇給制度)
⑤ キャリアパス要件Ⅳ改善後の年額賃金要件(経験・技能のある職員の賃金が年額460万円以上)
⑥ キャリアパス要件Ⅴ配置等要件(福祉専門職員配置等加算の届出)
⑦ 職場環境等要件入職促進、キャリアアップ支援、両立支援、健康管理、やりがい醸成、生産性向上の各区分での取組実施
⑧ 令和8年度特例要件生産性向上や協働化に係る取組(「ロ」区分の算定に必要)

加算区分ごとに必要な要件の組み合わせが異なります。処遇改善加算Ⅰ・Ⅱでは①~⑦のすべてが必要ですが、処遇改善加算Ⅲでは⑤⑥、処遇改善加算Ⅳでは④~⑥の要件を満たさなくても算定可能です。

令和8年度の特例措置

令和8年度に限り、処遇改善計画書において令和9年3月末までに要件を整備することを誓約した場合、申請時点から要件を満たしているものとして取り扱う特例措置が設けられています。誓約をした場合は、令和9年3月末までに実際に整備を行い、実績報告書でその旨を報告する必要があります。

届出の手続きはどうすればいい?

確認

処遇改善加算を算定するには、処遇改善計画書(別紙様式2-1、2-2、2-3)を提出する必要があります。

なお、自治体によっては体制等状況一覧表等の届出が不要とされている場合があります。届出に必要な書類は、必ずお住まいの自治体にご確認ください。

提出期限

算定開始時期提出期限
令和8年4月または5月から算定する場合令和8年4月15日(水)必着
令和8年6月または7月から算定する場合令和8年6月15日(月)必着
令和8年8月以降に算定する場合算定する月の前々月の末日 必着

提出方法

事業所の所在地を管轄する自治体(都道府県・市区町村)の障害福祉担当課へ、郵送または持参等で提出します。具体的な提出先・提出方法は、各自治体にご確認ください。

ご注意ください ― 様式が差し替えられています!

令和8年3月31日に送付された様式について、厚生労働省から様式修正の連絡がありました。処遇改善計画書(別紙様式2-1、2-2、2-3)及び記入例が修正されています。

既に作成いただいた事業者の方は、修正後の最新様式にて再度作成をお願いします。例年の傾向から、今後もさらに様式が差し替えになる可能性がありますのでご注意ください。

相談窓口

様式の作成方法など、処遇改善加算に係るご質問は以下の相談窓口をご利用ください。

福祉・介護職員等処遇改善加算等 厚生労働省相談窓口

電話番号:050-3733-0230

受付時間:9:00~18:00(土日含む)

まとめ

令和8年度の処遇改善加算の改定は、障害福祉分野で働く方々の賃金改善をさらに推し進めるための重要な制度変更です。

対象範囲の拡大や賃上げ額のアップは事業者・職員双方にとって前向きな変化ですが、加算区分の見直しや新しい要件の追加など、手続き面では注意が必要です。特に、様式の差し替えが発生していますので、常に最新の様式で書類を作成することを心がけてください。

提出期限も迫っていますので、早めの準備・対応をおすすめします。

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※本記事の内容は令和8年4月時点の情報に基づいています。最新の情報は厚生労働省のホームページや各自治体にてご確認ください。