欠席時対応加算|児発・放デイの算定要件と記録の残し方

欠席時対応加算|児発・放デイの算定要件と記録の残し方

欠席時対応加算は、児童発達支援・放課後等デイサービスで利用者が急病等で欠席した場合に、相談援助を行ったときに算定できます。1回につき94単位で、月の算定回数に上限がありますが、主として重症心身障害児を通わせる事業所には例外が設けられています。最も多い指摘は記録の不足で、記録を残すこと自体が算定要件です。

  • 1回につき94単位で、月の算定回数に上限がある
  • 主に重症心身障害児を通わせる事業所には月8回の例外がある
  • 相談援助の記録を残すことが要件そのもの

この記事で分かること

児童発達支援・放課後等デイサービスの欠席時対応加算について、単位数と月の上限回数、見落とされやすい月8回の例外、「急病等」の判断、要件そのものである記録の残し方を整理します。

はじめに

利用予定日に児童が急に休んだとき、事業所は保護者への連絡や状況確認を行い、次回の支援に向けた調整をします。この手間を評価するのが欠席時対応加算です。単位数そのものは大きくありませんが、月に何件も発生するため年間では無視できない金額になります。同時に、記録の不備を理由に返還を求められやすい加算でもあります。

この記事のポイント

  • 単位数と月の上限回数、見落とされやすい「月8回」の例外
  • 「急病等」に当たるかどうかの判断軸
  • 記録に残すべき5項目

1. 基本の算定要件

児童発達支援・放課後等デイサービスの欠席時対応加算は、1回につき94単位です。要件は次のとおりです。

  • あらかじめ利用を予定していた日であること
  • 急病等により利用を中止したこと
  • 従業者が、障害児または家族等との連絡調整その他の相談援助を行ったこと
  • 障害児の状況、相談援助の内容等を記録したこと

そのうえで、原則として1月につき4回を限度に算定します。

なお、就労移行支援・就労継続支援A型/B型などの障害福祉サービス側の欠席時対応加算は94単位・月4回で区分はありません。児童発達支援・放課後等デイサービスにはかつて欠席時対応加算(Ⅱ)がありましたが、令和6年度報酬改定で廃止され、現在は(Ⅰ)のみです。この点を混同した設定になっている請求ソフトの運用を見かけることがありますので、確認しておくとよいでしょう。

図解1欠席時対応加算の4要件(児発・放デイ)
①予定日あらかじめ利用を予定していた日
②急病等急病等により利用を中止
③相談援助従業者が障害児または家族等との連絡調整その他の相談援助を行った
④記録障害児の状況、相談援助の内容等を記録
1回 94単位原則1月4回を限度
児発・放デイは令和6年度改定で(Ⅱ)が廃止され現在は(Ⅰ)のみ
※就労移行支援・就労継続支援A型/B型などの障害福祉サービス側の欠席時対応加算は94単位・月4回で区分はありません。請求ソフトの設定を確認しておくとよいでしょう。

2. 見落とされやすい「月8回」の例外

主として重症心身障害児を通わせる事業所については、例外が設けられています。

その月に支援を利用した障害児の数を、利用定員に当該月の営業日数を乗じた数で除して得た率が100分の80に満たない場合は、1月につき8回を限度として算定する。

つまり、重症心身障害児を主たる対象とする事業所で、月間の利用率が80%未満だった月については、限度回数が月8回に拡大されます。体調の変動が大きい児童が多く、欠席が構造的に発生しやすい実態を踏まえた規定です。

この例外を知らずに月4回で止めている事業所は珍しくありません。該当する事業所は、月次で利用率を計算し、80%未満の月については上限を8回として算定できるか確認してください。計算式は「その月の延べ利用児童数 ÷(利用定員 × その月の営業日数)」です。

図解2「月8回」に拡大される例外(主として重症心身障害児を通わせる事業所)
利用率を計算その月の延べ利用児童数 ÷(利用定員 × その月の営業日数)
80%以上限度は月4回
80%未満限度は月8回
この例外を知らずに月4回で止めている事業所は珍しくない月次で利用率を確認する
※体調の変動が大きい児童が多く、欠席が構造的に発生しやすい実態を踏まえた規定です。

3. 「急病等」の範囲をどう考えるか

条文は「急病等」としており、範囲は限定列挙されていません。とはいえ、あらゆる欠席が対象になるわけではありません。

障害福祉サービス側の留意事項通知では、中止した日の前々日・前日・当日に中止の連絡があった場合に算定できるとされ、事業所側の都合であらかじめ開所しないことを決定・連絡していた場合(台風による臨時休業など)は対象外とされています。事業所が開所しておらず職員が通常どおり出勤していない日も対象外です。障害児通所支援においても、同様の考え方で運用するのが安全です。

したがって、次のようなケースは慎重な判断が必要です。

  • 数週間前から分かっていた家族旅行や帰省による欠席
  • 学校行事等であらかじめ休むことが決まっていた日
  • 事業所都合の臨時休業日
  • 長期入院により、そもそも利用予定を立てていない期間

「予定していた日に、直前の事情で休んだ」という要素があるかどうかが判断の軸になります。

図解3「急病等」に当たるかの判断軸

算定できる方向

  • 中止した日の前々日・前日・当日に中止の連絡があった場合
  • 「予定していた日に、直前の事情で休んだ」という要素がある

慎重な判断が必要なケース

  • 数週間前から分かっていた家族旅行や帰省による欠席
  • 学校行事等であらかじめ休むことが決まっていた日
  • 事業所都合の臨時休業日(台風による臨時休業など)
  • 長期入院により、そもそも利用予定を立てていない期間
事業所が開所しておらず職員が通常どおり出勤していない日も対象外
※障害福祉サービス側の留意事項通知の考え方です。障害児通所支援においても同様の考え方で運用するのが安全です。
あわせて読みたい放課後等デイサービスの基本報酬|支援時間区分・定員別の単位数

4. 記録が要件そのものである

この加算で最も多い指摘は、記録の不足です。条文は「相談援助を行うとともに、当該障害児の状況、相談援助の内容等を記録した場合」と定めており、記録は算定要件の一部です。連絡帳や出席簿に「欠席」とだけ書かれている状態では、要件を満たしているとはいえません。

記録に残すべき要素を整理すると、次のようになります。

  • 欠席の連絡を受けた日時と、連絡してきた相手(保護者本人か、他の家族か)
  • 欠席の理由(発熱、体調不良など具体的に)
  • 行った相談援助の内容(家庭での様子の確認、受診状況の確認、次回利用日の調整、家庭での過ごし方に関する助言など)
  • 対応した職員名
  • 次回支援に向けて共有した事項

所定の様式は定められていませんので、支援記録システムに「欠席時対応記録」のテンプレートを作り、上記の項目を埋める形にしておくと、記載の粒度が職員によってばらつくことを防げます。

図解4記録に残すべき5項目
欠席の連絡を受けた日時と連絡してきた相手(続柄)欠席の理由(発熱、体調不良など具体的に)行った相談援助の内容対応した職員名次回支援に向けて共有した事項

相談援助の内容の例

  • 家庭での様子の確認
  • 受診状況の確認
  • 次回利用日の調整
  • 家庭での過ごし方に関する助言
※所定の様式は定められていません。支援記録システムに「欠席時対応記録」のテンプレートを作っておくと、記載の粒度のばらつきを防げます。

5. 他事業所との関係、多機能型の場合

同じ日に複数の事業所が関わるケースの整理も押さえておいてください。

A事業所を欠席し、同日にB事業所へ通所した場合は、A事業所は欠席時対応加算を算定でき、B事業所は基本報酬等を算定できます。「同じ日に両方の事業所が報酬を受け取ることになるが問題ないのか」という質問をよく受けますが、評価している内容が異なるため差し支えありません。

限度回数のカウントは、原則として事業所ごとに行い、事業所間で通算しません。多機能型事業所において児童発達支援と放課後等デイサービスの双方を提供している場合、家族支援加算などは各サービスを合計して上限回数をカウントする取扱いが示されていますので、加算ごとの取扱いの違いに注意が必要です。

図解5他事業所との関係・回数のカウント
A事業所欠席 → 欠席時対応加算を算定
同日にB事業所へ通所基本報酬等を算定
評価している内容が異なるため差し支えない
限度回数は原則として事業所ごと(事業所間で通算しない)家族支援加算などは各サービスを合計してカウント=加算ごとの取扱いの違いに注意
※本文「5. 他事業所との関係、多機能型の場合」を図解化したものです。
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6. 算定誤りのチェックリスト

  • 欠席の連絡を受けただけで、相談援助を行っていないのに算定していないか
  • 記録が「欠席」の一言で終わっていないか
  • 月5回目以降を算定していないか(重症心身障害児対象・利用率80%未満の月を除く)
  • 事前に分かっていた予定による欠席で算定していないか
  • 事業所都合の休業日に算定していないか
  • 重症心身障害児を主たる対象とする事業所で、利用率80%未満の月に月8回まで算定できることを見落としていないか

7. 運用のコツ

欠席の連絡は、朝の受け入れ準備で最も忙しい時間帯に集中します。そのため、記録が後回しになり、結果として「算定できたはずの分を算定していない」あるいは「記録がないまま算定してしまった」という状態が生まれます。

実務的には、欠席連絡を受けた職員がその場で入力できる短いフォーマットを用意し、電話を切る前に埋め切る運用にするのが確実です。あわせて、月末に「欠席記録の件数」と「請求上の算定回数」を突合するチェックを入れておけば、過大請求も算定漏れも防げます。

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8. まとめ

欠席時対応加算は、94単位・月4回という単純な加算に見えて、①相談援助の実施、②記録の作成、という2つの要件が揃って初めて算定できる加算です。重症心身障害児を主たる対象とする事業所には月8回の例外があり、この見落としによる算定漏れも実際に起きています。

個別の判断に迷う場合は、告示・留意事項通知および所轄の指定権者の解釈をご確認ください。

よくある質問

Q

児発・放デイの欠席時対応加算に(Ⅰ)(Ⅱ)の区分はありますか。

A

現在は(Ⅰ)のみです。児童発達支援・放課後等デイサービスにはかつて欠席時対応加算(Ⅱ)がありましたが、令和6年度報酬改定で廃止されました。就労移行支援・就労継続支援A型/B型などの障害福祉サービス側の欠席時対応加算は94単位・月4回で区分はありません。

Q

月4回を超えて算定できる場合はありますか。

A

主として重症心身障害児を通わせる事業所で、その月の利用率が80%未満である場合は、月8回を限度として算定できます。利用率は「延べ利用児童数÷(利用定員×営業日数)」で計算します。

Q

連絡帳に「欠席」と記載するだけでは足りませんか。

A

足りません。相談援助を行ったうえで、障害児の状況や相談援助の内容等を記録することが算定要件です。連絡を受けた日時、欠席理由、行った相談援助の内容、対応した職員名まで記録してください。

Q

同じ日に他の事業所を利用した場合はどうなりますか。

A

欠席した事業所は欠席時対応加算を算定でき、通所した事業所は基本報酬等を算定できます。評価している内容が異なるため、差し支えありません。

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障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、指定申請・報酬請求の実務と労務管理の両面を、ひとつの窓口でご相談いただけます。

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主な参考資料

  • 参考:「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準(報酬告示)」/こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に関するQ&A(障害児支援関係)」/「障害福祉サービスに係る留意事項通知(欠席時対応加算の取扱い)」

※本記事は令和8年8月28日時点の法令・告示・通知等に基づく一般的な整理です。指定権者の条例・手引き・個別運用、最新の報酬告示・Q&Aを必ず確認してください。

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

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