サービス管理責任者等のみなし配置|やむを得ない事由で欠けたときの期間と要件

サービス管理責任者等のみなし配置の期間と、最長2年になる要件を整理

サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が、退職や病休など事業者の責めに帰さない事由で欠け、すぐに後任を配置できない場合は、実務経験のある職員をサービス管理責任者等とみなして配置できます。みなし配置の期間はもともと1年間ですが、3つの要件をすべて満たす職員であれば、実践研修を修了するまでの間、欠けた時から最長2年間に延びます。

  • やむを得ない事由に当たるかは、指定権者が個別の状況を踏まえて判断する
  • 最長2年になるのは、実務経験要件を満たし、欠けた時点で基礎研修を修了し、欠ける前から同じ事業所に配置されている職員
  • 基礎研修は「サービス管理責任者等基礎研修」と「相談支援従事者初任者研修講義部分」の両方の修了が必要
  • みなし配置の途中で基礎研修を修了しても、期間は起算点から1年間のまま

はじめに

サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者(以下「サービス管理責任者等」)が急に退職したり、病気で長く休んだりすると、事業所は人員基準を満たせなくなります。こうしたときに使えるのが、実務経験のある職員をサービス管理責任者等とみなして配置する「みなし配置」です。

この記事では、令和5年3月31日に厚生労働省が示したQ&Aをもとに、みなし配置が使える場合と、みなし配置の期間が最長2年に延びるための要件を整理します。

1. やむを得ない事由によるみなし配置とは

サービス管理責任者等がやむを得ない事由で欠けた事業所では、サービス管理責任者等の配置に必要な実務経験要件を満たしている職員(以下「実務経験者」)を、サービス管理責任者等とみなして配置できます。

みなし配置の期間は、もともとは欠けた時から1年間です。令和5年度のサービス管理責任者等研修制度の見直しにより、一定の要件を満たす職員であれば、実践研修を修了するまでの間、最長で欠けた時から2年間みなし配置できるようになりました。

図解1みなし配置の期間
欠けた時みなし配置の期間の起算点
→
1年間もともとのみなし配置の期間
→
最長2年間3つの要件を満たせば、実践研修の修了まで
2年間は「最長」です。実践研修を修了するまでの間に限られ、欠けた時から2年を超えてみなし配置することはできません。

期間ごとの対象者をまとめると、次のとおりです。

対象となる職員みなし配置の期間
3つの要件(3章)をすべて満たす実務経験者実践研修を修了するまで(欠けた時から最長2年間)
欠けた時点で基礎研修を修了していない実務経験者欠けた時から1年間

2. 「やむを得ない事由」に当たる場合

みなし配置ができるのは、次の2つの両方に当てはまる場合です。

  • サービス管理責任者等が、退職や病休など、事業者の責めに帰さない事由で欠けた
  • その事業所に、サービス管理責任者等をすぐに配置することが難しい

退職や病休で欠けた場合でも、すぐに後任を配置できる状況であれば、やむを得ない事由には当たりません。

当てはまるかどうかは、指定権者である自治体が、個別の状況を踏まえて判断します。みなし配置を考えるときは、欠けた理由と、すぐに配置できない事情を説明できるようにしておいてください。

あわせて読みたい児発管・サビ管の欠如減算|減算が始まる月と退職日・配置日の考え方

3. みなし配置が最長2年になる3つの要件

みなし配置の期間が最長2年に延びるのは、次の3つの要件をすべて満たす職員です。

要件内容
①実務経験相談支援業務または直接支援業務の実務経験(3〜8年)を満たしている
②基礎研修サービス管理責任者等が欠けた時点で、すでに基礎研修を修了している
③配置サービス管理責任者等が欠ける前から、引き続きその事業所に配置されている

②の基礎研修は、「サービス管理責任者等基礎研修」と「相談支援従事者初任者研修講義部分」の両方を修了している必要があります。どちらか一方だけでは要件を満たしません。

③は、欠ける前からその事業所にいた職員であることが条件です。サービス管理責任者等が欠けたあとに採用した職員は、③を満たしません。

当てはまるかどうかは、次のフローチャートで確認できます。

図解2 みなし配置の期間を確認するフローチャート

サービス管理責任者等が欠けた
STEP1退職・病休など事業者の責めに帰さない事由で欠け、すぐに配置することも難しいか
はいSTEP2へ
いいえやむを得ない事由に当たらず、みなし配置はできない
STEP2実務経験要件(相談支援業務または直接支援業務3〜8年)を満たす職員がいるか
はいSTEP3へ
いいえみなし配置できる職員がいない
STEP3その職員は、欠けた時点で基礎研修(講義部分を含む両方)を修了しているか
はいSTEP4へ
いいえみなし配置の期間は、欠けた時から1年間
STEP4その職員は、欠ける前から引き続きその事業所に配置されているか
はい下の結論へ
いいえ最長2年の取扱いは使えない
実践研修を修了するまで、欠けた時から最長2年間みなし配置できる

4. みなし配置の途中で基礎研修を修了した場合

欠けた時点では基礎研修を修了していなかった実務経験者をみなし配置し、そのあと、みなし配置の期間中にその職員が基礎研修を修了することがあります。

この場合、みなし配置の期間は2年間にはなりません。もともとのみなし配置の起算点から1年間だけ、みなし配置できます。2年に延びる要件は「欠けた時点で」基礎研修を修了していることだからです。

基礎研修を修了した時期みなし配置の期間
欠けた時点で、すでに修了していた(ほかの要件も満たす)実践研修を修了するまで(欠けた時から最長2年間)
みなし配置の期間中に修了したもともとの起算点から1年間のみ

みなし配置の期間が終われば、サービス管理責任者等が欠けた状態に戻ります。期間の終わりがいつになるかを最初に確認し、それまでに後任を配置できるよう準備してください。

あわせて読みたいサービス管理責任者等のOJT短縮|6月で実践研修を受けるための3要件と届出

よくある質問

Q
サービス管理責任者等が退職したら、必ずみなし配置ができますか。
A

いいえ。退職や病休など事業者の責めに帰さない事由で欠け、かつ、すぐに配置することが難しい場合に限られます。当てはまるかどうかは指定権者が個別に判断します。

Q
基礎研修を修了していない職員でも、みなし配置できますか。
A

実務経験要件を満たしていれば、みなし配置できます。ただし、期間は欠けた時から1年間で、最長2年に延びる取扱いは使えません。

Q
基礎研修は、どの研修を修了していればよいですか。
A

「サービス管理責任者等基礎研修」と「相談支援従事者初任者研修講義部分」の両方です。

Q
サービス管理責任者等が欠けたあとに採用した職員は、最長2年の対象になりますか。
A

いいえ。サービス管理責任者等が欠ける前から、引き続きその事業所に配置されていることが要件です。

Q
みなし配置の期間中に基礎研修を修了すれば、2年に延びますか。
A

いいえ。もともとのみなし配置の起算点から1年間のみです。

Q
2年間はいつから数えますか。
A

サービス管理責任者等が欠けた時から数えます。実践研修を修了するまでの間、欠けた時から最長2年間みなし配置できます。

まとめ

サービス管理責任者等が退職や病休など事業者の責めに帰さない事由で欠け、すぐに配置できない場合は、実務経験者をサービス管理責任者等とみなして配置できます。期間はもともと1年間ですが、実務経験要件を満たし、欠けた時点で基礎研修を修了し、欠ける前から同じ事業所に配置されている職員であれば、実践研修を修了するまで最長2年間に延びます。

基礎研修の修了は「欠けた時点」で判断されるため、みなし配置の途中で修了しても期間は延びません。サービス管理責任者等が1人しかいない事業所では、基礎研修を修了した職員を日ごろから配置しておくと、急に欠けたときの備えになります。

サービス管理責任者等が欠けたときのご相談

障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。

みなし配置ができるかの確認や、後任のサービス管理責任者等の要件の確認などのご相談に対応しています。

詳しくは運営顧問のページをご覧ください。

無料相談はこちら

関連記事

主な参考資料

  • 厚生労働省 事務連絡「サービス管理責任者等研修の取扱い等に関するQ&Aについて」(令和5年3月31日)別添「令和5年度におけるサービス管理責任者等研修制度の変更に関するQ&A」 (出典)

※本記事は令和8年10月10日時点の情報に基づいています。

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。