個別支援計画の作成プロセス|7ステップと未作成減算

個別支援計画の作成プロセス|7ステップと未作成減算

個別支援計画は、作ってあるかどうかではなく、アセスメントから交付・モニタリングまでの一連の業務が適切に行われているかで判断されます。とくに会議記録と文書同意は、運営指導で最も多く指摘される箇所です。児童発達支援・放課後等デイサービスでは、5領域との関連づけも求められます。

  • アセスメントから交付・モニタリングまで7つのステップがある
  • モニタリングの「6か月に1回」は前回から6か月以内という意味
  • 未作成減算は30%・50%と重く、適用期間にも決まりがある

この記事で分かること

個別支援計画は「作ってあるか」ではなく一連の業務が適切に行われているかで判断されます。アセスメントから交付・モニタリングまでの7ステップ、5領域との関連づけ、30%・50%という未作成減算の重さを整理します。

はじめに

個別支援計画は「作ってあるか」ではなく「一連の業務が適切に行われているか」で判断されます。プロセスのどこか1つが欠けても減算対象です。

この記事のポイント

  • 作成から交付までの7ステップ
  • モニタリングの頻度
  • 5領域との関連づけ(児発・放デイ)
  • 未作成減算の減算率

1. 7つのステップ

#ステップ落としやすい点
アセスメント利用者(障害児は保護者及び本人)との面接が必須
原案の作成意向、支援方針、課題、目標、達成時期、支援内容を記載
担当者会議担当者を招集し意見を求める。会議記録が必要
説明・同意原案を説明し、文書により同意を得る
交付利用者(保護者)に交付。障害児は相談支援事業者にも交付
実施・記録提供日・内容等を記録
モニタリング定期的な面接と計画の見直し

このうち、③会議記録④文書同意は、実地で最も多く指摘される箇所です。口頭で説明して署名だけもらっている、担当者会議を開いたが記録がない、というケースが目立ちます。

図解1個別支援計画の7ステップ
① アセスメント利用者(障害児は保護者及び本人)との面接が必須
② 原案の作成意向、支援方針、課題、目標、達成時期、支援内容
③ 担当者会議担当者を招集し意見を求める。会議記録が必要
④ 説明・同意原案を説明し、文書により同意を得る
⑤ 交付利用者(保護者)へ。障害児は相談支援事業者にも交付
⑥ 実施・記録提供日・内容等を記録
⑦ モニタリング定期的な面接と計画の見直し
※③会議記録と④文書同意は、実地で最も多く指摘される箇所です。口頭で説明して署名だけもらっている、担当者会議を開いたが記録がない、というケースが目立ちます。個別支援計画は「作ってあるか」ではなく「一連の業務が適切に行われているか」で判断されます。

2. モニタリングの頻度

サービス頻度
自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援少なくとも3か月に1回以上
生活介護、就労継続支援A型・B型、共同生活援助、施設入所支援 ほか少なくとも6か月に1回以上
児童発達支援、放課後等デイサービス少なくとも6か月に1回以上

「6か月に1回」は、前回から6か月以内という意味です。4月に作成したら遅くとも10月まで。月末にまとめて処理していると、うっかり1日超過することがあります。期限を利用者ごとに一覧管理してください。

図解2モニタリングの頻度

少なくとも3か月に1回以上

  • 自立訓練(機能訓練・生活訓練)
  • 就労移行支援

少なくとも6か月に1回以上

  • 生活介護、就労継続支援A型・B型
  • 共同生活援助、施設入所支援 ほか
  • 児童発達支援、放課後等デイサービス
「6か月に1回」は前回から6か月以内という意味4月に作成したら遅くとも10月まで期限は利用者ごとに一覧管理する
※月末にまとめて処理していると、うっかり1日超過することがあります。

3. 5領域との関連づけ(児発・放デイ)

令和6年度改定で、心身の健康等に関する領域を含む総合的な支援が求められるようになりました。児童発達支援管理責任者は、計画の作成にあたって5領域との関連性を踏まえた具体的内容を記載する必要があります。

5領域

領域ねらいの例
健康・生活健康状態の維持・改善、生活習慣・生活リズムの形成、基本的生活スキルの獲得
運動・感覚姿勢と運動・動作の基本的技能の向上、身体の移動能力の向上、感覚の活用と特性への対応
認知・行動認知の特性の理解と対応、対象や外部環境の適切な認知、行動障害の予防と対応
言語・コミュニケーション基礎的能力の向上、言語の受容と表出、コミュニケーション手段の選択と活用
人間関係・社会性アタッチメントの形成と安定、情緒の安定、他者との関わりの形成、遊びを通じた社会性の発達

書き方のポイント

ガイドラインは、「本人支援について5つの欄を設けて個々に異なる支援目標や支援内容を設定する必要はないが、各領域との関連性については必ず記載する」としています。

つまり、5領域それぞれに目標を立てる必要はありません。設定した支援内容が、どの領域とどうつながるのかを書けばよい、ということです。様式に「関連する領域」の欄を設けておくと運用しやすくなります。

事業所全体としては、支援プログラムを5領域との関連性を明確にして作成し、公表・届出する必要があります(未実施は15%減算)。

図解35領域との関連づけ(児童発達支援・放課後等デイサービス)
健康・生活健康状態の維持・改善、生活習慣・生活リズムの形成、基本的生活スキルの獲得
運動・感覚姿勢と運動・動作の基本的技能の向上、身体の移動能力の向上、感覚の活用と特性への対応
認知・行動認知の特性の理解と対応、対象や外部環境の適切な認知、行動障害の予防と対応
言語・コミュニケーション基礎的能力の向上、言語の受容と表出、手段の選択と活用
人間関係・社会性アタッチメントの形成と安定、情緒の安定、他者との関わりの形成、遊びを通じた社会性の発達

書き方のポイント

  • 5領域それぞれに目標を立てる必要はありません
  • 設定した支援内容がどの領域とどうつながるのかを書けばよい
  • 様式に「関連する領域」の欄を設けておくと運用しやすい

事業所全体としては

  • 支援プログラムを5領域との関連性を明確にして作成し、公表・届出する必要がある
  • 未実施は15%減算
※ガイドラインは、「本人支援について5つの欄を設けて個々に異なる支援目標や支援内容を設定する必要はないが、各領域との関連性については必ず記載する」としています。
あわせて読みたい支援プログラム未公表減算|15%減算を防ぐ公表と届出

4. 個別支援計画未作成減算

期間算定率
減算が適用される月から3月未満所定単位数の100分の70(30%減)
減算が適用される月から連続して3月以上所定単位数の100分の50(50%減)

適用期間:該当する月から、状態が解消されるに至った月の前月まで、該当する利用者について減算

減算率は、他の減算(1%〜15%)と比べて桁違いに大きいものです。3か月を超えると報酬が半分になります。

「一連の業務が適切に行われていない」に当たる例

  • サービス管理責任者を配置していない
  • 面接によるアセスメントを行っていない
  • 担当者会議を開催していない(または記録がない)
  • 原案の説明・文書同意・交付をしていない
  • 期限内にモニタリングを行っていない

「計画書という紙は存在するが、作成の過程が記録に残っていない」——これがいちばん危険な状態です。

図解4未作成減算は「桁違い」に重い
通常の算定
100
3月未満
70(30%減)
連続して3月以上
50(50%減)

「一連の業務が適切に行われていない」に当たる例

  • サービス管理責任者を配置していない
  • 面接によるアセスメントを行っていない
  • 担当者会議を開催していない(または記録がない)
  • 原案の説明・文書同意・交付をしていない
  • 期限内にモニタリングを行っていない

適用期間

  • 該当する月から、状態が解消されるに至った月の前月まで
  • 該当する利用者について減算
※「計画書という紙は存在するが、作成の過程が記録に残っていない」——これがいちばん危険な状態です。他の減算(1%〜15%)と比べて桁違いに大きく、3か月を超えると報酬が半分になります。
あわせて読みたい児発管・サビ管の欠如減算|減算が始まる月と退職日・配置日の考え方

5. 様式に入れておきたい欄

  • 作成年月日/前回計画の作成年月日
  • アセスメント実施日・実施者・面接の相手
  • 担当者会議の開催日・出席者
  • 利用者(保護者)への説明日・同意署名欄・交付日
  • モニタリング実施日・次回予定日
  • (児発・放デイ)支援内容と5領域の関連

これらを1枚に集約しておけば、運営指導での説明が格段に楽になります。

6. 自主点検チェックリスト

  • 全利用者について、有効な個別支援計画があるか
  • アセスメントで本人(保護者)と面接した記録があるか
  • 担当者会議の記録があるか
  • 文書による同意(署名または記名押印)を得ているか
  • 交付した記録があるか(障害児は相談支援事業者への交付も)
  • モニタリングの期限を一覧で管理しているか
  • (児発・放デイ)計画に5領域との関連が記載されているか
  • (児発・放デイ)支援プログラムを公表し、届出しているか
図解5様式に入れておきたい欄と、自主点検

様式に入れておきたい欄

  • 作成年月日/前回計画の作成年月日
  • アセスメント実施日・実施者・面接の相手
  • 担当者会議の開催日・出席者
  • 説明日・同意署名欄・交付日
  • モニタリング実施日・次回予定日
  • (児発・放デイ)支援内容と5領域の関連

自主点検チェックリスト

  • 全利用者について、有効な個別支援計画があるか
  • アセスメントで本人(保護者)と面接した記録があるか
  • 担当者会議の記録があるか
  • 文書による同意を得ているか
  • 交付した記録があるか(障害児は相談支援事業者への交付も)
  • モニタリングの期限を一覧で管理しているか
  • (児発・放デイ)5領域との関連の記載、支援プログラムの公表・届出
※これらを1枚に集約しておけば、運営指導での説明が格段に楽になります。計画書そのものより、プロセスの記録を整えること。アセスメント→会議→同意→交付→モニタリングの5点が記録で追える状態になっていれば、まず問題は起きません。

7. まとめ

個別支援計画は、事業所の支援の質を示す中心的な書類であり、同時に最も減算率の大きい項目でもあります。

計画書そのものより、プロセスの記録を整えること。アセスメント→会議→同意→交付→モニタリングの5点が記録で追える状態になっていれば、まず問題は起きません。

あわせて読みたい運営指導では何を見られる?確認項目を解説

よくある質問

Q

計画書は作ってあるのに減算されることはありますか。

A

あります。担当者会議の記録がない、文書による同意を得ていない、期限内にモニタリングを行っていないなど、一連の業務が適切に行われていない場合は減算対象です。

Q

モニタリングの期限はどう数えますか。

A

前回から6か月以内(就労移行支援・自立訓練は3か月以内)という意味です。月末にまとめて処理していると超過することがあるため、利用者ごとに期限を一覧管理してください。

Q

5領域それぞれに目標を立てる必要がありますか。

A

必要はありません。5つの欄を設けて個々に異なる支援目標を設定する必要はないとされていますが、各領域との関連性については必ず記載することが求められます。

Q

減算はどのくらいの影響がありますか。

A

減算が適用される月から3月未満は所定単位数の70%、連続して3月以上になると50%です。3か月を超えると報酬が半分になりますので、他の減算とは重みが異なります。

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障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、指定申請・報酬請求の実務と労務管理の両面を、ひとつの窓口でご相談いただけます。

静岡・神奈川・愛知を中心に、オンラインで全国に対応しています。「この加算は算定できるか」「この記録で足りるか」といった運営中のご相談も承っています。

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主な参考資料

  • 参考:「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(省令)」/「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(省令)」/「障害福祉サービス費等の算定に関する実施上の留意事項について」/こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」「児童発達支援ガイドライン」

※本記事は令和8年8月28日時点の法令・告示・通知等に基づく一般的な整理です。指定権者の条例・手引き・個別運用、最新の報酬告示・Q&Aを必ず確認してください。

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。