放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づく基準で職種と人数が決まっています。児童指導員または保育士を障害児10人まで2人以上置き、10人を超えると5人ごとに1人ずつ増やします。児童発達支援管理責任者は専任かつ常勤で1人以上です。
- 児童指導員または保育士は10人まで2人、11人になった時点で3人
- 必要人数の半数以上は児童指導員または保育士でなければならない
- 児童指導員は任用資格。資格か実務経験のいずれかが要る
- 障害児の数は前年度の平均を使い、新規指定は定員の90%で見る
はじめに
放課後等デイサービスの人員配置は、就労継続支援などの障害福祉サービスとは根拠になる法律が違います。児童福祉法に基づく基準で定められており、職種の名前も人数の数え方も別の仕組みです。
開業前の相談でよく出るのが、「定員10人で何人必要か」「定員を少し増やすと職員は何人増えるか」という質問です。ここは決まった数え方があるので、先に押さえておけば採用計画も資金計画も立てられます。
この記事では、放課後等デイサービスに置く職種と人数、児童指導員の任用資格、常勤換算の数え方までを整理します。
この記事のポイント
- 児童指導員または保育士は、障害児10人まで2人以上。10人を超えると5人またはその端数ごとに1人が加わる
- 児童発達支援管理責任者は1人以上で、専任かつ常勤
- 機能訓練担当職員や看護職員を数に含めても、半数以上は児童指導員または保育士
- 児童指導員は任用資格。資格、指定学科の卒業、実務経験のいずれかが必要
- 障害児の数は前年度の平均利用者数。新規指定のときは定員に0.9を掛けた数
1. 放課後等デイサービスに置く職種
放課後等デイサービスに置く職種は次のとおりです。
| 職種 | 配置数 | 常勤・専従 |
|---|---|---|
| 管理者 | 1人 | 管理業務に支障がなければ兼務できる |
| 児童発達支援管理責任者 | 1人以上 | 1人以上は専任かつ常勤 |
| 児童指導員または保育士 | 障害児10人まで2人以上。10人を超えるときは、5人またはその端数を増すごとに1人を加えた数 | 1人以上は常勤 |
| 機能訓練担当職員 | 機能訓練を行う場合に配置 | 配置した時間は児童指導員等の数に含められる |
| 看護職員 | 医療的ケアを行う場合に配置 | 同上 |
2. 児童指導員または保育士の必要人数
人数の決まり方は単純です。10人までは2人、そこから5人増えるごとに1人ずつ増えると覚えます。
| 障害児の数 | 必要人数 | 考え方 |
|---|---|---|
| 10人まで | 2人以上 | 基本の人数 |
| 11人〜15人 | 3人以上 | 10人を超えたので1人追加 |
| 16人〜20人 | 4人以上 | さらに5人ごとに1人追加 |
| 21人〜25人 | 5人以上 | 同上 |
| 26人〜30人 | 6人以上 | 同上 |
間違えやすいのが11人のときです。10人を「超えた」時点で1人が加わるため、定員11人でも3人が必要になります。定員を10人から少し増やす判断は、人件費が1人分増える判断でもあります。
3. 児童指導員になれる人
児童指導員は、国家資格ではなく任用資格です。次のいずれかに当てはまる人が児童指導員として配置できます。
資格・学歴で満たす
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 都道府県知事の指定する児童福祉施設の職員養成施設を卒業した人
- 大学や大学院で社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専修する学科などを修めて卒業した人
免許・実務経験で満たす
- 幼稚園、小学校、中学校、高等学校のいずれかの教員免許を持ち、都道府県知事が適当と認めた人
- 高等学校卒業後、2年以上児童福祉事業に従事した人
- 3年以上児童福祉事業に従事し、都道府県知事が適当と認めた人
保育士資格を持っている場合は、任用資格を確認するまでもなく配置できます。一方で、「児童福祉事業に従事した経験」の中身は自治体によって判断が分かれます。前職の業務内容が該当するかどうかは、履歴と職務内容がわかる資料を用意して事前に照会するのが確実です。
4. 児童発達支援管理責任者
児童発達支援管理責任者は1人以上で、1人以上は専任かつ常勤です。就労系のサービス管理責任者と同じく、研修の修了と実務経験の両方が必要になります。
管理者との兼務はできます。一方、専任とされているため、児童指導員や保育士として配置基準の人数に数えることはできません。ここを数に入れて計算してしまうと、実際には1人足りない状態になります。
児童発達支援管理責任者が退職して不在になると、児発管欠如減算の対象になります。後任の確保には研修の受講が必要になることもあるため、早めの手当てが要ります。
5. 機能訓練担当職員と看護職員
機能訓練を行う場合は機能訓練担当職員を、医療的ケアを行う場合は看護職員を置きます。どちらも必ず置く職種ではありません。
この2つは、配置した場合に児童指導員等の人数に含めることができます。ただし機能訓練や医療的ケアを行っていない時間は数えられません。理学療法士を常勤で雇っていても、機能訓練に充てた時間だけが対象です。
6. 半数以上は児童指導員または保育士
もう1つ、人数の中身に条件があります。必要人数の半数以上は、児童指導員または保育士でなければなりません。
認められる組み合わせ
- 児童指導員2人
- 保育士2人
- 児童指導員1人+保育士1人
- 児童指導員1人+理学療法士1人
認められない組み合わせ
- 理学療法士1人+看護師1人
- 機能訓練担当職員2人
- 看護職員2人
必要人数が3人であれば、児童指導員または保育士が2人以上必要です。半数の計算で端数が出るときは、切り上げて考えます。
7. 常勤換算の数え方
児童指導員または保育士の人数は、常勤換算で数えます。式は1つです。
計算式と数え方
- 常勤換算数 = 勤務延べ時間数 ÷ 常勤職員が勤務すべき時間数
- 勤務延べ時間数は、支援に充てた時間だけを数える
- 常勤職員の所定労働時間が週40時間なら、40時間で割る
- 週32時間を下回る事業所は32時間で計算する
数に入らない時間
- 休憩時間
- 管理業務や事務だけに充てた時間
- 送迎のみに従事した時間の取扱いは指定権者に確認する
- 児童発達支援管理責任者としての業務の時間
注意したいのは、常勤換算の合計が足りていればよいわけではないという点です。放課後等デイサービスでは、サービス提供時間帯を通じて必要な人数を配置します。合計時間は足りていても、特定の時間帯に1人しかいない状態があれば基準を満たしません。
8. 障害児の数は何を使うか
人数の計算に使うのは定員ではなく、前年度の平均利用者数です。前年度の延べ利用者数を開所日数で割って求めます。
新しく指定を受ける事業所には前年度の実績がないため、利用定員に0.9を掛けた数を推定数として使います。定員10人なら9人なので、必要人数は2人です。
定員10人の事業所であれば、平均利用者数が10人を超えることはないため、必要人数は2人のままです。人数が変わるのは定員を11人以上に増やしたときで、その時点で3人になります。
9. 重症心身障害児を主な対象とする場合
主として重症心身障害児を通わせる事業所は、置く職種が変わります。定員は5人以上とされ、次の職員を配置します。
- 嘱託医 1人以上
- 看護職員 1人以上
- 児童指導員または保育士 1人以上
- 機能訓練担当職員 1人以上
- 児童発達支援管理責任者 1人以上
- 管理者 1人
定員5人であれば、この職種を1人ずつ配置する形になります。通常の事業所のように「10人まで2人」という数え方はしません。医療的ケアの体制を前提にした基準なので、開設前に指定権者と設備も含めて相談しておきます。
10. 配置が崩れたときに起きること
人員基準を下回った状態が続くと、人員欠如減算の対象になります。児童発達支援管理責任者が不在になった場合は、児発管欠如減算です。どちらも事業所全体の報酬に影響します。
職員が退職して配置が崩れたときは、いつから基準を下回ったのかを月単位で確認します。減算の起算は月によって決まるため、退職日と次の職員の配置日をあわせて押さえておきます。
あわせて確認したいのが加算です。児童指導員等加配加算を算定している事業所では、基準の人数を満たしたうえで加配していることが要件になります。基準がぎりぎりの状態で1人抜けると、減算と加算の取り下げが同時に起きます。
よくある質問
児童指導員または保育士が3人以上です。10人までが2人で、10人を超えると5人またはその端数を増すごとに1人が加わるため、11人の時点で3人になります。
数えられません。児童発達支援管理責任者は専任とされています。管理者との兼務はできますが、配置基準の人数に含めることはできません。
満たせません。必要人数の半数以上は児童指導員または保育士でなければなりません。必要人数が2人であれば、そのうち1人以上は児童指導員か保育士です。
国家資格は不要です。児童指導員は任用資格で、社会福祉士や精神保健福祉士のほか、指定された学科の卒業、教員免許と都道府県知事の認定、高校卒業後2年以上の児童福祉事業の経験などのいずれかに当てはまれば配置できます。
満たせません。児童指導員または保育士のうち1人以上が常勤である必要があります。常勤換算の合計が足りていても、常勤の職員がいなければ基準を満たしません。
機能訓練を行う場合に配置する職種なので、常勤の定めはありません。人数に含められるのは機能訓練に充てた時間だけです。
送迎のみに従事した時間の取扱いは、指定権者によって判断が分かれます。支援の一環として扱えるかどうかを、申請先の手引きで確認してください。
違います。就労継続支援は障害者総合支援法に基づく基準で、職業指導員と生活支援員の総数を利用者数で割って求めます。放課後等デイサービスは児童福祉法に基づく基準で、障害児の数に応じた人数が決まっています。
まとめ
放課後等デイサービスの人員配置は、児童指導員または保育士を10人まで2人、以降5人ごとに1人が基本です。児童発達支援管理責任者は専任かつ常勤で1人以上、必要人数の半数以上は児童指導員または保育士にします。
数えるのは定員ではなく前年度の平均利用者数で、新規指定のときは定員に0.9を掛けます。常勤換算の合計だけでなく、サービス提供時間帯を通じて人数を満たしているかも確認されます。
職員の採用は、資格だけでなく任用資格に当てはまるかどうかの確認が要ります。判断に迷う経歴であれば、採用前に指定権者へ照会しておくのが確実です。
あわせて読みたい就労継続支援A型・B型の人員配置基準|6:1・7.5:1・10:1と常勤換算の数え方 あわせて読みたい放課後等デイサービス 完全ガイド|開業・人員配置・支援時間区分・加算・運営指導 あわせて読みたい児発管・サビ管の欠如減算|減算が始まる月と退職日・配置日の考え方主な参考資料
- 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)
- 障害児通所給付費等に係る報酬告示および留意事項通知
