日中支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)とは|グループホームの配置・記録・個別支援計画の実務

共同生活援助の日中支援加算|(Ⅰ)(Ⅱ)の違いと配置・記録・個別支援計画

日中支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)は、実際に日中支援を行う日・時間帯に、基準上必要な世話人・生活支援員とは別枠で必要な職員を配置することがポイントです。また、個別支援計画・支援記録・勤務資料の内容が一貫していることが、運営指導への備えとして重要になります。

  • (Ⅰ)は日中をホーム外で過ごすことが困難な方、(Ⅱ)は日中活動を利用できなかったときの支援
  • 日中支援に充てた時間は基準人員の勤務時間に含められない
  • 通知上、1日◯時間以上といった一律の最低支援時間の定めはない

はじめに

日中支援加算は、共同生活援助(グループホーム)で日中の時間帯に支援を行った場合に算定できる加算です。ただし、算定できるかどうかは「日中にホームにいたかどうか」ではなく、その日・その時間帯に、基準配置とは別に誰を置いて、どのような支援を行ったかで判断されます。

実務では、月単位の加配人数だけを見て算定してしまう、日中支援に充てた時間を基準人員の勤務時間にもそのまま数えてしまう、といったミスが起こりがちです。どちらも運営指導で指摘を受けやすい点です。

この記事では、厚生労働省の報酬告示と留意事項通知をもとに、算定要件と単位数、配置・記録・個別支援計画について、迷いやすいところを整理します。

1. 日中支援加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い

(Ⅰ)は「もともと日中をホームの外で過ごすことが困難な高齢・重度の方への支援」、(Ⅱ)は「本来利用する予定だった日中活動等を利用できなかったときの支援」という性格の違いがあります。

項目日中支援加算(Ⅰ)日中支援加算(Ⅱ)
主な対象65歳以上または障害支援区分4以上で、日中をホームの外で過ごすことが困難と認められる利用者日中活動サービスの利用予定日や出勤予定日に、心身の状況等により利用・出勤できなかった利用者
算定の考え方個別支援計画等に位置付けたうえで、平日の日中にホームで支援した日に算定日中支援を行った初日から算定(令和6年度報酬改定で見直し。改定前は月3日目以降のみ)
加配基準人員に加えて、日中支援従事者を配置基準人員に加えて、必要と認められる数の世話人・生活支援員を配置
最低支援時間一律の定めなし一律の定めなし

(Ⅱ)は、令和6年度報酬改定(令和6年4月施行)で算定開始日が見直されました。改定前は、月に日中支援を行った日が2日を超えた場合に3日目以降を算定する取扱いでしたが、改定後は支援を行った初日から算定できます。古い取扱いのまま請求していると、1日目・2日目の分が算定漏れになるので注意してください。

図解1(Ⅰ)と(Ⅱ)の性格の違い

(Ⅰ)状態像に着目する

  • 高齢・重度で、日中の外出や通所が困難
  • 日常的にホーム内で日中を過ごす場面がある
  • アセスメントを踏まえて計画に位置付ける

(Ⅱ)できごとに着目する

  • 予定していた日中活動を利用できなかった
  • 理由が体調不良など心身の状況等によるもの
  • 支援を行った初日から算定する
※どちらも、実際に日中支援を行った日・時間帯に職員を配置していることが前提です。

2. 算定要件と単位数

(Ⅰ)と(Ⅱ)の算定要件を、厚生労働省の報酬告示と留意事項通知にそって整理すると次のとおりです。どちらも、要件をすべて満たした日に限って算定できます。

(Ⅰ)と(Ⅱ)の算定要件

要件日中支援加算(Ⅰ)日中支援加算(Ⅱ)
対象となる類型介護サービス包括型・外部サービス利用型介護サービス包括型・外部サービス利用型
対象者65歳以上または障害支援区分4以上で、日中を共同生活住居の外で過ごすことが困難と認められる利用者日中活動サービスの支給決定を受けている利用者、計画に位置付けて地域活動支援センター・介護保険サービス・精神科デイ・ケア等を利用している利用者、就労している利用者
算定する場面日中に共同生活住居で支援を行ったとき心身の状況等により、利用予定日に日中活動サービス等を利用できないとき、または出勤予定日に出勤できないときに、日中に支援を行ったとき
計画への位置付けサービス等利用計画と整合性を図ったうえで、個別支援計画に位置付ける日中活動サービス事業所等と十分に連携し、支援内容の整合性を図ったうえで、個別支援計画に位置付ける
職員の加配基準上必要な世話人・生活支援員に加えて、日中支援従事者を加配する基準上必要な世話人・生活支援員に加えて、必要と認められる数の世話人・生活支援員を加配する
勤務時間の扱い日中支援に係る勤務時間は、基準人員の員数と人員配置体制加算の算定に使う勤務時間に含めない(Ⅰ)と同じ
外部への委託日中の支援を委託することもできる。ただし、別の報酬等で評価される職務に従事する者(日中支援加算の業務を除く)に委託した場合は算定できない(Ⅰ)と同じ
算定できない日介護サービス包括型の利用者は、土曜日・日曜日・祝日に支援を行った日は算定できない曜日による除外の定めはない(利用予定日・出勤予定日であることが前提)
算定の単位支援を行った日ごとに、1日につき算定支援を行った初日から、1日につき算定(令和6年度報酬改定で見直し)
対象外の利用者共同生活住居内で居宅介護・重度訪問介護を個人単位で利用する経過措置の利用者(Ⅰ)と同じ

単位数

単位数は1日につき、その日に日中支援を行う利用者(日中支援対象利用者)の数で変わります。(Ⅱ)は、さらに利用者の障害支援区分によって単位数が分かれます。

加算・区分対象者が1人対象者が2人以上
日中支援加算(Ⅰ)539単位270単位
日中支援加算(Ⅱ)区分4〜6539単位270単位
日中支援加算(Ⅱ)区分3以下270単位135単位

日中支援対象利用者の数は、事業所ごとに、(Ⅰ)と(Ⅱ)の対象者を合わせて数えます。例えば、同じ日に(Ⅰ)の対象者1人と、体調不良で就労継続支援B型を欠席した区分3の利用者1人に日中支援を行った場合は、対象者が2人となるため、(Ⅰ)は270単位、(Ⅱ)は135単位で算定します。

3. (Ⅱ)は「日中ホームにいた」だけでは算定できない

日中支援加算(Ⅱ)は、日中活動サービスの利用予定日や就労予定日に、心身の状況等により利用・就労ができず、ホームで日中支援を行った場合に算定する加算です。

間違えやすいのが、「予定していた就労先を休み、ホームの職員が日中に対応したから算定できる」という考え方です。

判定具体例
○ 算定対象になり得る例体調不良により就労先を欠勤し、ホームの職員が受診同行、服薬確認、休息の声掛け、体調確認などの日中支援を行った場合。
× 算定対象にならない例もともと予定されていた定期受診のため就労先を休み、ホームの職員が通院同行を行った場合。単に「A型を休んで日中に支援した」というだけでは足りません。

ポイントは、「なぜ日中活動サービスを利用できなかったのか」です。記録には、次の3点を具体的に残しておくことが重要です。

  • 本来利用予定だった事業所・勤務先
  • 利用・就労できなかった理由
  • ホームで実際に行った支援内容

「ホームで日中支援した=日中支援加算(Ⅱ)」ではありません。算定前に、欠席・欠勤した理由まで確認してください。

なお、理由が心身の状況等によるものであっても、個別支援計画への位置付けと職員の加配がなければ算定できません(2章の要件を参照)。

4. 配置の考え方

支援する日・時間帯に配置する

日中支援加算では、基準上必要な生活支援員・世話人に加えて、実際に日中支援を行うための職員を配置します。月単位の人数だけで考えるのではなく、支援が必要な日・時間帯に、必要な支援を提供できる体制を確保することが求められます。

例えば、10時から14時までホーム内で日中支援を行う場合、この4時間について日中支援従事者として実際に支援できる体制を確保します。通知上、「1日1時間以上」「3時間以上」といった一律の最低支援時間は設けられていません。必要な支援内容や利用者の状態に応じた、合理的な時間を確保することになります。

基準人員への二重算入はできない

厚生労働省の通知では、日中支援に係る生活支援員・世話人の勤務時間について、基準上必要な生活支援員・世話人の員数を算定する際の勤務時間には含めてはならないと明記されています。

あわせて読みたいグループホームの人員配置体制加算|介護サービス包括型の単位数と特定従業者数換算方法

(Ⅰ)と(Ⅱ)の対象者が同じ時間帯にいる場合

同じ時間帯に日中支援加算(Ⅰ)の対象者と(Ⅱ)の対象者がいる場合は、利用者数・状態像・必要な支援内容を踏まえて、実際に必要な職員配置を考えます。

加算区分ごとに機械的に職員を分けるのではなく、その時間帯に必要な支援を安全かつ適切に提供できる配置になっているかが要点です。そのうえで、勤務表と支援記録から、誰がどの利用者にどのような支援を行ったかを説明できる状態にしておきます。

5. 記録と個別支援計画

支援記録に残す項目

運営指導では、「その日に本当に日中支援を行ったのか」「なぜ必要だったのか」「誰がどの時間に支援したのか」を説明できることが重要です。専用様式が必須というより、算定根拠が客観的に確認できる状態にしておくことが求められます。

  • 日中支援を行った日付
  • 支援を行った時間帯(例:10:00〜14:00)
  • 担当した日中支援従事者名
  • その日にホーム内で日中支援が必要となった理由・状況
  • 具体的な支援内容(食事、服薬、生活相談、見守り、余暇、排せつ、外出支援など)
  • 本人の様子・反応・体調
  • 支援後の状況や特記事項
  • 勤務表等で、日中支援従事者が基準人員とは別枠で配置されていることが確認できる資料

記録例

10:00〜14:00 担当:〇〇。心身の状態から当日の外出・通所が困難であったため、ホーム内で日中支援を実施。昼食準備、服薬確認、生活相談、居室整理の声掛け、余暇活動支援を行った。昼食後はリビングで穏やかに過ごされ、体調変化なし。

個別支援計画には「なぜ必要か」まで書く

日中支援加算(Ⅰ)では、単に「現在通所していない」「日中ホームにいる」という事実だけでは不十分です。日中を共同生活住居の外で過ごすことが困難と認められることをアセスメントし、その理由と必要な支援内容を個別支援計画に落とし込みます。

記載のイメージは、「心身の状態により日中の外出・通所が困難な日があるため、状態に応じてホーム内で見守り、生活相談、食事・服薬等の支援を行う」といった形です。アセスメントと実際の支援内容がつながる記載にします。

日中支援加算(Ⅱ)では、日中活動サービス事業所等との連携を図り、日中活動側の支援との整合性を確認したうえで、ホーム側の支援内容を計画へ位置付けることが求められています。

6. 運営指導への備えとよくある誤解

運営指導で説明しやすい3点セット

運営指導で算定根拠を説明するには、次の3つの資料の内容がそろっていることが大切です。どれか1つが欠けていると、日中支援を行った事実や加配の状況を説明しにくくなります。

資料確認できること
個別支援計画日中支援が必要な理由と、支援の内容
支援記録日付・時間帯・担当者・支援が必要になった理由・支援内容・本人の様子
勤務表などの勤務資料日中支援従事者が、基準人員とは別枠で配置されていること

よくある誤解

誤解正しい整理
月単位で加配人数だけ確認すればよい実際に日中支援を行う日・時間帯に、必要な職員を基準人員とは別に配置する。
通所していなければ(Ⅰ)を算定できる通所していないだけでは足りず、65歳以上または区分4以上で、ホーム外で過ごすことが困難という要件を確認する。
日中支援の時間も通常の基準人員に入れられる日中支援に係る時間は、基準人員の勤務時間に含められない。
(Ⅱ)は月3日目からしか算定できない令和6年度報酬改定で見直され、支援を行った初日から算定できる。
最低3時間などの時間要件がある通知上、一律の最低支援時間はない。実際に必要な支援を行った時間を確保する。
支援記録だけあればよい個別支援計画・支援記録・加配が分かる勤務資料をセットで整える。
ホームで日中に支援すれば(Ⅱ)を算定できる欠席・欠勤の理由が心身の状況等によるものかを確認する。もともと予定されていた定期受診のための欠勤は対象にならない。

よくある質問

Q
日中支援は何時間以上行う必要がありますか。
A

通知上、「1日1時間以上」「3時間以上」といった一律の最低支援時間は設けられていません。利用者の状態と必要な支援内容に応じた合理的な時間を確保し、その時間を記録に残してください。

Q
日中支援加算の単位数はいくらですか。
A

1日につき、(Ⅰ)は日中支援対象利用者が1人の場合539単位、2人以上の場合270単位です。(Ⅱ)は、区分4〜6の利用者が539単位(2人以上の場合は270単位)、区分3以下の利用者が270単位(2人以上の場合は135単位)です。対象者の人数は、(Ⅰ)と(Ⅱ)の対象者を合わせて数えます。

Q
土曜日・日曜日・祝日の日中支援も算定できますか。
A

(Ⅰ)は、介護サービス包括型の利用者について、土曜日・日曜日・祝日に支援を行った日は算定できません。(Ⅱ)には曜日による除外の定めはなく、日中活動サービスの利用予定日や出勤予定日であれば対象になります。

Q
日中支援に充てた時間を、人員基準の常勤換算にも使えますか。
A

使えません。日中支援に係る生活支援員・世話人の勤務時間は、基準上必要な員数を算定する際の勤務時間に含めてはならないとされています。

Q
通所していない日は、すべて(Ⅰ)を算定できますか。
A

できません。通所していないという事実だけでは足りず、65歳以上または障害支援区分4以上で、日中をホームの外で過ごすことが困難と認められることが必要です。

Q
(Ⅱ)は日中支援を行った日からすぐ算定できますか。
A

算定できます。令和6年度報酬改定により、日中支援を行った初日から算定できるようになりました。改定前は「月に日中支援を行った日が2日を超えた場合に3日目以降を算定」とされていたため、請求の運用が当時のままだと1日目・2日目が算定漏れになります。

Q
定期受診のために就労先を休み、ホームの職員が通院に同行した日は(Ⅱ)を算定できますか。
A

算定できません。(Ⅱ)は、心身の状況等により、利用予定日に日中活動サービス等を利用できなかったとき、または出勤予定日に出勤できなかったときの支援が対象です。もともと予定されていた受診のための欠勤は、これに当たりません。体調不良で欠勤し、受診同行や服薬確認などの日中支援を行った場合は、算定対象になり得ます。

Q
同じ時間帯に(Ⅰ)と(Ⅱ)の対象者がいる場合、職員を分ける必要がありますか。
A

加算区分ごとに機械的に分ける必要はありません。利用者数・状態像・必要な支援内容を踏まえ、その時間帯に安全かつ適切に支援できる配置にしたうえで、誰がどの利用者にどのような支援を行ったかを説明できるようにします。

Q
支援記録は決まった様式で作らなければいけませんか。
A

専用様式が必須というわけではありません。日付・時間帯・担当者・支援が必要になった理由・具体的な支援内容・本人の様子が分かり、算定根拠を客観的に確認できる状態であれば差し支えありません。

Q
重度障害者支援加算の加配時間と重ねて数えてもよいですか。
A

少なくとも基準人員への二重算入は明文で認められていません。別の加配要件についても、同じ勤務時間を二重の加配時間として扱わず、それぞれの要件と実際の支援内容を説明できるよう時間と役割を整理しておくのが安全です。

Q
個別支援計画には何を書けばよいですか。
A

(Ⅰ)は、日中をホームの外で過ごすことが困難と認められる理由と、それに応じた支援内容を書きます。(Ⅱ)は、日中活動サービス事業所等と連携し、日中活動側の支援との整合性を確認したうえで、ホーム側の支援内容を位置付けます。

まとめ

押さえるべき7点

① 実際に支援する日・時間帯に、基準人員とは別に必要な職員を配置する。
② 「1日◯時間以上」という一律の最低支援時間はない。
③ 日中支援に使った時間は、基準人員の勤務時間へ二重算入しない。
④ 個別支援計画に、日中支援が必要な理由と支援内容を位置付ける。
⑤ 日付・時間・担当者・支援内容・本人の様子を記録する。
⑥ (Ⅰ)(Ⅱ)の違いを理解し、対象者と算定日を正しく判定する。
⑦ (Ⅱ)は、欠席・欠勤の理由が心身の状況等によるものかを確認してから算定する。

日中支援加算は、「その利用者に、その日、その時間帯に必要な支援を行うため、基準配置とは別に誰を置いたか」という実態で整理する加算です。個別支援計画・勤務・支援記録が一貫していれば、運営指導でも算定根拠を説明しやすくなります。

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障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、加算の算定要件と勤務体制の整備を、ひとつの窓口でご相談いただけます。

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主な参考資料

※本記事は令和8年10月8日時点の厚生労働省通知等をもとに整理しています。実際の算定にあたっては、利用者の状態、支給決定、個別支援計画、勤務実態および指定権者の取扱いをご確認ください。

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。