障害児相談支援の基本報酬|障害児支援利用援助費・継続障害児支援利用援助費の単位数

障害児相談支援の基本報酬|障害児支援利用援助費の単位数

障害児相談支援の基本報酬は、障害児支援利用援助費と継続障害児支援利用援助費の2本立てです。利用計画を作成し通所給付決定や変更が行われた月と、モニタリングを行った月とで算定する報酬が分かれます。計画相談支援と同じく、(Ⅱ)は所定の要件に該当する場合に適用される低い単位数で、機能強化型の区分も設けられています。

  • 利用計画の作成時とモニタリング時で算定する報酬が分かれる
  • (Ⅱ)は所定の要件に該当する場合の低い単位数
  • 機能強化型の区分がある

この記事で分かること

障害児相談支援の基本報酬が、障害児支援利用援助費と継続障害児支援利用援助費という2本立てでどう構成されているのかを整理し、機能強化型を含む全区分の単位数を掲載します。あわせて、計画相談支援との違いと、開業時に押さえるべき論点を解説します。

はじめに

障害児相談支援は、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援を利用する子どもについて、障害児支援利用計画を作成し、定期的にモニタリングを行うサービスです。根拠法が児童福祉法である点が、計画相談支援との大きな違いです(指定権者はいずれも市町村です)。

報酬の構造は計画相談支援とよく似ていますが、単位数は障害児相談支援のほうが高く設定されています。

この記事のポイント

    • 基本報酬は、障害児支援利用計画を作成する際の「障害児支援利用援助費」と、モニタリングを行う際の「継続障害児支援利用援助費」の2本立てです。
    • それぞれに機能強化型(Ⅰ)〜(Ⅳ)と通常の(Ⅰ)(Ⅱ)があります。
    • 単位数は計画相談支援より高く、機能強化型(Ⅰ)では2,201単位です。
    • 令和8年度報酬改定では、障害児相談支援に福祉・介護職員等処遇改善加算が新設されました(加算率5.1%)。

1. 障害児相談支援の基本報酬は2本立て

区分算定する場面算定単位
イ 障害児支援利用援助費障害児支援利用計画を作成し、通所給付決定または変更が行われた場合1月につき
ロ 継続障害児支援利用援助費定期的にモニタリングを行い、障害児支援利用計画の見直しを行った場合1月につき
図解1障害児相談支援の基本報酬は2本立て

イ 障害児支援利用援助費

  • 障害児支援利用計画を作成し、通所給付決定または変更が行われた場合
  • 1月につき

ロ 継続障害児支援利用援助費

  • 定期的にモニタリングを行い、障害児支援利用計画の見直しを行った場合
  • 1月につき
※本文「1. 障害児相談支援の基本報酬は2本立て」を図解化したものです。

2. 基本報酬の単位数一覧

表1 障害児支援利用援助費

区分単位数(1月につき)
(1)機能強化型障害児支援利用援助費(Ⅰ)2,201単位
(2)機能強化型障害児支援利用援助費(Ⅱ)2,101単位
(3)機能強化型障害児支援利用援助費(Ⅲ)2,016単位
(4)機能強化型障害児支援利用援助費(Ⅳ)1,866単位
(5)障害児支援利用援助費(Ⅰ)1,766単位
(6)障害児支援利用援助費(Ⅱ)815単位

表2 継続障害児支援利用援助費

区分単位数(1月につき)
(1)機能強化型継続障害児支援利用援助費(Ⅰ)1,896単位
(2)機能強化型継続障害児支援利用援助費(Ⅱ)1,796単位
(3)機能強化型継続障害児支援利用援助費(Ⅲ)1,699単位
(4)機能強化型継続障害児支援利用援助費(Ⅳ)1,548単位
(5)継続障害児支援利用援助費(Ⅰ)1,448単位
(6)継続障害児支援利用援助費(Ⅱ)662単位

計画相談支援と同じく、(Ⅱ)は所定の要件に該当する場合に適用される低い区分です。障害児支援利用援助費(Ⅱ)は815単位で、(Ⅰ)の1,766単位の半分以下になります。

図解2障害児支援利用援助費の単位数(1月につき)
機能強化型(Ⅰ)
2,201単位
機能強化型(Ⅱ)
2,101単位
機能強化型(Ⅲ)
2,016単位
機能強化型(Ⅳ)
1,866単位
通常(Ⅰ)
1,766単位
通常(Ⅱ)
815単位
(Ⅱ)は所定の要件に該当する場合に適用される低い区分815単位は(Ⅰ)1,766単位の半分以下
※本文「表1 障害児支援利用援助費」をグラフにしたものです。
図解3継続障害児支援利用援助費の単位数(1月につき)
機能強化型(Ⅰ)
1,896単位
機能強化型(Ⅱ)
1,796単位
機能強化型(Ⅲ)
1,699単位
機能強化型(Ⅳ)
1,548単位
通常(Ⅰ)
1,448単位
通常(Ⅱ)
662単位
棒の長さは図解2と同じ目盛りで表示しています
※本文「表2 継続障害児支援利用援助費」をグラフにしたものです。

3. 機能強化型の区分

機能強化型とは

機能強化型は、常勤専従の相談支援専門員の配置数などに応じて、質の高い相談支援体制を評価する区分です。(Ⅰ)は常勤専従4人以上と24時間の連絡体制、(Ⅱ)は3人以上と24時間の連絡体制、(Ⅲ)は2人以上(24時間の連絡体制は不要)、(Ⅳ)は専従2人以上(うち1人以上が常勤専従の現任研修修了者)などが要件です。(Ⅰ)〜(Ⅲ)も、配置する相談支援専門員のうち1人以上が相談支援従事者現任研修の修了者であることが必要です。単独の事業所でも算定でき、複数の事業所が協定を結んで協働して算定する方法も別に認められています。

通常の区分と機能強化型(Ⅰ)では、1件あたり400単位以上の差があります。相談支援事業は1件あたりの単価が収入のすべてですので、この差は事業の成否を分けます。単独の事業所でも、常勤専従の相談支援専門員を配置できれば機能強化型を算定できますので、開業の設計段階で検討する価値があります。

図解4機能強化型で何が変わるか
常勤専従の相談支援専門員の配置(Ⅰ)4人以上と24時間の連絡体制/(Ⅱ)3人以上と24時間の連絡体制/(Ⅲ)2人以上(24時間の連絡体制は不要)/(Ⅳ)専従2人以上(うち1人以上が常勤専従の現任研修修了者)。いずれも1人以上が現任研修修了者であること。単独の事業所でも算定可
区分は(Ⅰ)〜(Ⅳ)常勤専従の相談支援専門員の人数などで決まる。複数の事業所が協定を結んで協働して算定する方法も別に認められている
通常区分と機能強化型(Ⅰ)で1件あたり400単位以上の差
相談支援事業は1件あたりの単価が収入のすべて単独開業でも、地域の他事業所との連携を設計段階で検討する
※本文「3. 機能強化型の区分」を図解化したものです。
あわせて読みたい計画相談支援の基本報酬|サービス利用支援費の単位数

4. 計画相談支援との違い

項目計画相談支援障害児相談支援
根拠法障害者総合支援法児童福祉法
指定権者市町村市町村
対象障害福祉サービスを利用する障害者・障害児障害児通所支援を利用する障害児
計画の名称サービス等利用計画障害児支援利用計画
基本報酬(新規・通常(Ⅰ))1,572単位1,766単位

実務上、多くの事業所が計画相談支援と障害児相談支援の両方の指定を受けています。障害児が18歳を迎えて障害者サービスに移行する際、同じ事業所が継続して支援できるほうが、本人にとっても家族にとっても望ましいためです。

両方の指定を受ける場合、相談支援専門員は兼務できますが、それぞれの指定申請が必要です。市町村によって様式や事前協議の運用が異なりますので、申請先の手引きを確認してください。

図解5計画相談支援と障害児相談支援の違い

計画相談支援

  • 根拠法:障害者総合支援法/指定権者:市町村
  • 対象:障害福祉サービスを利用する障害者・障害児
  • 計画の名称:サービス等利用計画
  • 基本報酬(新規・通常(Ⅰ)):1,572単位

障害児相談支援

  • 根拠法:児童福祉法/指定権者:市町村
  • 対象:障害児通所支援を利用する障害児
  • 計画の名称:障害児支援利用計画
  • 基本報酬(新規・通常(Ⅰ)):1,766単位
両者は別の指定。両方を行う場合はそれぞれ申請が必要相談支援専門員は兼務できる
※市町村によって様式や事前協議の運用が異なりますので、申請先の手引きを確認してください。

5. 令和8年度報酬改定での取扱い

令和8年6月1日施行の令和8年度報酬改定において、障害児相談支援の基本報酬の単位数は見直しの対象とされていません。

一方、同改定では障害児相談支援が福祉・介護職員等処遇改善加算の新たな対象サービスとされました。加算率は5.1%です。相談支援事業所にとって、人材確保の面で意味のある変更です。

つまずきやすいポイント

セルフプランが多い地域で開業してしまう

地域によっては、障害児支援利用計画がセルフプランで作成されている割合が高いところがあります。相談支援事業所の収入は計画作成とモニタリングの件数で決まりますので、開業予定地の状況を事前に把握しておく必要があります。

計画相談支援と障害児相談支援を1つの指定と考えてしまう

両者は別の指定です。両方を行う場合は、それぞれについて申請が必要です。

モニタリング頻度の管理ができていない

モニタリングの実施月は子どもごとに異なります。算定漏れを防ぐ管理の仕組みを、開業時に整えてください。

図解6開業前に確認したい3点

① セルフプランの割合

  • 地域によって障害児支援利用計画がセルフプランで作成されている割合が高いところがある
  • 収入は計画作成とモニタリングの件数で決まる

② 指定は別々

  • 計画相談支援と障害児相談支援を1つの指定と考えない

③ モニタリング頻度の管理

  • 実施月は子どもごとに異なる
  • 算定漏れを防ぐ管理の仕組みを開業時に整える
令和8年度改定:基本報酬の単位数は見直しの対象外障害児相談支援が福祉・介護職員等処遇改善加算の対象に(加算率5.1%)
※本文「5. 令和8年度報酬改定での取扱い」「つまずきやすいポイント」を整理したものです。
あわせて読みたい障害児相談支援の開業|指定申請の要件と流れ

よくある質問

Q
障害児相談支援の基本報酬はいくらですか。
A

障害児支援利用援助費は815単位から2,201単位、継続障害児支援利用援助費は662単位から1,896単位です。いずれも1月につきの単位数です。

Q
計画相談支援より単位数が高いのはなぜですか。
A

障害児の支援では保護者や学校等との調整が加わることなどが背景にあります。区分の構造は計画相談支援と同様です。

Q
計画相談支援と両方の指定を受けられますか。
A

受けられます。相談支援専門員の兼務も可能ですが、指定申請はそれぞれ必要です。

Q
令和8年度の改定で障害児相談支援は変わりましたか。
A

基本報酬の単位数は見直しの対象外ですが、福祉・介護職員等処遇改善加算が新設されました(加算率5.1%)。

あわせて読みたい放課後等デイサービスの基本報酬|支援時間区分・定員別の単位数

まとめ

障害児相談支援の基本報酬は、障害児支援利用援助費と継続障害児支援利用援助費の2本立てで、それぞれに機能強化型と通常の区分があります。単位数は計画相談支援より高く設定されていますが、1件あたりの単価が収入のすべてである点は同じです。

開業を検討する際は、地域のセルフプラン率や相談支援事業所の充足状況を確認したうえで、計画相談支援との併設や機能強化型の体制づくりまで含めて設計してください。

障害児相談支援の開業を、報酬の設計から支援します

障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、指定申請と労務管理の両面を、ひとつの窓口でご相談いただけます。開業支援は20万円〜(税別)、物件や事業計画の検討段階から承っています。

「この体制でどの報酬区分になるのか」「この収支計画で指定が通るのか」といった段階のご相談こそ、早めにお寄せください。静岡・神奈川・愛知を中心に、オンラインで全国に対応しています。

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主な参考資料

  • 参考:厚生労働省・こども家庭庁「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」/「介護給付費等単位数サービスコード表」/「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」/「指定障害児相談支援に要する費用の額の算定に関する基準」

※本記事は令和8年8月27日時点の法令・告示・通知等に基づく一般的な整理です。単位数は厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造(令和8年6月施行)」および「介護給付費等単位数サービスコード表」により確認しています。指定権者の条例・手引き・個別運用、最新の報酬告示・Q&Aを必ず確認してください。

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。