就労継続支援B型の基本報酬|平均工賃月額の区分と単位数(令和8年6月改定対応)

就労継続支援B型の基本報酬|平均工賃月額の区分と単位数

就労継続支援B型の基本報酬は、人員配置・利用定員・平均工賃月額の3つで決まります。令和8年6月1日施行の見直しでは、各区分の基準額が3千円引き上げられ、あわせて中間区分(A〜F)が新設されました。平均工賃月額に応じない一律評価の区分も設けられています。

  • 基本報酬は人員配置・利用定員・平均工賃月額で決まる
  • 令和8年6月から基準額が3千円引き上げられた
  • 区分が下がる事業所向けに中間区分(A〜F)が新設された

はじめに

就労継続支援B型の基本報酬は、前年度の平均工賃月額に応じて区分が決まります。工賃を上げれば報酬区分が上がるという設計であり、事業所の努力が収入に反映される仕組みです。

この基本報酬の区分が、令和8年6月1日から見直されました。平均工賃月額に応じた区分が8区分から14区分になりました。このほか、平均工賃月額の実績がない新規指定の事業所については、報酬告示第14の1の注9により、平均工賃月額が1万円未満の場合とみなして基本報酬を算定する取扱いがあります(支援の提供を開始してから6月を経過した月以降は、その6月間の平均工賃月額に応じて算定することもできます)。さらに、令和8年6月1日以降に新規に指定を受ける事業所には、基本報酬を引き下げる応急的な特例が適用されます。これから開業する事業所にとっては、どちらも収支計画を左右する重要な変更です。

この記事では、厚生労働省が公表する報酬算定構造とサービスコード表に基づき、見直し後の単位数を全区分掲載したうえで、新規指定事業所の取扱いまで整理します。

1. 基本報酬の全体像と令和8年6月の見直し

就労継続支援B型の基本報酬の全体像

就労継続支援B型の収入は、訓練等給付費と生産活動収入の二本立てです。訓練等給付費は、基本報酬に加算を積み上げ、減算を適用して算定します。

基本報酬は1日につきの単位数として定められ、次の3つの組み合わせで区分が決まります。

    • 人員配置:職業指導員および生活支援員の配置に応じて、サービス費(Ⅰ)が6:1、(Ⅱ)が7.5:1、(Ⅲ)が10:1です。手厚い配置ほど単位数が高くなります。
    • 利用定員:20人以下/21人以上40人以下/41人以上60人以下/61人以上80人以下/81人以上の5区分です。
    • 前年度の平均工賃月額:令和8年6月からは14区分です。

B型はA型と異なり、利用者と雇用契約を結ばないため最低賃金の適用はありません。その代わりに、平均工賃月額が報酬に直結する設計になっています。工賃向上の取組が、そのまま事業所の収入に返ってくる構造です。

令和8年6月、基本報酬の区分が8区分から14区分になりました

令和6年度報酬改定で平均工賃月額の算定方法が変わり、その結果、平均工賃月額が全体として約6千円上昇しました。想定以上に高い報酬区分の事業所が増えたことへの対応として、令和8年度報酬改定(令和8年6月1日施行)で区分の基準が見直されています。

(1)基準額を3千円引き上げ

各区分の基準額が、それぞれ3千円引き上げられました。引き上げ幅は、平均工賃月額の上昇幅である約6千円の2分の1に留められています。最上位区分は「4万5千円以上」から「4万8千円以上」に変わりました。

(2)中間区分(A〜F)の新設

基準額の引き上げによって区分が下がる事業所について、基本報酬の減少額が3%程度に収まるよう、中間的な区分が新設されました。表の(A)から(F)がこれにあたります。これにより、平均工賃月額に応じた区分は8区分から14区分になりました。なお、実績のない新規指定の事業所は、報酬告示第14の1の注9により、平均工賃月額が1万円未満の場合とみなして基本報酬を算定する取扱いがあります(支援の提供を開始してから6月を経過した月以降は、その6月間の平均工賃月額に応じて算定することもできます)。

(3)区分七と八の基準は据え置き

令和6年度報酬改定で単価を引き下げた区分七と区分八の間の基準については、引き上げず据え置かれています。

(4)適用対象外となる事業所

配慮措置として、令和6年度報酬改定の前後で区分が上がっていない事業所については、この見直しの適用対象外とされています。該当する事業所は、従来の8区分による単位数が引き続き適用されます。自事業所がどちらに該当するかは、指定権者の案内を必ず確認してください。

あわせて読みたい就労継続支援B型の報酬改定Q&A|令和8年度VOL.1・VOL.2の重要ポイント

2. 基本報酬の単位数一覧(全区分)

以下は令和8年6月1日以降に適用される単位数です。いずれも1日につきの単位数です。

表1 就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)(6:1)

平均工賃月額の区分定員20人以下21〜40人41〜60人61〜80人81人以上
(一)4万8千円以上837単位746単位700単位688単位666単位
(A)4万5千円以上4万8千円未満812単位724単位679単位668単位647単位
(二)3万8千円以上4万5千円未満805単位717単位674単位662単位640単位
(B)3万5千円以上3万8千円未満781単位696単位654単位643単位621単位
(三)3万3千円以上3万5千円未満758単位676単位636単位625単位605単位
(C)3万円以上3万3千円未満738単位660単位620単位609単位590単位
(四)2万8千円以上3万円未満738単位660単位620単位609単位590単位
(D)2万5千円以上2万8千円未満726単位641単位602単位591単位573単位
(五)2万3千円以上2万5千円未満726単位637単位600単位589単位570単位
(E)2万円以上2万3千円未満705単位624単位586単位575単位557単位
(六)1万8千円以上2万円未満703単位624単位586単位575単位557単位
(F)1万5千円以上1万8千円未満682単位606単位569単位558単位541単位
(七)1万円以上1万5千円未満673単位600単位563単位553単位535単位
(八)1万円未満590単位526単位494単位485単位468単位

表2 就労継続支援B型サービス費(Ⅱ)(7.5:1)

平均工賃月額の区分定員20人以下21〜40人41〜60人61〜80人81人以上
(一)4万8千円以上748単位666単位625単位614単位594単位
(A)4万5千円以上4万8千円未満726単位647単位607単位596単位577単位
(二)3万8千円以上4万5千円未満716単位637単位599単位588単位568単位
(B)3万5千円以上3万8千円未満695単位618単位582単位571単位551単位
(三)3万3千円以上3万5千円未満669単位596単位561単位551単位533単位
(C)3万円以上3万3千円未満649単位580単位545単位535単位518単位
(四)2万8千円以上3万円未満649単位580単位545単位535単位518単位
(D)2万5千円以上2万8千円未満637単位563単位529単位519単位503単位
(五)2万3千円以上2万5千円未満637単位557単位525単位515単位498単位
(E)2万円以上2万3千円未満618単位544単位511単位501単位485単位
(六)1万8千円以上2万円未満614単位544単位511単位501単位485単位
(F)1万5千円以上1万8千円未満596単位528単位496単位486単位471単位
(七)1万円以上1万5千円未満584単位520単位488単位479単位463単位
(八)1万円未満537単位478単位449単位440単位425単位

表3 就労継続支援B型サービス費(Ⅲ)(10:1)

平均工賃月額の区分定員20人以下21〜40人41〜60人61〜80人81人以上
(一)4万8千円以上682単位609単位564単位554単位535単位
(A)4万5千円以上4万8千円未満662単位591単位548単位538単位519単位
(二)3万8千円以上4万5千円未満653単位584単位541単位530単位512単位
(B)3万5千円以上3万8千円未満634単位567単位525単位515単位497単位
(三)3万3千円以上3万5千円未満611単位547単位508単位498単位480単位
(C)3万円以上3万3千円未満594単位532単位493単位484単位467単位
(四)2万8千円以上3万円未満594単位532単位493単位483単位467単位
(D)2万5千円以上2万8千円未満577単位517単位479単位469単位453単位
(五)2万3千円以上2万5千円未満572単位511単位474単位465単位449単位
(E)2万円以上2万3千円未満557単位497単位461単位452単位437単位
(六)1万8千円以上2万円未満557単位497単位461単位452単位437単位
(F)1万5千円以上1万8千円未満541単位483単位448単位439単位424単位
(七)1万円以上1万5千円未満532単位475単位441単位432単位417単位
(八)1万円未満490単位438単位405単位397単位384単位

例えば、定員20人・人員配置7.5:1・平均工賃月額が3万6千円の事業所であれば、区分(B)に該当し695単位です。工賃を3万8千円まで引き上げれば区分(二)となり716単位ですので、1人1日あたり21単位の差が生まれます。工賃向上の取組が報酬に反映される仕組みを、具体的な金額として把握しておくと、事業計画の説得力が増します。

あわせて読みたい地域区分と1単位の単価|級地ごとの上乗せ割合と計算方法

3. 平均工賃月額の算定方法

平均工賃月額の算定方法

令和6年度報酬改定により、平均工賃月額は次の算定式で計算します。

年間工賃支払総額 ÷(年間延べ利用者数 ÷ 年間開所日数)÷ 12月

この算定式は、障害の特性等により利用日数が少ない方を多く受け入れている事業所が不利にならないよう、平均利用者数を用いる方式として導入されたものです。この見直しに伴い、従来の算定方式にあった除外要件は廃止されています。

新規に開業する事業所は前年度の実績がありませんので、開業初年度の報酬区分の取扱いについては、指定権者への事前協議の段階で必ず確認してください。

図解1平均工賃月額の算定式(令和6年度改定後)
年間工賃支払総額
÷
年間延べ利用者数 ÷ 年間開所日数(平均利用者数)
÷
12月
=
平均工賃月額
※障害の特性等により利用日数が少ない方を多く受け入れている事業所が不利にならないよう、平均利用者数を用いる方式として導入されたものです。この見直しに伴い、従来の算定方式にあった除外要件は廃止されています。新規に開業する事業所は前年度の実績がないため、開業初年度の報酬区分の取扱いは指定権者への事前協議の段階で必ず確認してください。

平均工賃月額によらない「一律評価型」

利用者の就労や生産活動等への参加をもって一律に評価する類型もあります。平均工賃月額による区分ではなく、定員規模のみで単位数が決まります。

サービス費の区分定員20人以下21〜40人41〜60人61〜80人81人以上
(Ⅳ)(6:1)584単位519単位488単位479単位462単位
(Ⅴ)(7.5:1)530単位471単位443単位434単位419単位
(Ⅵ)(10:1)484単位430単位398単位390単位376単位

重度の障害がある方を中心に受け入れ、工賃向上よりも日中活動の場としての機能を重視する事業所などが選択する類型です。どちらの類型で運営するのかは、受け入れる利用者像と生産活動の設計に直結しますので、開業の設計段階で方針を決めておく必要があります。

4. 新規指定事業所への応急的な報酬単価(1000分の984)

これから開業する方にとって、最も影響が大きい取扱いです。

令和8年度報酬改定では、収支差率が高く事業所数の伸びが続いているサービスについて、制度の持続可能性を確保する観点から、新規事業所に限って基本報酬を一定程度引き下げる特例が設けられました。就労継続支援B型はその対象です。

項目内容
対象サービス就労継続支援B型、共同生活援助(介護サービス包括型など)、児童発達支援、放課後等デイサービス
対象事業所令和8年6月1日以降に新規指定された事業所(既存事業所は従前どおり)
B型の単位数所定単位数の1000分の984に相当する単位数
適用期間令和9年度報酬改定までの間

合併・分割・事業譲渡に伴う指定であっても、その前後で事業所が実質的に継続して運営されると認められる場合は、既存事業所と同様の扱いとされます。

従前の単価が適用される配慮措置

次に該当する場合は、配慮措置として従前の報酬単価が適用されます。

    • 医療連携体制加算(Ⅳ)を算定する利用者に係る基本報酬
    • 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ)(Ⅱ)、高次脳機能障害者支援体制加算を算定する事業所に係る基本報酬
    • 離島・中山間地域(特別地域加算の対象地域)にある事業所に係る基本報酬
    • 自治体が客観的に必要であるとして設置する事業所(公募によりサービスが不足する地域に設置する事業所、自治体から補助等の経済的支援を得て設置する事業所)に係る基本報酬

開業予定地がサービス不足地域にあたるかどうかは、自治体の障害福祉計画や公募の有無で判断が分かれます。物件を決める前に、指定権者へ確認しておく価値のある論点です。

あわせて読みたい就労継続支援B型の開業|指定申請の要件と流れ

5. ミスが起こりやすいポイント

見直し前の8区分で収支計画を作ってしまう

インターネット上の情報には、令和8年6月の見直し前の8区分のまま更新されていないものが少なくありません。区分の基準額と単位数は、必ず現行の告示または厚生労働省の資料で確認してください。

新規指定の減率を織り込んでいない

1000分の984は約1.6%の引き下げです。単体では小さく見えますが、開業初期の資金繰りは余裕が乏しいため、月次の資金繰り表には必ず反映させてください。

工賃向上計画と報酬区分が結びついていない

平均工賃月額は報酬区分に直結します。工賃向上計画を形式的に作るのではなく、どの区分を目指すのかという目標と結びつけて運用することが、収入の安定につながります。

よくある質問

Q
就労継続支援B型の基本報酬は1日あたりいくらですか。
A

人員配置・利用定員・平均工賃月額の組み合わせで決まり、令和8年6月以降の区分では384単位から837単位までの幅があります。金額に換算する際は、事業所所在地の地域区分に応じた1単位あたりの単価を掛けて計算します。

Q
令和8年6月の見直しで報酬は下がりましたか。
A

区分の基準額が3千円引き上げられたため、平均工賃月額が同じでも区分が下がる事業所があります。ただし減少額が3%程度に収まるよう中間区分が新設されています。また、令和6年度改定の前後で区分が上がっていない事業所は適用対象外です。

Q
これから開業する場合、単位数はどうなりますか。
A

令和8年6月1日以降に新規指定を受けた事業所は、所定単位数の1000分の984で算定します。ただし配慮措置に該当する場合は従前の単価が適用されます。

Q
平均工賃月額はどのように計算しますか。
A

年間工賃支払総額を、年間延べ利用者数を年間開所日数で除した数で割り、さらに12月で除して算出します。

まとめ

就労継続支援B型の基本報酬は、人員配置・利用定員・平均工賃月額の3要素で決まります。令和8年6月1日からは平均工賃月額の区分が14区分となり、あわせて新規指定事業所には1000分の984の応急的な報酬単価が適用されることになりました。

これから開業する事業所は、この2つの変更をどちらも織り込んだうえで収支計画を組む必要があります。特に、目標とする平均工賃月額をどこに置き、そのためにどんな生産活動を設計するのかは、指定申請の審査でも問われる論点です。区分表を手元に置いて、具体的な数字で計画を立ててください。

就労継続支援B型の開業を、報酬の設計から支援します

障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、指定申請と労務管理の両面を、ひとつの窓口でご相談いただけます。開業支援は20万円〜(税別)、物件や事業計画の検討段階から承っています。

「この体制でどの報酬区分になるのか」「この収支計画で指定が通るのか」といった段階のご相談こそ、早めにお寄せください。静岡・神奈川・愛知を中心に、オンラインで全国に対応しています。

無料相談はこちら 料金プランを見る

関連記事

体系的に知りたい方はこちら就労継続支援B型 完全ガイド|開業・人員配置・工賃・基本報酬・加算・運営指導

主な参考資料

※本記事は令和8年8月27日時点の法令・告示・通知等に基づく一般的な整理です。単位数は、厚生労働省の報酬算定構造(令和8年6月施行)と介護給付費等単位数サービスコード表で照合しています。指定権者の条例・手引き・個別運用、最新の報酬告示・Q&Aを必ず確認してください。

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。