放課後等デイサービスで混同されやすいのが、児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算です。どちらも基準人員に上乗せして職員を配置する加算ですが、配置の仕方、対象職員、経験年数の数え方、単位数が異なります。
- 児童指導員等加配加算の加配職員は、サービス提供時間帯を通じて配置する
- 専門的支援体制加算は、対象の専門職を常勤換算1.0以上配置する(毎営業日の配置は不要)
- 併算定できるが、同じ職員の同じ勤務時間を両方の人員として数えることはできない
この記事で分かること
児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算の違いを、比較表・配置時間・対象職員・経験5年の数え方・単位数・併算定するときの人員の考え方まで整理します。強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の修了者がどちらの加算でどう扱われるかもまとめます。
はじめに
放課後等デイサービスで、基準人員に職員を上乗せして配置したときに算定できる加算が2つあります。児童指導員等加配加算と、専門的支援体制加算です。
名前も考え方も似ていますが、「いつ配置するか」「どの職員が対象か」「経験5年をどう数えるか」が違います。混同したまま届け出ると、運営指導で配置が足りないと指摘されることがあります。この記事では、2つの加算の違いを順に整理します。
この記事のポイント
- 児童指導員等加配加算は、基準人員に加配職員を1人以上上乗せし、サービス提供時間帯を通じて配置します。
- 専門的支援体制加算は、基準人員(加配加算を算定するならその加配人員も)に加えて、対象の専門職を常勤換算1.0以上配置します。
- 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の修了者は、加配加算では「児童指導員等」に含まれますが、研修修了だけでは専門的支援体制加算の専門職になりません。
- 「経験5年以上」の数え方が2つの加算で違い、特別支援学校での経験は加配加算では含まれ、専門的支援体制加算では含まれません。
1. まず比較表で違いを整理
| 比較項目 | 児童指導員等加配加算 | 専門的支援体 |
|---|---|---|
| 目的 | 常時 | 専門職に |
| 必要な上乗せ人員 | 基準人員+1人以上 | 基準人員+加配加算の |
| 配置の仕方 | サービス提供時間帯を | 常勤換算1.0以上。 |
| 対象職員 | 児童指導員等/ | 理学療法士・作業療法士・ |
| 強度 | 修了者は | 研修修了だけでは |
| 経験5年の考え方 | 資格取得・任用前の | 保育士・児童指導員は、 |
| 定員10人以下の | 90〜187単位/日 | 123単位/日 |
| 併算定 | できる。 | できる。 |
2. 児童指導員等加配加算とは
児童指導員等加配加算は、放課後等デイサービス給付費の算定に必要な基準人員を配置したうえで、さらに児童指導員等またはその他の従業者を1人以上上乗せして配置する加算です。
加配職員は「サービス提供時間帯を通じて」配置する
こども家庭庁のQ&Aでは、児童指導員等加配加算の加配職員について、サービス提供時間帯を通じて事業所に配置することが必要とされています。常勤換算の区分で算定する場合でも、1か月の合計勤務時間だけを満たせばよいわけではありません。
複数の職員で加配1人分を構成する場合も、サービス提供時間帯を通じて「基準人員+加配1人」の状態を保てるように勤務を組みます。
配置形態と経験年数で単位数が変わる
| 利用定員 | 常勤専従・ | 常勤専従・ | 常勤換算・ | 常勤換算・ | その他 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10人以下 | 187 | 152 | 123 | 107 | 90 |
| 11〜20人 | 125 | 101 | 82 | 71 | 60 |
| 21人以上 | 75 | 59 | 49 | 43 | 36 |
※単位/日。主として重症心身障害児を通わせる事業所を除く、一般的な放課後等デイサービスの場合です。
強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)は単位数を上げる要素になる
児童指導員等加配加算の「児童指導員等」には、児童指導員、保育士、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などに加えて、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の修了者も含まれます。
そのため、ほかの資格要件では「その他の従業者」にあたる職員でも、基礎研修を修了することで「児童指導員等」として評価される場合があります。定員10人以下の事業所では、次のように単位数が変わります。
| 職員の状況 | 1日あたりの |
|---|---|
| 研修未修了で | 90単位 |
| 基礎研修修了+常勤換算・経験5年未満 | 107単位 |
| 基礎研修修了+常勤換算・経験5年以上 | 123単位 |
| 基礎研修修了+常勤専従・経験5年以上 | 187単位 |
研修を修了しただけで自動的に187単位になるわけではなく、配置形態と経験年数の要件を満たす必要があります。
なお、児童指導員等加配加算の「5年以上」の経験は、資格取得や当該職種として配置される前の経験も含められます。国のQ&Aでは、雇用形態や1日の勤務時間数は問わない一方、1年あたり180日以上の勤務が想定されています。
単位数が上がる要素
- 「児童指導員等」にあたること(基礎研修の修了者を含む)
- 常勤専従で配置すること
- 経験5年以上であること
注意したいこと
- 研修修了だけでは最上位の区分にならない
- 常勤換算の区分でも、サービス提供時間帯を通じた配置は必要
- 経験年数は1年あたり180日以上の勤務が想定されている
3. 専門的支援体制加算とは
専門的支援体制加算は、専門的な支援を必要とする児童への支援や、家族への助言等を強化するため、基準人員に加えて対象の専門職を常勤換算1.0以上配置する加算です。児童指導員等加配加算を算定している場合は、その加配人員まで確保したうえで、さらに専門要員を上乗せします。
対象となる専門職
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
- 心理担当職員
- 視覚障害児支援担当職員
- 保育士(保育士の資格取得後、児童福祉事業に5年以上従事した者)
- 児童指導員(児童指導員として任用後、児童福祉事業に5年以上従事した者)
強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の修了者であることだけでは、専門的支援体制加算の専門職には該当しません。ただし、その職員が児童指導員であり、任用後に児童福祉事業5年以上などの要件を満たしていれば、児童指導員として専門要員になり得ます。
専門要員は毎営業日の配置までは求められない
児童指導員等加配加算には「サービス提供時間帯を通じて配置」という取扱いがありますが、専門的支援体制加算は、対象の専門職を常勤換算1.0以上配置することが要件です。専門職を毎営業日、サービス提供時間帯を通じて置くことまでは求められていません。
国のQ&Aでは、専門職を常勤1名で配置している場合に、その職員が病気や有給休暇で一時的に欠勤しても配置要件を満たすとされています。ただし、欠勤などが1か月以上続く場合は要件を満たさなくなります。
常勤換算の考え方
常勤換算は、対象職員の勤務延べ時間数を、その事業所で常勤職員が勤務すべき時間数で割って計算します。常勤が週40時間の事業所なら、週20時間の専門職Aと週20時間の専門職Bで合計40時間となり、常勤換算1.0です。4週で管理する場合は、40時間×4週=160時間が1.0の目安になります。
「月177時間」といった特定の数字を一律の分母にするのではなく、その事業所で常勤職員が勤務すべき時間数を基準に確認してください。
あわせて読みたい常勤換算とは?|障害福祉事業所の計算方法と考え方専門的支援体制加算の単位数
| 利用定員 | 単位数 |
|---|---|
| 10人以下 | 123単位/日 |
| 11〜20人 | 82単位/日 |
| 21人以上 | 49単位/日 |
※主として重症心身障害児を通わせる事業所は、別の単位設定です。
あわせて読みたい専門的支援体制加算・専門的支援実施加算|放課後等デイサービス・児童発達支援の要件と算定回数の上限4. 両方を算定するときの人員の考え方
両方の加算は併算定できますが、同じ職員の同じ勤務時間を「加配要員」と「専門要員」の両方に重ねて数えることはできません。それぞれに必要な上乗せ人員を確保する必要があります。
実務では、勤務形態一覧表で、誰を「加配」、誰を「専門」として計上しているかを分けて管理しておくことが大切です。指定権者の様式でも、加配加算の対象職員と専門的支援体制加算の対象職員を区分して記載する運用があります。
5. 「経験5年以上」の数え方も違う
| 比較 | 児童指導員等加配加算 | 専門的支援体 |
|---|---|---|
| 資格取得・任用前の | 算入できる | 算入できない。 |
| 幼稚園での経験 | 含む | 含む |
| 特別支援学校での | 含む | 含まない |
| 特別支援学級・ | 含む | 含まない |
| 日数の目安 | 1年あたり180日以上の | 5年以上の |
同じ「5年以上」という言葉でも、判定の結果が変わります。とくに特別支援学校などでの教育経験は、児童指導員等加配加算では含まれますが、専門的支援体制加算の5年には含まれません。実務経験証明書を確認するときは、どちらの加算のための確認なのかを意識してください。
6. 定員10人の放課後等デイサービスの例
定員10人の一般的な放課後等デイサービスで、2つの加算を両方算定する場合の配置例です。
| 区分 | 配置例 | ポイント |
|---|---|---|
| 基準人員 | 基準上必要な | まず |
| 加配要員 | 児童指導員等1人分 | サービス提供時間帯を |
| 専門要員 | 理学療法士・作業療法士・ | 毎日の |
この3つの層を混ぜずに勤務形態一覧表で管理すると、算定要件の確認がしやすくなります。
あわせて読みたい放課後等デイサービス 完全ガイド|開業・人員配置・支援時間区分・加算・運営指導よくある質問
算定できます。対象の専門職を常勤換算1.0以上配置していることが要件で、児童指導員等加配加算のような「サービス提供時間帯を通じた配置」の要件はありません。
いいえ。常勤換算の確認だけでは足りません。加配職員は、サービス提供時間帯を通じて事業所に配置することが必要です。常勤が週40時間の事業所なら4週160時間が常勤換算1.0の目安になりますが、日々の配置もあわせて確認します。
有利になります。基礎研修の修了者は、児童指導員等加配加算の「児童指導員等」に含まれます。配置形態と経験年数の要件を満たせば、「その他の従業者」より高い単位区分になります。
いいえ。研修の修了だけではできません。専門的支援体制加算の対象専門職の要件を、別に満たす必要があります。
いいえ。同じ勤務時間を両方の加算の必要人員として数えることはできません。両方を算定する場合は、それぞれの上乗せ人員を確保してください。
まとめ
児童指導員等加配加算は「人を手厚く配置する加算」で、加配職員はサービス提供時間帯を通じて配置します。専門的支援体制加算は「専門職の配置体制を評価する加算」で、専門職を常勤換算1.0以上配置します。
両方を算定できますが、人員は別枠です。同じ勤務時間を二重に数えることはできません。また、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の修了は加配加算で評価され、経験5年の数え方も加算ごとに違います。実務経験証明書と勤務形態一覧表をあわせて確認してください。
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主な参考資料
- こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月31日最終改正)
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1」
- こども家庭庁「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」
- 児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準(報酬告示)
※本記事は令和8年9月18日時点の情報に基づく一般的な整理です。実際の算定の可否は、事業所の人員配置、勤務実績、届出内容、指定権者の取扱いによって判断してください。

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