短期入所(ショートステイ)の基本報酬|サービス費の区分と単位数

短期入所の基本報酬|サービス費の区分と単位数

短期入所の基本報酬は、利用者が障害者か障害児か、日中活動サービスを利用した日かどうか、医療的ケアに対応する体制があるかどうかで分かれます。全体としては福祉型・医療型・共生型の3系統に整理されます。区分ごとの単位数は報酬告示の注で細かく定められています。

  • 福祉型・医療型・共生型の3系統に分かれる
  • 障害者か障害児か、日中活動の利用有無で単位数が変わる
  • 医療的ケアへの対応体制の有無も区分に影響する

はじめに

短期入所は、介護者の疾病その他の理由により、障害のある方が施設に短期間入所して介護等を受けるサービスです。併設型・空床利用型・単独型という運営形態の違いはよく知られていますが、基本報酬の区分は運営形態ではなく、利用者の属性とその日の状況によって決まります。

区分の数が多く、どのサービス費を算定するのか迷いやすいサービスですので、この記事では区分の使い分けから整理します。

1. 短期入所の基本報酬の全体像

短期入所の基本報酬は、大きく次の3系統に分かれます。

    • 福祉型短期入所サービス費:障害者支援施設等で行う短期入所
    • 医療型短期入所サービス費:病院・診療所・介護老人保健施設等で行う短期入所
    • 共生型短期入所サービス費:介護保険の短期入所生活介護事業所等が共生型の指定を受けて行う短期入所

いずれも1日単位で算定します。福祉型はさらに、利用者の属性と日中活動の利用状況によって(Ⅰ)から(Ⅳ)に分かれます。

2. 福祉型短期入所サービス費と単位数

福祉型短期入所サービス費(Ⅰ)〜(Ⅳ)の使い分け

報酬告示の注では、次のように定められています。

区分適用される場面区分の基準
(Ⅰ)区分1以上に該当する利用者(障害児を除く)に短期入所を行った場合障害支援区分
(Ⅱ)利用者が生活介護等(生活介護・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援A型/B型等)を利用した日に短期入所を行った場合障害支援区分
(Ⅲ)障害児支援区分1以上に該当する障害児に短期入所を行った場合障害児の障害の支援の区分
(Ⅳ)障害児が指定通所支援等(児童発達支援・放課後等デイサービス等)を利用した日に短期入所を行った場合障害児の障害の支援の区分

ポイントは(Ⅱ)と(Ⅳ)です。日中活動のサービスを利用した日に短期入所を行う場合、その日の日中の支援は別のサービスで給付されているため、短期入所の単位数は低く設定されています。実務では、この使い分けを誤ると過大請求になりますので注意が必要です。

福祉型の単位数一覧

表1 福祉型短期入所サービス費(障害者)

区分区分6区分5区分4区分3区分1・2
(Ⅰ)923単位784単位648単位583単位509単位
(Ⅱ)602単位527単位318単位240単位173単位

表2 福祉型短期入所サービス費(障害児)

区分区分3区分2区分1
(Ⅲ)784単位615単位509単位
(Ⅳ)527単位279単位173単位

表3 福祉型強化短期入所サービス費(障害者)

区分区分6区分5区分4区分3区分1・2
(Ⅰ)1,164単位1,026単位889単位824単位751単位
(Ⅱ)844単位770単位559単位483単位413単位

表4 福祉型強化短期入所サービス費(障害児)

区分区分3区分2区分1
(Ⅲ)1,026単位858単位752単位
(Ⅳ)770単位521単位412単位
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3. 強化型・特定短期入所、医療型・共生型

強化型・特定短期入所とは

(1)強化型

福祉型強化短期入所サービス費は、常勤の看護職員を配置するなど、医療的ケアが必要な方の受け入れ体制を整えた事業所に適用される区分です。通常の福祉型と比べて2割強から2倍以上まで、区分とサービス費の種別によって幅のある単位数が設定されています。

医療的ケア児者の受け入れ先が不足している地域では、この区分での運営を前提に体制を組む事業所もあります。看護職員の確保が前提になりますので、人材の見通しが立つかどうかを開業前に確認してください。

(2)特定短期入所

特定短期入所は、宿泊を伴わず、日中のみの利用に対応する区分です。福祉型強化特定短期入所サービス費と、医療型特定短期入所サービス費があります。

表5 福祉型強化特定短期入所サービス費(障害者)

区分区分6区分5区分4区分3区分1・2
(Ⅰ)1,107単位977単位846単位784単位715単位

表6 福祉型強化特定短期入所サービス費(障害児)

区分区分3区分2区分1
(Ⅱ)977単位816単位714単位

医療型・共生型の単位数

医療型短期入所は、病院、診療所、介護老人保健施設等で行われるもので、遷延性意識障害者や重症心身障害者など、医療的な管理が必要な方を対象とします。障害支援区分による区分ではなく、対象者の状態や事業所の類型に応じた区分です。

区分単位数
医療型短期入所サービス費(Ⅰ)3,117単位
医療型短期入所サービス費(Ⅱ)2,864単位
医療型短期入所サービス費(Ⅲ)1,826単位
医療型特定短期入所サービス費(Ⅰ)2,938単位
医療型特定短期入所サービス費(Ⅱ)2,735単位
医療型特定短期入所サービス費(Ⅲ)1,723単位
医療型特定短期入所サービス費(Ⅳ)2,150単位
医療型特定短期入所サービス費(Ⅴ)2,020単位
医療型特定短期入所サービス費(Ⅵ)1,328単位

共生型短期入所は、介護保険の短期入所生活介護事業所等が共生型の指定を受けて行うものです。

区分単位数
共生型短期入所サービス費(Ⅰ)784単位
共生型短期入所サービス費(Ⅱ)240単位
共生型強化短期入所サービス費(Ⅰ)1,013単位
共生型強化短期入所サービス費(Ⅱ)471単位

4. 令和8年度報酬改定での取扱い

令和8年6月1日施行の令和8年度報酬改定(臨時応急的な見直し)において、短期入所の基本報酬の単位数は見直しの対象とされていません。本記事に掲載した単位数は、令和6年度報酬改定によるもので、現在も引き続き適用されています。

同改定では福祉・介護職員等処遇改善加算の拡充が行われ、短期入所も対象サービスとされています。

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5. ミスが起こりやすいポイント

日中活動を利用した日の区分を誤る

生活介護や就労継続支援等を利用した日は、(Ⅱ)または(Ⅳ)を算定します。実績記録票と請求内容の整合を、毎月の請求業務の中で確認する仕組みを作ってください。

運営形態と報酬区分を混同する

併設型・空床利用型・単独型という区別は、人員基準や設備基準に関わるものであり、基本報酬の区分そのものではありません。単独型の場合は人員基準が異なりますので、指定申請の段階で確認が必要です。

強化型の要件を満たしていないのに前提にする

強化型は看護職員の配置等が要件です。収支計画を強化型の単位数で組む場合は、人材確保の見通しとあわせて検討してください。

よくある質問

Q
短期入所の基本報酬は1日あたりいくらですか。
A

福祉型では173単位から1,164単位まで、医療型では1,328単位から3,117単位までの幅があります。利用者の属性、障害支援区分、日中活動の利用状況、事業所の体制によって決まります。

Q
日中活動サービスを利用した日も算定できますか。
A

算定できます。ただしサービス費(Ⅱ)または(Ⅳ)となり、単位数は低くなります。

Q
併設型と単独型で単位数は変わりますか。
A

基本報酬の区分は運営形態では分かれません。ただし単独型では人員基準等が異なりますので、指定基準の確認が必要です。

Q
令和8年度の改定で短期入所の基本報酬は変わりましたか。
A

基本報酬の単位数は見直しの対象外です。

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まとめ

短期入所の基本報酬は、福祉型・医療型・共生型という事業所の類型と、利用者が障害者か障害児か、その日に日中活動を利用したかどうかによって決まります。区分の数は多いものの、使い分けのルール自体は明確です。

開業を検討する際は、想定する利用者像と受け入れ体制から、どの区分を主に算定することになるのかを整理してください。医療的ケアへの対応を予定する場合は、強化型の要件を満たせるかどうかが収支を大きく左右します。

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主な参考資料

※本記事は令和8年8月27日時点の法令・告示・通知等に基づく一般的な整理です。単位数は、厚生労働省の報酬算定構造(令和8年6月施行)と介護給付費等単位数サービスコード表で照合しています。指定権者の条例・手引き・個別運用、最新の報酬告示・Q&Aを必ず確認してください。

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

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