障害福祉サービスは、指定を受けたあとの手続きのほうが多くなります。自社で対応すれば知識が社内に蓄積し、専門家に依頼すれば判断が早くなるという違いがあり、どちらが正しいというものではありません。手続きごとに費用対効果とリスクを見て、リスクの高いものから外部に出すのが現実的な分け方です。
- 指定後も変更届・体制届・研修・実績報告などの手続きが続く
- 自社対応の強みは知識が社内に残ること
- 専門家に依頼する強みは判断の早さ
はじめに
「指定申請くらい自分でできるのではないか」「毎月の顧問料を払うほどのことなのか」。開業前後の事業者様から、よくいただくご質問です。
結論からいうと、どちらが正しいということはありません。事業所の体制や、代表者・管理者が使える時間、どこまでを自社で担うかによって答えは変わります。実際に、自分たちで指定を取り、そのまま運営されている事業者様もいます。
この記事では、自社対応と専門家への依頼で、実際に何が違うのかを整理します。宣伝的な言い回しはできるだけ避け、どちらを選ぶべきか判断するための材料をお伝えします。
1. 障害福祉の手続きは「開業したら終わり」ではない
障害福祉サービスは、指定を受けたあとの手続きのほうが多くなります。毎月の報酬請求や人員配置の確認、毎年の処遇改善加算、各種研修・委員会、情報公表への対応に加え、職員や運営規程の変更があれば随時届出が必要です。
さらに、加算の体制届には提出期限があり、間に合わなければ算定開始が翌月以降にずれることもあります。そのほか、指定更新や運営指導、3年ごとの報酬改定への対応も続きます。
あわせて読みたい障害福祉サービスの法定研修・委員会|年間実施頻度と減算の一覧つまり重要なのは、この一連の業務を「誰が」「どの時間を使って」担うのかを、開業前から決めておくことです。
2. 自社対応と専門家、それぞれのメリット
自社対応のメリット
自社対応の最大のメリットは、制度や手続きの知識が社内に蓄積することです。自分で指定申請や届出を行うことで、人員基準や設備基準、加算の考え方を深く理解できるようになります。運営指導の際にも、書類を作った経緯や判断根拠を自分の言葉で説明しやすくなります。
また、外部への依頼費用を抑えられることもメリットです。
あわせて読みたい障害福祉の指定申請でよくある不備10選|補正を求められない書類の整合性と事前協議専門家に依頼するメリット
- 判断が早くなる:「この配置で人員基準を満たすか」「この加算は取れるか」をすぐ確認できる
- 期限管理を任せられる:体制届、実績報告、指定更新、研修などの期限を管理できる
- 根拠をもって対応できる:通知やQ&Aなどを根拠に、行政へ説明しやすくなる
- 現場が本業に集中できる:管理者やサビ管の時間を、利用者支援や職員育成に戻せる
一方で、専門家に依頼しても丸投げはできません。個別支援計画、支援記録、勤務実績、会議録など、日々の運営そのものは事業所が行う必要があります。専門家ができるのは、様式や書き方を整え、抜けを確認し、行政に説明できる状態にすることです。
3. 比較表と見えない落とし穴
比較表|自社対応と当法人
手続きごとに、自社で対応する場合と当法人にご依頼いただく場合を並べます。ここでの目的は優劣をつけることではなく、契約前に何を確認しておくべきかを明らかにすることです。
| 項目 | 自社対応 | 障害福祉リーガルパートナーズ |
|---|---|---|
| 1. 制度調査の | 通知・Q&A・ | 必要な |
| 2. 指定申請の | 要件漏れ・ | 障害福祉の |
| 3. 物件選定 | 契約後に | 契約前から |
| 4. 人員配置 | 常勤換算・兼務可否の | 配置基準と |
| 5. 加算の | 存在や | 算定可能な |
| 6. 減算・返還リスク | 誤った | 人員・加算・記録を |
| 7. 処遇改善加算 | 制度と | 福祉制度+社労士実務を |
| 8. 行政への | 行政からの | 法令・通知等の |
| 9. 運営指導 | 通知が | 平時から |
| 10. 経営者の | 調査・ | 本業・採用・営業・利用者支援に |
| 11. 運営規程・重要事項説明書などの | ひな形の | ひな型提供の |
| 12. 就業規則・36協定・社会保険の | 自社対応、 | 社会保険労務士が |
| 13. 費用の | 0円 | 初回相談0円/開業支援20万円〜/運営顧問 月額3万円〜/すべて |
自社対応の「見えない落とし穴」
自社対応には、次の5つのリスクがあります。
- 担当者への属人化:退職・休職・異動で業務が止まりやすい
- 本業の時間を圧迫:制度確認や書類作成に多くの時間がかかる
- 制度改正への対応漏れ:報酬改定や通知、自治体運用を追い続ける必要がある
- 行政対応が難しい:指摘に対して根拠を示した説明が求められる
- ミスの損失が大きい:加算の取りこぼし、減算漏れのリスク
自社対応にも人件費はかかります。管理者が月20時間対応し、時間単価を1,500円とすれば月3万円相当です。そのため、費用は専門家への報酬だけでなく、時間・取りこぼし・減算・指定遅延まで含めて比較することが重要です。
あわせて読みたい返戻と過誤の違い|同月過誤の使い方と月次チェック4. 当法人が向いている事業者・向いていない事業者
当法人が向いている事業者
当法人は、すべての事業者様に合うサービスではありません。特に、次のような事業者様に向いています。
- 制度上の判断や行政対応を、専門家に相談しながら進めたい
- 開業後も継続して、運営・加算・運営指導まで見てもらいたい
- 管理者やサビ管の事務負担を減らしたい
- 労務まで含めて窓口を一本化したい
- 制度改正や届出期限を自社だけで追うことに不安がある
共通しているのは、「書類を作ってほしい」だけでなく、「日々の判断を相談できる相手がほしい」という事業者様です。
当法人が向いていない事業者
ミスマッチを避けるため、当法人が向いていないケースもお伝えします。
- 基準を満たしていない状態で、書類だけ通してほしい方
- とにかく最安で、書類作成だけを依頼したい方
- 介護保険や保育など、障害福祉以外を専門的に依頼したい方
- すでに社内に専門部署があり、制度対応を自走できている法人
- 事業所側から必要な情報共有や協力が難しい方
当法人は、単に書類を作ることよりも、開業後の運営や日々の判断まで含めて支援することを重視しています。そのため、書類作成だけをできるだけ安く依頼したい場合は、他の事務所のほうが合うことがあります。
5. 当法人の強みと料金
当法人の3つの強み
創業以来、障害福祉サービスだけを扱ってきました。制度改正はもちろん、自治体ごとに異なる運用や解釈の違いまで把握しているため、机上の正しさではなく、実際に通る申請と回る運営をご提案します。
これまでに5,000件を超えるご相談をお受けしてきました。指定申請の可否から人員配置、加算の取り方、行政とのやり取りまで数多くの事例に触れているからこそ、ご相談の段階で見通しをお伝えできます。
開設後もパートナーとして関わり続けている事業所が数多くあります。日々の判断に迷う場面や、制度改正のたびに調べ直す負担をなくし、支援そのものに集中していただける体制づくりを継続してお手伝いしています。
料金の考え方とサービスの範囲
料金は、ご依頼前に業務の範囲と報酬額を書面で明示します。原則として着手金はいただいておらず、追加費用が生じる条件もあらかじめご説明したうえで着手します。
| サービス | 報酬額 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 初回相談 | 0円 | 開業の |
| 開業支援 | 20万円〜 | 指定要件の |
| 運営顧問 | 月額3万円〜 | 指定基準・人員配置・加算要件など、 |
| 運営指導 | 20万円〜 | 通知書・ |
| 処遇改善加算 | 15万円 | 算定できる |
| 社労士 | 月額5万円〜 | 社会保険・労働保険の |
比較の目安として、運営顧問の月額3万円は、1日15単位の加算を定員20名で1か月算定できるかどうかとほぼ同じ規模です。加算をひとつ取りこぼしていれば、それだけで顧問料を上回ります。もちろん、すべての事業所で加算の余地があるわけではありませんので、初回相談の段階で「顧問契約の必要はありません」とお伝えすることもあります。
6. ご相談から着手までの流れ
初回相談は0円です。物件の資料、想定しているサービス種別、確保できている職員の状況が分かるものがあれば、より具体的な見通しをお伝えできます。まだ何も決まっていない段階でも構いません。
お返事は原則1営業日以内にしています。運営指導の通知が届いた、体制届の締切が近いといった場合は、その旨をお知らせください。
よくある質問
できます。指定申請だけを依頼し、開業後の変更届や体制届は自社で行う事業者もあります。ただし、体制届の出し忘れや算定要件の見落としは報酬返還につながるため、新しく加算を算定するときなど、判断が必要な場面だけ相談する形をとる事業者が多くなっています。
指定申請・変更届・体制届は行政書士の業務、就業規則・社会保険・労働保険の手続きは社会保険労務士の業務です。障害福祉は人員基準と労務が直結するため、勤務形態一覧表と就業規則の整合まで一度に確認できる体制があると、手戻りが少なくなります。
多いのは、加算の算定要件を満たさないまま届け出てしまうことと、体制届の提出期限を過ぎてしまうことです。どちらも運営指導で指摘され、さかのぼって返還を求められることがあります。
指摘がまったくなくなるわけではありません。ただ、記録の残し方や届出の整合を事前に整えておくことで、報酬返還につながるような重大な指摘は避けやすくなります。
まとめ
障害福祉の手続きは、指定申請だけで終わるものではありません。開業後も、加算、人員配置、各種届出、運営指導、制度改正への対応が続きます。
自社で対応できる体制があり、制度を調べる時間も確保できるのであれば、自社対応も十分可能です。一方で、事務処理や判断の不確実性を減らし、本来の事業運営に集中したい場合は、専門家への依頼も選択肢の1つになるのではないかと思います。
あわせて読みたい障害福祉事業所は開業まで何か月かかる?|指定申請のスケジュールと逆算の手順自社で対応するか迷ったら、まずご相談ください
障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、指定申請から日々の運営、労務管理までをひとつの窓口でご相談いただけます。
静岡・神奈川・愛知を中心に、オンラインで全国に対応しています。「この部分だけ頼みたい」「自分たちで進められるか判断したい」「開業後の運営まで見てほしい」といったご相談を承っています。初回相談は0円で、ご自身で進められると判断できる場合はその旨をお伝えしています。
※この記事は、障害者総合支援法および同法に基づく指定基準・報酬告示、厚生労働省の解釈通知等をもとに整理したものです。取扱いは改正や指定権者の運用によって変わることがあります。記載の料金は令和8年9月時点のもので、いずれも税別表示です。
主な参考資料
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)
- 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(平成18年12月6日障発第1206001号)
- 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。
これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。
