日中支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)は、実際に日中支援を行う日・時間帯に、基準上必要な世話人・生活支援員とは別枠で必要な職員を配置することがポイントです。また、個別支援計画・支援記録・勤務資料の内容が一貫していることが、運営指導への備えとして重要になります。
- (Ⅰ)は日中をホーム外で過ごすことが困難な方、(Ⅱ)は日中活動を利用できなかったときの支援
- 日中支援に充てた時間は基準人員の勤務時間に含められない
- 通知上、1日◯時間以上といった一律の最低支援時間の定めはない
この記事で分かること
共同生活援助(グループホーム)の日中支援加算について、(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い、日中支援従事者を配置する考え方、基準人員への二重算入ができない理由、支援記録に残す項目、個別支援計画への書き方、運営指導で説明しやすい資料のそろえ方までを整理します。
はじめに
日中支援加算は、共同生活援助(グループホーム)で日中の時間帯に支援を行った場合に算定できる加算です。ただし、算定できるかどうかは「日中にホームにいたかどうか」ではなく、その日・その時間帯に、基準配置とは別に誰を置いて、どのような支援を行ったかで判断されます。
実務では、月単位の加配人数だけを見て算定してしまう、日中支援に充てた時間を基準人員の勤務時間にもそのまま数えてしまう、といったつまずきが起こりがちです。どちらも運営指導で指摘を受けやすい点です。
この記事では、厚生労働省の留意事項通知をもとに、配置・記録・個別支援計画の3点を中心に、迷いやすいところを整理します。
この記事のポイント
- (Ⅰ)は日中をホーム外で過ごすことが困難な方への支援、(Ⅱ)は予定していた日中活動を利用できなかったときの支援です。
- 基準上必要な世話人・生活支援員に加えて、日中支援を行う職員を配置します。
- 日中支援に係る勤務時間は、基準人員の員数を算定する勤務時間に含められません。
- 「1日1時間以上」「3時間以上」といった一律の最低支援時間の定めはありません。
- 個別支援計画・支援記録・勤務資料の3点がつながっていることが、算定根拠の説明につながります。
1. 日中支援加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い
(Ⅰ)は「もともと日中をホームの外で過ごすことが困難な高齢・重度の方への支援」、(Ⅱ)は「本来利用する予定だった日中活動等を利用できなかったときの支援」という性格の違いがあります。
| 項目 | 日中支援加算 | 日中支援加算 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 65歳以上 | 予定していた |
| 算定の考え方 | 個別支援計画等に | 日中支援を |
| 加配 | 基準人員に | 基準人員に |
| 最低支援時間 | 一律の定めなし | 一律の定めなし |
(Ⅱ)は、令和6年度報酬改定(令和6年4月施行)で算定開始日が見直されました。改定前は、月に日中支援を行った日が2日を超えた場合に3日目以降を算定する取扱いでしたが、改定後は支援を行った初日から算定できます。古い取扱いのまま請求していると、1日目・2日目の分が算定漏れになるので注意してください。
(Ⅰ)状態像に着目する
- 高齢・重度で、日中の外出や通所が困難
- 日常的にホーム内で日中を過ごす場面がある
- アセスメントを踏まえて計画に位置付ける
(Ⅱ)できごとに着目する
- 予定していた日中活動を利用できなかった
- 体調不良や事業所の休業などの事情が生じた
- 支援を行った初日から算定する
2. 支援する日・時間帯に配置する
日中支援加算では、基準上必要な生活支援員・世話人に加えて、実際に日中支援を行うための職員を配置します。月単位の人数だけで考えるのではなく、支援が必要な日・時間帯に、必要な支援を提供できる体制を確保することが求められます。
例えば、10時から14時までホーム内で日中支援を行う場合、この4時間について日中支援従事者として実際に支援できる体制を確保します。通知上、「1日1時間以上」「3時間以上」といった一律の最低支援時間は設けられていません。必要な支援内容や利用者の状態に応じた、合理的な時間を確保することになります。
基準配置の時間
通常の人員基準を満たすための世話人・生活支援員の勤務時間
日中支援の時間
10:00〜14:00など、日中支援に充てる時間を別枠で確保する
区分して説明できる状態
勤務表で、どの時間が日中支援に充てられたかが分かるようにする
3. 基準人員への二重算入はできない
厚生労働省の通知では、日中支援に係る生活支援員・世話人の勤務時間について、基準上必要な生活支援員・世話人の員数を算定する際の勤務時間には含めてはならないと明記されています。
正しい整理
- 基準人員を満たす勤務時間はそのまま確保する
- 日中支援の4時間は別建てで上乗せする
- 勤務表で両者を区分して記載する
できない整理
- 日中支援に使った4時間を、同じ4時間のまま基準人員にも数える
- 月単位の総時間だけで、両方を満たしていると説明する
4. (Ⅰ)と(Ⅱ)の対象者が同じ時間帯にいる場合
同じ時間帯に日中支援加算(Ⅰ)の対象者と(Ⅱ)の対象者がいる場合は、利用者数・状態像・必要な支援内容を踏まえて、実際に必要な職員配置を考えます。
加算区分ごとに機械的に職員を分けるのではなく、その時間帯に必要な支援を安全かつ適切に提供できる配置になっているかが要点です。そのうえで、勤務表と支援記録から、誰がどの利用者にどのような支援を行ったかを説明できる状態にしておきます。
5. 支援記録に残す項目
運営指導では、「その日に本当に日中支援を行ったのか」「なぜ必要だったのか」「誰がどの時間に支援したのか」を説明できることが重要です。専用様式が必須というより、算定根拠が客観的に確認できる状態にしておくことが求められます。
- 日中支援を行った日付
- 支援を行った時間帯(例:10:00〜14:00)
- 担当した日中支援従事者名
- その日にホーム内で日中支援が必要となった理由・状況
- 具体的な支援内容(食事、服薬、生活相談、見守り、余暇、排せつ、外出支援など)
- 本人の様子・反応・体調
- 支援後の状況や特記事項
- 勤務表等で、日中支援従事者が基準人員とは別枠で配置されていることが確認できる資料
記録例
10:00〜14:00 担当:〇〇。心身の状態から当日の外出・通所が困難であったため、ホーム内で日中支援を実施。昼食準備、服薬確認、生活相談、居室整理の声掛け、余暇活動支援を行った。昼食後はリビングで穏やかに過ごされ、体調変化なし。
6. 個別支援計画には「なぜ必要か」まで書く
日中支援加算(Ⅰ)では、単に「現在通所していない」「日中ホームにいる」という事実だけでは不十分です。日中を共同生活住居の外で過ごすことが困難と認められることをアセスメントし、その理由と必要な支援内容を個別支援計画に落とし込みます。
記載のイメージは、「心身の状態により日中の外出・通所が困難な日があるため、状態に応じてホーム内で見守り、生活相談、食事・服薬等の支援を行う」といった形です。アセスメントと実際の支援内容がつながる記載にします。
日中支援加算(Ⅱ)では、日中活動サービス事業所等との連携を図り、日中活動側の支援との整合性を確認したうえで、ホーム側の支援内容を計画へ位置付けることが求められています。
7. 運営指導で説明しやすい3点セット
個別支援計画
日中支援が必要な理由と支援内容を位置付ける
日々の支援記録
日付・時間・担当者・具体的な支援・本人の様子を残す
勤務表・勤務形態一覧表
基準人員とは別に日中支援従事者を配置したことを確認できるようにする
8. よくある誤解
| 誤解 | 正しい整理 |
|---|---|
| 月単位で | 実際に |
| 通所していなければ | 通所していないだけでは |
| 日中支援の | 日中 |
| (Ⅱ)は | 令和6年度報酬改定で |
| 最低3時間などの | 通知上、 |
| 支援記録だけ | 個別支援計画・支援記録・ |
実務チェックリスト
□ 対象者が(Ⅰ)(Ⅱ)のどちらに当たるかを確認している
□ (Ⅰ)は65歳以上または障害支援区分4以上であることを確認している
□ (Ⅱ)を支援の初日から算定している(月3日目以降に限定していない)
□ 日中支援を行う日・時間帯に、基準人員とは別に職員を配置している
□ 日中支援に充てた時間を、基準人員の勤務時間に含めていない
□ 個別支援計画に、日中支援が必要な理由と支援内容を書いている
□ 支援記録に日付・時間帯・担当者・支援内容・本人の様子を残している
□ 勤務表から、日中支援従事者の配置が別枠であると読み取れる
よくある質問
通知上、「1日1時間以上」「3時間以上」といった一律の最低支援時間は設けられていません。利用者の状態と必要な支援内容に応じた合理的な時間を確保し、その時間を記録に残してください。
使えません。日中支援に係る生活支援員・世話人の勤務時間は、基準上必要な員数を算定する際の勤務時間に含めてはならないとされています。
できません。通所していないという事実だけでは足りず、65歳以上または障害支援区分4以上で、日中をホームの外で過ごすことが困難と認められることが必要です。
算定できます。令和6年度報酬改定により、日中支援を行った初日から算定できるようになりました。改定前は「月に日中支援を行った日が2日を超えた場合に3日目以降を算定」とされていたため、請求の運用が当時のままだと1日目・2日目が算定漏れになります。
加算区分ごとに機械的に分ける必要はありません。利用者数・状態像・必要な支援内容を踏まえ、その時間帯に安全かつ適切に支援できる配置にしたうえで、誰がどの利用者にどのような支援を行ったかを説明できるようにします。
専用様式が必須というわけではありません。日付・時間帯・担当者・支援が必要になった理由・具体的な支援内容・本人の様子が分かり、算定根拠を客観的に確認できる状態であれば差し支えありません。
少なくとも基準人員への二重算入は明文で認められていません。別の加配要件についても、同じ勤務時間を二重の加配時間として扱わず、それぞれの要件と実際の支援内容を説明できるよう時間と役割を整理しておくのが安全です。
(Ⅰ)は、日中をホームの外で過ごすことが困難と認められる理由と、それに応じた支援内容を書きます。(Ⅱ)は、日中活動サービス事業所等と連携し、日中活動側の支援との整合性を確認したうえで、ホーム側の支援内容を位置付けます。
まとめ
押さえるべき6点
① 実際に支援する日・時間帯に、基準人員とは別に必要な職員を配置する。
② 「1日◯時間以上」という一律の最低支援時間はない。
③ 日中支援に使った時間は、基準人員の勤務時間へ二重算入しない。
④ 個別支援計画に、日中支援が必要な理由と支援内容を位置付ける。
⑤ 日付・時間・担当者・支援内容・本人の様子を記録する。
⑥ (Ⅰ)(Ⅱ)の違いを理解し、対象者と算定日を正しく判定する。
日中支援加算は、「その利用者に、その日、その時間帯に必要な支援を行うため、基準配置とは別に誰を置いたか」という実態で整理する加算です。個別支援計画・勤務・支援記録が一貫していれば、運営指導でも算定根拠を説明しやすくなります。
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障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、加算の算定要件と勤務体制の整備を、ひとつの窓口でご相談いただけます。
静岡・神奈川・愛知を中心に、オンラインで全国に対応しています。「この配置で日中支援加算を算定できるか」「支援記録の書き方が足りているか」といったご相談も承っています。
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主な参考資料
- 参考:厚生労働省「障害福祉サービス等報酬の算定に関する実施上の留意事項」(共同生活援助・日中支援加算の取扱い)
- 参考:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」(共同生活援助・日中支援加算の見直し)
- 参考:厚生労働省「共同生活援助」
※本記事は令和8年9月15日時点の厚生労働省通知等をもとに整理しています。実際の算定にあたっては、利用者の状態、支給決定、個別支援計画、勤務実態および指定権者の取扱いをご確認ください。

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。
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