運営指導は事業者を罰するためのものではなく、よりよいサービスにつなげるために行われます。事業者が守るべき基準は、法律・条例・規則・報酬告示に加えて最低基準まで含まれます。令和8年度に重視される点として、人員基準の遵守と勤務実態の確認などが挙げられます。
- 遵守すべき基準は法令や報酬告示だけでなく最低基準も含む
- 人員基準を満たさない配置や資格要件を欠く支援は指摘対象になる
- 管理者の兼務には具体的な上限がある
令和8年度の障害福祉サービス事業者等への運営指導が、いよいよ本格化する時期となりました。
各自治体は毎年度、運営指導に当たっての「指導方針」を定め、重点的にチェックする項目を公表しています。事業者にとっては、「自分の事業所がどこを見られるのか」を事前に把握しておくことが、安心して運営を続けるうえで重要です。
この記事では、令和8年度の運営指導で重視されると考えられるポイントを、事業者にわかりやすく整理してお伝えします。
運営指導の基本的な考え方
運営指導は、事業者を罰することが目的ではなく、よりよい障害福祉サービスの実現に向けた「育成」と「支援」が主眼とされています。
事業者が遵守すべき基準は、法律・条例・規則・報酬告示・解釈通知・Q&Aなど、複数の法令等によって定められています。疑義が生じた際には、まずこれらの根拠に立ち戻って確認することが大切です。
遵守すべき基準には「最低基準」も含まれる
事業者が遵守すべき基準は、記事本文で挙げた法律・条例・規則・報酬告示・解釈通知・Q&Aだけではありません。ある中核市の手引きでは、指定基準に加えて「最低基準」を満たすことが求められると整理されています。
最低基準とは、障害福祉サービス事業を行うにあたって最低限必要な設備および運営に関する基準です。療養介護、生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型・B型を運営する場合は、指定基準とは別に、この最低基準も守る必要があります。
また、指定を受けるための要件として、次の3点が挙げられています。
- 法人格を有すること
- 厚生労働省令や指定権者の条例で定める人員基準・設備基準・運営基準を満たすこと
- 障害者総合支援法第36条第3項各号に掲げる欠格事由(申請者が指定を取り消されてから5年を経過しない者であるときなど)に該当しないこと
そして、基準違反や不正な報酬請求などに対しては、法令に基づく監査などを実施し、指定取消しなどの行政処分を行うことがあるとされています。運営指導は育成・支援が主眼ですが、その先に監査・処分の枠組みがあることは押さえておいてください。
遵守すべき基準
- 法律・条例・規則・報酬告示・解釈通知・Q&A
- 指定基準に加えて「最低基準」(療養介護、生活介護、自立訓練、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型・B型)
指定を受けるための3要件
- 法人格を有すること
- 人員基準・設備基準・運営基準を満たすこと
- 欠格事由に該当しないこと
令和8年度に重視される5つのポイント
ポイント① 人員基準の遵守と勤務体制の確保
最低基準を満たさない人員配置や、資格要件を満たさない職員によるサービス提供がないか、改めて確認が必要です。
特に次のようなケースは、過去に請求した給付費の返還指導につながる可能性があります。
- 従業者の勤務状況を明確に示す記録が作成・保管されていない
- 生活支援員と職業指導員などを兼務しており、それぞれの従事時間が明確になっていない
- サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が送迎や直接支援に長時間従事し、本来の役割を果たせていない
- 経過措置やみなし配置の期間終了後も、配置を継続している
形式的に人員基準を満たしているように見えても、実態として役割を果たせていなければ指導の対象となり得ます。
管理者の兼務には具体的な上限がある
「兼務しているが、それぞれの従事時間が明確になっていない」という指摘は、兼務の可否そのものを確認していないことが原因であることも少なくありません。ある中核市の手引きでは、管理者の兼務について次の運用が示されています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 管理者業務に充てる時間 | 管理者と別の職種を兼務する場合、常勤の従業者が勤務すべき時間数の半分以上は管理者として従事することを基本に、適切な時間数を確保すること。 |
| 兼務できる職種の数 | 管理者と別に兼務できる職種は1つまで。3職種以上を兼務する場合は業務に支障があるものとみなされ、認められない。 |
| 管理者のみを兼務する場合 | 最大3事業所まで認められる(移動時間30分以内)。 |
たとえば「生活介護の管理者兼生活支援員」と「共同生活援助の管理者」を1人が担う組み方は、3職種以上の兼務にあたり認められない扱いとなります。一方、多機能型事業所で「就労移行支援の管理者兼サービス管理責任者」と「就労継続支援B型の管理者兼サービス管理責任者」を1人が担う場合は、管理者とサービス管理責任者の2職種とみなされ兼務可能とされています。
これは指定権者ごとの運用であり、判断が分かれる部分です。勤務形態一覧表を作る前に、申請先・所管の自治体に確認してください。
サービス管理責任者が欠如する見込みの段階で報告する
人員欠如は、発生してから対応するのでは遅い項目です。ある中核市の手引きでは、サービス管理責任者について「欠如または欠如の見込みがある場合、サービス管理責任者欠如減算、個別支援計画未作成減算の適用が必要となることがあるため、速やかに指定権者の担当課へ報告すること」とされています。
「見込みがある場合」という点が重要です。退職の申出があった時点、あるいは更新研修の受講が間に合わない見込みが立った時点で相談することが求められます。欠如が判明してから遡って減算を適用されるより、事前に相談して対応方針を確認しておくほうが、返還額も指摘の重さも小さくなります。
あわせて、サービス管理責任者はサービス管理責任者等研修(基礎研修・実践研修)の修了後、実践研修修了後5年ごとに更新研修を受講する必要があります。相談支援専門員も、初任者研修修了後5年ごとに現任研修を受講します。研修の期限管理を人員基準の管理と一体で行ってください。
勤務形態一覧表で判断に迷いやすい7つの場面
「勤務状況を明確に示す記録がない」という指摘の多くは、記録の不存在ではなく、常勤換算の考え方の誤りに起因します。ある中核市の手引きでは、勤務形態一覧表を作成するうえでの留意点が場面ごとに整理されています。
| 場面 | 留意点 |
|---|---|
| 祝日などの休業日 | 常勤の従業者が勤務を要しない日がある場合、勤務時間を記入する必要はなく、4週の合計欄は勤務を要しない日を計上せず記載してよい。所定労働時間が週40時間で4週の合計が152時間となった場合、週平均の勤務時間は38時間と記載し、月の常勤換算は勤務延べ時間数を152時間で除する。 |
| 有給休暇や出張 | 常勤の従業者は出勤するものとして勤務時間数を記入し、非常勤の従業者は勤務しないものとして記入しない。ただし、法人として常勤で雇用していても、他の事業所と兼任しているため一覧表上「非常勤」となっている従業者が有給休暇を取得した場合、勤務しなかった時間を常勤換算に算入することはできない。 |
| 月途中での入職・退職 | 在職期間中は「常勤」で勤務したものとして取り扱ってよいが、常勤換算を行ううえでは、勤務した時間数に応じて非常勤と同様の常勤換算方法をとる。 |
| 産休・育休・病休など | 暦月で1月以上勤務しない者は常勤換算に含めることはできないが、勤務時間数を「0」として氏名を記載し、運営規程などにおける員数に含めてもよい。 |
| 育児・介護休業法の所定労働時間の短縮措置者など | 指定基準上または加算の算定要件上、常勤としての配置が必要な場合は「常勤」として取り扱う。常勤換算では、短縮措置対象者の勤務時間数を他の従業者の勤務延べ時間数に合算せず、別に常勤換算1.0人としてカウントしてよい。 |
| 介護保険法による訪問介護事業所などとの兼務 | 訪問介護事業所と居宅介護事業所などとの間で同時並行的に兼務が可能で、一覧表の表記は「兼務」とする必要はなく、いずれの事業所においても「専従」として取り扱ってよい。 |
| 従たる事業所 | 勤務形態一覧表は主たる事業所と従たる事業所で分けて作成するが、管理者とサービス管理責任者については従たる事業所への掲載は省略可。双方に配置する従業者は配置する時間を分けて計上し、合計勤務時間が常勤の勤務すべき時間数に達している場合、同じ職種であれば「常勤・専従」、異なる職種であれば「常勤・兼務」で整理する。 |
特に指摘につながりやすいのが2行目です。他事業所と兼任していて一覧表上「非常勤」となっている職員の有給休暇を常勤換算に算入していると、人員欠如の判定に直結します。
あわせて、常勤換算方法の分母は「常勤の従業者が勤務すべき時間数」で、1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とします。勤務延べ時間数は、サービス提供に従事する時間や、サービス提供のための準備などを行う時間(待機時間を含む)のうち、就業規則などで明確に位置付けられている時間の合計です。従業者1人につき算入できるのは、常勤の従業者が勤務すべき時間数までです。
これらは指定権者の運用として整理されているものです。所管の自治体の最新の手引きを確認してください。
祝日などの休業日
- 勤務を要しない日は勤務時間を記入せず、4週の合計欄にも計上しない
- 週40時間で4週の合計が152時間なら、週平均38時間と記載し、常勤換算は勤務延べ時間数を152時間で除する
有給休暇や出張
- 常勤は出勤するものとして記入、非常勤は記入しない
- 他事業所と兼任していて一覧表上「非常勤」となっている職員の有給休暇は常勤換算に算入できない
常勤換算の前提
- 分母は「常勤の従業者が勤務すべき時間数」(週32時間を下回る場合は32時間を基本)
- 勤務延べ時間数は、就業規則などで明確に位置付けられている時間の合計。1人につき常勤の勤務すべき時間数が上限
ポイント② 適正な報酬請求の徹底
報酬体系は数次の改定で複雑化しています。算定要件を「満たしていること」が記録上で確認できなければ、たとえ実態が伴っていたとしても不適切な請求として扱われます。
押さえておきたい留意事項は次のとおりです。
- 加算等の算定要件を満たしていることは、事業者側に説明責任があります
- 出勤簿やサービス提供記録など、要件充足を明らかにできる資料を整備・保管してください
- 人員欠如や定員超過が発生した場合は、減算の対象となる場合があります
毎月の請求事務において、「要件を満たしていること」を客観的に示せる体制づくりが重要です。
届出の遅れは「遡って請求できない」「返還が生じる」の両方につながる
報酬請求の適正化は、日々の請求事務だけでなく、届出の期限管理と一体の問題です。ある中核市の手引きでは、申請・届出にあたっての留意事項として次の点が示されています。
- 事後調査などにおいて、指定後に提出した書類などに不備があり、過大に報酬を請求していたことが発覚した場合、いかなる理由であっても過大請求分は返還すること
- 指定の内容や加算の内容に変更が生じた際の申請・届出は、事業者の責任において随時行うこと。提出期限までに申請・届出書類を提出できなかった場合、遡って報酬を請求することはできない
- 不正に請求していた報酬がある場合、返還が生じることがある
- 事業者が遵守すべき指定基準などや申請・届出書類の内容については、手続きを行政書士などに委託する場合でも、事業所の管理者、従業者において必ず理解しておくこと
加算の届出期限についても、方向によって扱いが異なります。
| 区分 | 提出期限 |
|---|---|
| 新たに算定する場合、区分を上げる場合 | 算定する月の前月15日(閉庁日の場合は直後の開庁日)まで(必着) |
| 区分を下げる場合、取りやめる場合 | 速やかに提出(届出が遅れた場合、返還が生じることがある) |
加算を取りやめる方向の届出は「速やかに」とだけ定められているため後回しにされがちですが、遅れた分は返還の対象になります。加算要件を満たさなくなった月を特定できる記録を残し、その月のうちに届け出る運用にしてください。
期限・提出方法は指定権者によって異なるため、所管の自治体の最新の手引きを確認してください。
新たに算定する場合、区分を上げる場合
- 算定する月の前月15日まで(必着)
- 期限までに提出できなかった場合、遡って報酬を請求することはできない
区分を下げる場合、取りやめる場合
- 速やかに提出
- 遅れた分は返還の対象になる
ポイント③ 個別支援計画の作成プロセス
個別支援計画は、利用者の希望する生活や課題を踏まえた支援を提供するための土台です。サービス管理責任者等が中心となり、次のプロセスを丁寧に踏むことが必要です。
- アセスメント(利用者の能力・環境・生活状況等の把握)
- アセスメントを踏まえた支援内容の検討
- 担当者会議等での検討・調整を経た原案の作成
- 利用者・家族への説明と文書による同意、相談支援事業者への交付
- モニタリングと計画の見直し
見直しの頻度は、サービス種別によって「3か月に1回以上」「6か月に1回以上」「必要に応じて」と異なります。長期目標と短期目標が同一期間になっていたり、利用者の状態にかかわらず一律の期間設定になっているケースは、見直しが必要です。
サービス管理責任者等の指揮の下で計画が作成されていない場合は、「個別支援計画未作成等減算」が適用される点にもご注意ください。
ポイント④ 利用者の安全・安心を守る運営基準の遵守
近年、特に重点的に確認される領域です。それぞれ「未実施減算」が設定されている項目もあり、形式的な整備だけでなく、実際に機能しているかが問われます。
| 領域 | 主な確認事項 |
|---|---|
| 虐待防止 | 委員会の定期開催、研修の実施、担当者の配置 |
| 身体拘束等の禁止 | 緊急やむを得ない場合の記録、適正化のための委員会・指針・研修 |
| 秘密保持 | 退職後も含めた誓約書の取得等、必要な措置 |
| 事故防止対策 | 対応手順の整備、記録、再発防止策、自治体への報告 |
| 苦情解決 | 情報共有とサービス改善への反映 |
| 非常災害対策 | 計画の作成、訓練の定期実施、地域との連携 |
| 衛生管理 | 感染症・食中毒対策の委員会、指針、研修・訓練 |
| 業務継続計画(BCP) | 策定、周知、研修・訓練、定期的な見直し |
| ハラスメント対策 | 方針の明確化と必要な措置 |
| 安全計画(児童系) | 送迎時の所在確認、ブザー等の備付け |
| 地域連携推進会議 | 年1回以上の開催、構成員による見学、記録と公表 |
「規程はあるが研修が実施されていない」「委員会の議事録がない」といったケースは指導の対象となりやすいため、運用記録の整備を改めて確認してください。
ポイント⑤ 情報公表と業務管理体制
利用者が良質なサービスを選択できるよう、各種情報公表の履行も重視されます。
| 情報公表の種類 | 備考 |
|---|---|
| 障害福祉サービス等情報公表制度 | 全サービス対象。未報告は減算対象 |
| 自己評価結果等 | 児童発達支援・放課後等デイサービス等。未公表は減算対象 |
| 支援プログラム | 児発・放デイ等。未公表は減算対象 |
| 就労継続支援A型のスコア表 | 毎年度4月中に公表。未公表は減算対象 |
| 地域協働加算(就労B型)の取組内容 | 地域協働加算を算定する場合に公表 |
| ピアサポート研修修了者の配置 | ピアサポート実施加算の算定時に公表 |
加えて、業務管理体制の届出や、制度改正・報酬改定情報を受け取るためのメールアドレス登録、福祉サービス第三者評価の実施状況の説明など、運営の透明性を高める取組も求められています。
運営基準(未実施減算が設定されている項目もある)
- 虐待防止:委員会の定期開催、研修の実施、担当者の配置
- 身体拘束等の禁止:緊急やむを得ない場合の記録、委員会・指針・研修
- 秘密保持:退職後も含めた誓約書の取得等
- 事故防止対策:対応手順、記録、再発防止策、自治体への報告
- 苦情解決/非常災害対策/衛生管理/業務継続計画(BCP)/ハラスメント対策
情報公表(未報告・未公表は減算対象)
- 障害福祉サービス等情報公表制度(全サービス対象)
- 自己評価結果等(児発・放デイ等)
- 支援プログラム(児発・放デイ等)
- 就労継続支援A型のスコア表(毎年度4月中に公表)
- 地域協働加算(就労B型)の取組内容/ピアサポート研修修了者の配置
ここがポイント
運営指導で確認されるのは、「制度を理解しているか」だけではなく、「日々の運営の中で、根拠資料とともに実践できているか」です。
加算の算定要件、個別支援計画の作成プロセス、各種委員会・研修・訓練の実施――いずれも「記録に残っているか」が大きな分かれ目となります。指導当日に慌てて準備するのではなく、日常業務の中で記録と運用を積み重ねておくことが、結果的に最も確実な備えとなります。
ご注意ください ― 形式ではなく実態が問われます!
運営指導で実際に指摘されやすいのは、「規程は整備されているが、運用が伴っていない」パターンです。
- 虐待防止委員会は設置しているが、議事録や開催記録がない
- BCP(業務継続計画)は策定済みだが、従業者への周知・訓練を実施していない
- 個別支援計画は作成しているが、サービス管理責任者等の関与の記録がない
- 加算を算定しているが、算定要件を満たすことを示す資料が整備されていない
いずれも、記録の整備不足が原因で指導の対象となるケースです。
「専従」の意味を勤務時間で確認する
兼務の整理でつまずく前提として、「常勤」と「専従」の定義を確認しておきます。この2つは別の概念です。
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 常勤 | 事業所における勤務時間が、就業規則などで定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とする)に達していること。育児・介護休業法の所定労働時間の短縮措置などの対象者について常勤の従業者が勤務すべき時間数を30時間としているときは、30時間勤務することで常勤として取り扱ってよい。雇用契約における正規職員か非正規職員かは問わない。 |
| 専従 | 原則として、サービス提供時間帯を通じて障害福祉サービスなど以外の職務に従事しないこと。この場合のサービス提供時間帯は従業者の事業所における勤務時間(サービス単位を設定する場合はサービスの単位ごとの提供時間)をいい、従業者の常勤・非常勤の別を問わない。 |
「常勤=正社員」ではありません。契約形態にかかわらず、勤務時間が基準に達していれば常勤です。逆に、正社員であっても勤務時間が足りなければ常勤としては扱えません。運営指導では、雇用契約書・就業規則・出勤簿と勤務形態一覧表の整合が確認されます。
典型的な指摘
- 虐待防止委員会は設置しているが、議事録や開催記録がない
- BCPは策定済みだが、従業者への周知・訓練を実施していない
- 個別支援計画は作成しているが、サービス管理責任者等の関与の記録がない
- 加算を算定しているが、算定要件を満たすことを示す資料が整備されていない
「常勤」と「専従」は別の概念
- 常勤:就業規則などで定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していること(週32時間を下回る場合は32時間を基本)
- 専従:サービス提供時間帯を通じて障害福祉サービス等以外の職務に従事しないこと
よくある質問
令和8年度は、①人員基準の遵守と勤務体制の確保、②適正な報酬請求の徹底、③個別支援計画の作成プロセス、④利用者の安全・安心を守る運営基準の遵守、⑤情報公表と業務管理体制の5点が重視されます。
ある中核市の手引きでは、管理者が別の職種を兼務する場合、常勤の従業者が勤務すべき時間数の半分以上は管理者として従事することを基本としています。また、管理者と別に兼務できる職種は1つまでで、3職種以上の兼務は業務に支障があるものとみなされ、認められないとされています。管理者のみを兼務する場合は、移動時間30分以内で最大3事業所までです。
常勤は、事業所での勤務時間が就業規則等で定める常勤の従業者が勤務すべき時間数(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本)に達していることをいい、正規職員か非正規職員かは問いません。専従は、原則としてサービス提供時間帯を通じて他の職務に従事しないことをいい、両者は別の概念です。
欠如または欠如の見込みがある段階で、速やかに指定権者の担当課へ報告することとされています。退職の申出があった時点や、更新研修の受講が間に合わない見込みが立った時点で相談してください。欠如が判明してから遡って減算を適用されるより、事前相談のほうが影響を抑えられます。
アセスメント、支援内容の検討、担当者会議等での検討・調整を経た原案の作成、利用者・家族への説明と文書による同意、相談支援事業者への交付、モニタリングと計画の見直しという一連のプロセスが必要です。見直しの頻度はサービス種別によって異なります。
障害福祉サービス等情報公表制度の未報告、自己評価結果等や支援プログラムの未公表、就労継続支援A型のスコア表の未公表などは、いずれも減算の対象です。就労継続支援A型のスコア表は毎年度4月中に公表します。
指定基準に加えて「最低基準」を満たすことが必要です。療養介護、生活介護、自立訓練、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型・B型を運営する場合は、指定基準とは別に最低基準も遵守する必要があるとされています。基準違反や不正な報酬請求に対しては監査が実施され、指定取消し等の行政処分が行われることがあります。
まとめ
令和8年度の指導方針からは、「人員配置」「適正な報酬請求」「個別支援計画」「利用者の安全・安心」「情報公表」という、事業運営の基本ともいえる領域に改めてスポットが当たっていることが読み取れます。
いずれも、特別な取組というよりは「当たり前のことを、根拠資料とともに、継続的に実施できているか」が問われています。一つひとつのポイントを点検し、不足があれば早めに整備しておくことが、安心して事業を継続するうえでの大きな一歩となります。
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運営指導で確認される項目や指導方針の読み方、準備の進め方について、ご相談・助言を承っています。運営顧問では、実際の書類や運用を一緒に確認しながら進めます。
※本記事の内容は令和8年5月時点の情報に基づいています。最新の情報は厚生労働省のホームページや各自治体にてご確認ください。
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