障害福祉の現場では、「これもやってほしい」「今回だけお願いしたい」という依頼が少なくありません。契約外の仕事は「今回だけ」から始まり、いつの間にか通常業務になります。この記事では、経営者が「どこまでを自社の仕事として引き受けるか」を決めておく必要がある理由と、仕事の範囲を最初に決めるための考え方を整理します。
- 「今回だけ」の依頼は、一度対応すると通常業務になる
- 親切と「何でも引き受けること」は全く違う。大切なのは引き受けた仕事を責任を持って行うこと
- 「ここまでは対応する」「ここからは対応しない」を最初に決め、契約書や重要事項説明書で確認する
この記事の要点
障害福祉事業では、「利用者のために」「今回だけ」と、契約や支援内容にない依頼まで引き受けてしまうことがあります。大切なのは、どこまでを自社の仕事とするかを決め、引き受けた仕事を責任を持ってやり切ることです。
はじめに
現場では、利用者や家族、関係機関から、契約や支援内容にない依頼を受ける場面が日常的にあります。
一つひとつは小さな依頼でも、積み重なれば職員の負担になりますので、経営者は「どこまでを自社の仕事として引き受けるか」を決めておく必要があります。
私は、障害福祉事業こそ「契約主義」で運営した方がよいと考えています。
1. 「今回だけ」が通常業務になる
契約外の仕事は「今回だけ」から始まります。一度対応すると、「前回もやってくれた」「いつもお願いしている」となり、いつの間にか通常業務になります。
新しい依頼を受けるときは、契約上の業務なのか、今後も続けるのか、現場にどの程度の負担がかかるのかを確認することが大切です。
2. 親切と「何でも引き受けること」は全く違う
利用者に必要な支援を行うことは当然ですが、頼まれたことを何でも引き受ける必要はありません。
契約外の仕事に時間を取られれば、本来の支援や記録、職員教育にしわ寄せがいきます。
親切とは、頼まれたことを何でも引き受けることではありません。大切なのは、引き受けた仕事を責任を持ってやり切ることです。
| 頼まれたことを何でも引き受ける | 引き受けた仕事を責任を持って行う |
|---|---|
|
|
3. 仕事の範囲を最初に決める
「ここまでは対応する」「ここからは対応しない」と最初に決めておけば、職員ごとの対応のばらつきや、利用者・家族との認識のずれを防ぎやすくなります。
契約書や重要事項説明書も、署名をもらうためだけの書類ではありません。事業所がどこまで責任を持つのかを確認するためのものです。
まとめ
障害福祉では、利用者や家族、関係機関からさまざまな依頼があります。しかし、そのすべてを引き受ける必要はありません。
「頼まれたから」「今回だけだから」と仕事を増やしていけば、いずれ通常業務になります。
何をするかだけでなく、何をしないかも決める。契約とルールに基づいて仕事の範囲を明確にすることが、無理のない事業運営につながります。
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行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、指定申請から運営指導対応、労務管理までを一貫してご相談いただけます。
静岡・神奈川・愛知を中心に、オンラインで全国対応しています。契約書・重要事項説明書・運営規程の見直しや、サービスの範囲の整理など、無理のない事業運営の形に整えるご相談を承っています。
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※本記事は、障害福祉事業の経営に関する筆者の実務上の考え方をまとめたものです。制度の具体的な取扱いは、法令・通知および指定権者の運用をご確認ください。

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。
これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。
