計画相談支援の基本報酬は、サービス利用支援費と継続サービス利用支援費の2本立てです。新規に計画を作成した月はサービス利用支援費を、モニタリングを実施した月は継続サービス利用支援費を算定します。機能強化型の区分もあり、相談支援事業特有の収支構造を理解しておく必要があります。
- 新規計画作成の月とモニタリングの月で算定する報酬が異なる
- 機能強化型の区分がある
- 算定は月単位で、収支の見通しを立てにくい点に注意
この記事で分かること
計画相談支援の基本報酬が、サービス利用支援費と継続サービス利用支援費という2本立てでどう構成されているのかを整理し、機能強化型を含む全区分の単位数を掲載します。あわせて、相談支援事業特有の収支構造と、開業時に押さえるべき論点を解説します。
はじめに
計画相談支援は、障害福祉サービスを利用する方のサービス等利用計画を作成し、定期的にモニタリングを行うサービスです。他の障害福祉サービスと異なり、報酬は1日単位ではなく、計画の作成やモニタリングを実施した月に、1件あたりで算定します。
この違いが、収支構造を大きく変えます。稼働率や定員という考え方がなく、相談支援専門員1人が月に何件を担当できるかが、そのまま事業所の収入の上限になります。
この記事のポイント
- 基本報酬は、サービス等利用計画を作成する際の「サービス利用支援費」と、モニタリングを行う際の「継続サービス利用支援費」の2本立てです。
- それぞれに機能強化型(Ⅰ)〜(Ⅳ)と通常の(Ⅰ)(Ⅱ)があり、体制によって単位数が大きく異なります。
- サービス利用支援費(Ⅱ)732単位、継続サービス利用支援費(Ⅱ)606単位は、一定の要件を満たさない場合に適用される低い区分です。
- 令和8年度報酬改定では、計画相談支援に福祉・介護職員等処遇改善加算が新設されました(加算率5.1%)。
1. 計画相談支援の基本報酬は2本立て
| 区分 | 算定する場面 | 算定単位 |
|---|---|---|
| イ サービス利用支援費 | サービス等利用計画を作成し、支給決定または支給決定の変更が行われた場合 | 1月につき |
| ロ 継続サービス利用支援費 | 定期的にモニタリングを行い、サービス等利用計画の見直しを行った場合 | 1月につき |
新規に計画を作成した月はサービス利用支援費を、モニタリングを実施した月は継続サービス利用支援費を算定します。モニタリングの頻度は支給決定時に定められ、対象者の状況によって月1回から6か月に1回程度まで幅があります。
イ サービス利用支援費
- サービス等利用計画を作成し、支給決定または支給決定の変更が行われた場合
- 1月につき(新規に計画を作成した月)
ロ 継続サービス利用支援費
- 定期的にモニタリングを行い、サービス等利用計画の見直しを行った場合
- 1月につき(モニタリングを実施した月)
2. 基本報酬の単位数一覧
表1 サービス利用支援費
| 区分 | 単位数(1月につき) |
|---|---|
| (1)機能強化型サービス利用支援費(Ⅰ) | 2,014単位 |
| (2)機能強化型サービス利用支援費(Ⅱ) | 1,914単位 |
| (3)機能強化型サービス利用支援費(Ⅲ) | 1,822単位 |
| (4)機能強化型サービス利用支援費(Ⅳ) | 1,672単位 |
| (5)サービス利用支援費(Ⅰ) | 1,572単位 |
| (6)サービス利用支援費(Ⅱ) | 732単位 |
表2 継続サービス利用支援費
| 区分 | 単位数(1月につき) |
|---|---|
| (1)機能強化型継続サービス利用支援費(Ⅰ) | 1,761単位 |
| (2)機能強化型継続サービス利用支援費(Ⅱ) | 1,661単位 |
| (3)機能強化型継続サービス利用支援費(Ⅲ) | 1,558単位 |
| (4)機能強化型継続サービス利用支援費(Ⅳ) | 1,408単位 |
| (5)継続サービス利用支援費(Ⅰ) | 1,308単位 |
| (6)継続サービス利用支援費(Ⅱ) | 606単位 |
注目していただきたいのは(Ⅱ)の水準です。サービス利用支援費(Ⅱ)は732単位で、(Ⅰ)の1,572単位の半分以下です。この(Ⅱ)は、相談支援専門員1人あたりの取扱件数が一定数を超えた場合など、所定の要件に該当するときに適用される区分です。件数を追いすぎるとかえって収入が下がる設計になっていますので、担当件数の管理は運営上の重要事項です。
3. 機能強化型の区分
機能強化型とは
機能強化型は、常勤専従の相談支援専門員の配置数などに応じて、質の高い相談支援体制を評価する区分です。(Ⅰ)は常勤専従4人以上と24時間の連絡体制、(Ⅱ)は3人以上と24時間の連絡体制、(Ⅲ)は2人以上(24時間の連絡体制は不要)、(Ⅳ)は専従2人以上(うち1人以上が常勤の現任研修修了者)などが要件です。(Ⅰ)〜(Ⅲ)も、配置する相談支援専門員のうち1人以上が相談支援従事者現任研修の修了者であることが必要です。単独の事業所でも算定でき、複数の事業所が協定を結んで協働して算定する方法も別に認められています。
通常の区分と機能強化型(Ⅰ)では、1件あたり400単位以上の差があります。相談支援事業は1件あたりの単価が収入のすべてですので、この差は事業の成否を分けます。単独の事業所でも、常勤専従の相談支援専門員を配置できれば機能強化型を算定できますので、開業の設計段階で検討する価値があります。
4. 相談支援事業の収支構造
相談支援事業の収入は、次の式で概算できます。
(新規計画作成件数 × サービス利用支援費)+(モニタリング実施件数 × 継続サービス利用支援費)
相談支援専門員1人が担当できる件数には限りがあります。一般に、モニタリングの頻度を踏まえると、1人あたり月30件から40件程度が現実的な水準とされます。仮に月35件をすべて継続サービス利用支援費(Ⅰ)1,308単位で算定した場合、月の給付費は45,780単位です。
この水準では、相談支援専門員1人の人件費と事務所経費を賄うことは容易ではありません。多くの事業所が、他の障害福祉サービスと併設したり、機能強化型の体制を組んだりしている理由がここにあります。
相談支援事業を単独で立ち上げる場合は、この収支構造を正面から見たうえで、機能強化型を目指すのか、他事業と併設するのか、方針を決めてから指定申請に進むことをおすすめします。
試算の例
- 相談支援専門員1人あたり月30〜40件程度が現実的な水準とされる
- 月35件をすべて継続サービス利用支援費(Ⅰ)1,308単位で算定 → 月45,780単位
- この水準では、相談支援専門員1人の人件費と事務所経費を賄うことは容易ではない
多くの事業所がとっている方針
- 他の障害福祉サービスと併設する
- 機能強化型の体制を組む
5. 令和8年度報酬改定での取扱い
令和8年6月1日施行の令和8年度報酬改定において、計画相談支援の基本報酬の単位数は見直しの対象とされていません。
一方、同改定では計画相談支援が福祉・介護職員等処遇改善加算の新たな対象サービスとされました。加算率は5.1%です。従来、相談支援は処遇改善加算の対象外でしたので、これは相談支援事業所にとって大きな変更です。算定には計画書の提出等の手続が必要ですので、要件を確認のうえ届出を行ってください。
つまずきやすいポイント
担当件数を増やせば収入が増えると考えてしまう
取扱件数が一定数を超えると低い区分が適用されます。件数と単価の関係を理解したうえで、適正な担当件数を設定してください。
モニタリング月と算定月の管理ができていない
モニタリングの頻度は利用者ごとに異なります。実施月を管理できていないと、算定漏れや過剰算定につながります。開業時に管理の仕組みを作ってください。
相談支援専門員の要件を確認していない
相談支援専門員には実務経験要件と研修要件があります。指定日から配置できるかどうか、研修の実施時期も含めて早期に確認してください。
① 件数を増やせば収入が増えると考える
- 取扱件数が一定数を超えると低い区分が適用される
② モニタリング月と算定月の管理
- 頻度は利用者ごとに異なる。算定漏れ・過剰算定につながる
③ 相談支援専門員の要件
- 実務経験要件と研修要件がある。研修の実施時期も含めて早期に確認
よくある質問
サービス利用支援費は732単位から2,014単位、継続サービス利用支援費は606単位から1,761単位です。いずれも1月につきの単位数です。
相談支援専門員1人あたりの取扱件数など、所定の要件に該当する場合に適用される低い区分です。要件の詳細は告示および留意事項通知で確認してください。
常勤専従の相談支援専門員の人数などの要件があります。(Ⅰ)は常勤専従4人以上と24時間の連絡体制、(Ⅱ)は3人以上と24時間の連絡体制、(Ⅲ)は2人以上(24時間の連絡体制は不要)、(Ⅳ)は専従2人以上(うち1人以上が常勤の現任研修修了者)などが要件です。いずれの区分も、配置する相談支援専門員のうち1人以上が現任研修修了者であることが必要で、単独の事業所でも算定できます。
基本報酬の単位数は見直しの対象外ですが、福祉・介護職員等処遇改善加算が新設されました(加算率5.1%)。
まとめ
計画相談支援の基本報酬は、サービス利用支援費と継続サービス利用支援費の2本立てで、それぞれに機能強化型と通常の区分があります。1件あたりの単価が収入のすべてであるため、担当件数の管理と、機能強化型を目指すかどうかの判断が、事業の成否を左右します。
また、令和8年度改定で処遇改善加算の対象となったことは、相談支援事業所の人材確保にとって重要な変化です。開業を検討する際は、基本報酬と加算をセットで試算してください。
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主な参考資料
- 参考:厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」/「介護給付費等単位数サービスコード表」/「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」/「指定計画相談支援に要する費用の額の算定に関する基準」
※本記事は令和8年8月27日時点の法令・告示・通知等に基づく一般的な整理です。単位数は厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造(令和8年6月施行)」および「介護給付費等単位数サービスコード表」により確認しています。指定権者の条例・手引き・個別運用、最新の報酬告示・Q&Aを必ず確認してください。

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