児発・放デイの安全計画|策定内容と送迎の安全管理

児発・放デイの安全計画|策定内容と送迎の安全管理

安全計画は、児童発達支援・放課後等デイサービスで令和6年4月から完全に義務化されました。計画には運営基準が挙げる3つの柱を盛り込み、従業者と保護者へ周知したうえで定期的に見直します。送迎車については、乗車時・降車時の所在確認と安全装置の設置が求められます。

  • 計画に盛り込む3つの柱が運営基準に定められている
  • 研修・訓練の回数は基準上定められておらず、年間計画に落とし込む
  • 送迎車は所在確認と安全装置の要件がある

この記事で分かること

令和6年4月から完全義務化された安全計画について、計画に盛り込む3つの柱、従業者・保護者への周知と定期的な見直し、送迎車の所在確認と安全装置の要件、事故発生時の備えまでを整理します。

はじめに

安全計画は令和6年4月から完全義務化されています。送迎車の安全装置・所在確認とあわせて、確認すべき点を整理します。

この記事のポイント

  • 安全計画に必ず書く3つの柱
  • 保護者への周知と見直しの義務
  • 送迎車の所在確認・安全装置の要件

1. 安全計画の位置づけ

項目内容
対象児童発達支援、放課後等デイサービス等
施行令和5年4月1日(1年間は努力義務)
完全義務化令和6年4月1日(経過措置は終了済み)
単位事業所ごとに策定

2. 計画に書く3つの柱

運営基準が挙げているのは、次の3つです。

内容の例
① 設備の安全点検遊具・什器・電気設備の点検項目と頻度、点検担当者、記録様式
② 安全に関する指導事業所内での支援時、散歩等の事業所外活動時、送迎車の運行時における、職員・児童への指導
③ 職員の研修・訓練事故発生時対応、不審者対応、送迎時の確認手順、心肺蘇生・救急対応

事業所外の活動も対象である点が見落とされがちです。公園への散歩、地域行事への参加、送迎の車内。事業所の建物の中だけを想定した計画では足りません。

図解1安全計画に書く3つの柱
① 設備の安全点検遊具・什器・電気設備の点検項目と頻度、点検担当者、記録様式
② 安全に関する指導事業所内での支援時、散歩等の事業所外活動時送迎車の運行時における、職員・児童への指導
③ 職員の研修・訓練事故発生時対応、不審者対応、送迎時の確認手順、心肺蘇生・救急対応
対象は児童発達支援・放課後等デイサービス等令和5年4月1日施行(1年間は努力義務)→ 令和6年4月1日で完全義務化事業所ごとに策定
※事業所外の活動も対象である点が見落とされがちです。公園への散歩、地域行事への参加、送迎の車内。事業所の建物の中だけを想定した計画では足りません。

3. 周知・研修・見直し

義務内容
従業者への周知安全計画の内容を周知
研修・訓練定期的に実施(回数の定めはなし)
保護者への周知通所開始時等の機会に説明するなどして周知
見直し定期的に見直し、必要に応じて変更

研修・訓練の回数は基準上定められていません。安全計画の中に年間スケジュールを書き込み、それに沿って実施するのが現実的です(例:4月=設備点検と手順確認、7月=送迎時の確認訓練、11月=不審者対応、2月=事故対応)。

保護者への周知は、契約時の重要事項説明とあわせて行い、説明した記録を残してください。安全計画をホームページ等で公表しておくことも望ましいとされています。

図解2周知・研修・見直しの4つの義務
従業者への周知安全計画の内容を周知
研修・訓練定期的に実施(回数の定めはなし)
保護者への周知通所開始時等の機会に説明するなどして周知
見直し定期的に見直し、必要に応じて変更
年間スケジュールの例:4月=設備点検と手順確認7月=送迎時の確認訓練11月=不審者対応2月=事故対応
※研修・訓練の回数は基準上定められていません。安全計画の中に年間スケジュールを書き込み、それに沿って実施するのが現実的です。保護者への周知は契約時の重要事項説明とあわせて行い、説明した記録を残してください。安全計画をホームページ等で公表しておくことも望ましいとされています。
あわせて読みたい障害福祉サービスの法定研修・委員会|年間実施頻度と減算の一覧

4. 送迎車の所在確認と安全装置

所在確認(全事業所)

自動車を運行するときは、乗車時・降車時に点呼その他の方法で所在を確実に確認しなければなりません。

  • 対象は送迎に限らず、事業所外活動のための移動も含みます
  • 「確実に把握することができる方法」が求められるため、目視だけでなく名簿による点呼が基本です

安全装置(日常的に送迎する場合)

送迎を目的とした自動車を日常的に運行するときは、ブザーその他の見落とし防止装置を備え、降車時の所在確認に用いる必要があります。

項目内容
対象車両送迎を目的として日常的に運行する自動車
対象外運転者席・その並びの座席・その1つ後方の前向き座席しかない車両等、見落としのおそれが少ないと認められるもの
装置の要件国土交通省ガイドラインに適合するもの
経過措置令和6年3月31日で終了(代替措置は不可)

装置を付けたうえで、チェックシートを運転者席に備え付け、降車時に車内を確認する運用まで求められています。装置は最後の砦であって、手順の代わりではありません。

図解3送迎車|所在確認は全事業所、安全装置は日常的に運行する場合

所在確認(全事業所)

  • 自動車を運行するときは、乗車時・降車時に点呼その他の方法で所在を確実に確認
  • 対象は送迎に限らず、事業所外活動のための移動も含む
  • 目視だけでなく名簿による点呼が基本

安全装置(日常的に送迎する場合)

  • 対象車両:送迎を目的として日常的に運行する自動車
  • 対象外:運転者席・その並びの座席・その1つ後方の前向き座席しかない車両等
  • 装置の要件:国土交通省ガイドラインに適合するもの
  • 経過措置:令和6年3月31日で終了(代替措置は不可)
チェックシートを運転者席に備え付ける降車時に車内を確認する運用まで求められる装置は最後の砦であって、手順の代わりではない
※安全装置を付けていても点呼は不要になりません。乗車・降車時の所在確認は装置の有無にかかわらず必要で、装置は降車時の確認に用いるものです。
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5. 事故が起きたときの備え

安全計画とセットで整えておきたいのが、事故発生時の対応です。

  • 事故発生時の連絡順序(管理者→保護者→指定権者→関係機関)
  • 応急手当の手順と、救急要請の判断基準
  • 事故報告書の様式と、指定権者への報告基準
  • 再発防止の検討の場(ヒヤリハットの共有を含む)

ヒヤリハットは、集めるだけでは意味がありません。月1回、5分でも構わないので、朝礼等で共有し、安全計画の見直しに反映させる運用にしてください。

6. 自主点検チェックリスト

  • 事業所ごとに安全計画を策定しているか
  • 設備の安全点検・安全指導・研修訓練の3つが盛り込まれているか
  • 事業所外活動・送迎時の安全確保が計画に含まれているか
  • 従業者に周知した記録があるか
  • 保護者に周知した記録があるか
  • 研修・訓練を実施し、記録が残っているか
  • 定期的に見直しを行った記録があるか
  • 送迎車に安全装置を装備し、降車時の確認に使用しているか
  • 乗車・降車時の点呼の記録(チェックシート)が残っているか
図解4事故が起きたときの備えと、自主点検

安全計画とセットで整える

  • 事故発生時の連絡順序(管理者→保護者→指定権者→関係機関)
  • 応急手当の手順と、救急要請の判断基準
  • 事故報告書の様式と、指定権者への報告基準
  • 再発防止の検討の場(ヒヤリハットの共有を含む)

自主点検チェックリスト

  • 事業所ごとに安全計画を策定しているか
  • 3つの柱が盛り込まれているか
  • 事業所外活動・送迎時の安全確保が計画に含まれているか
  • 従業者・保護者に周知した記録があるか
  • 研修・訓練を実施し、記録が残っているか
  • 定期的に見直しを行った記録があるか
  • 送迎車に安全装置を装備し、降車時の確認に使用しているか
  • 乗車・降車時の点呼の記録(チェックシート)が残っているか
※ヒヤリハットは、集めるだけでは意味がありません。月1回、5分でも構わないので、朝礼等で共有し、安全計画の見直しに反映させる運用にしてください。装置があるから大丈夫、ではなく、装置を使って確認した記録を残すところまでを運用に組み込んでください。
あわせて読みたい感染症対策とBCP|指針とBCPの違い・未策定減算

7. まとめ

安全計画は、書式を整えて終わりではなく、年間の研修・訓練スケジュールと点検記録が回っているかが問われます。

送迎については、装置の装備と点呼の記録の両方が必要です。装置があるから大丈夫、ではなく、装置を使って確認した記録を残すところまでを運用に組み込んでください。

よくある質問

Q

安全計画は法人単位で1つ作ればよいですか。

A

事業所ごとに策定する必要があります。設備の状況や送迎の有無が事業所ごとに異なるため、実態に合わせた内容にしてください。

Q

研修・訓練は年に何回必要ですか。

A

運営基準に回数の定めはありません。安全計画の中に年間スケジュールを書き込み、それに沿って実施する運用が現実的です。

Q

保護者への周知はどのように行えばよいですか。

A

通所開始時等の機会に説明するなどの方法で周知します。説明した記録を残し、あわせてホームページ等で公表しておくことが望ましいとされています。

Q

安全装置を付けていれば点呼は不要ですか。

A

不要にはなりません。乗車・降車時の所在確認は装置の有無にかかわらず必要で、装置は降車時の確認に用いるものです。チェックシートを運転者席に備え付け、確認した記録を残してください。

安全計画の策定と送迎時の運用整備を支援します

障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、指定申請・報酬請求の実務と労務管理の両面を、ひとつの窓口でご相談いただけます。

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主な参考資料

  • 参考:「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(省令)」/こども家庭庁「障害児通所支援事業所等における安全計画の策定に関する留意事項等について」/こども家庭庁「障害児支援における安全管理について」/こども家庭庁「送迎用バスの安全対策」

※本記事は令和8年8月28日時点の法令・告示・通知等に基づく一般的な整理です。指定権者の条例・手引き・個別運用、最新の報酬告示・Q&Aを必ず確認してください。

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。