【令和8年4月施行】障害福祉サービスの指定申請等の様式が全国統一へ|標準様式の概要

【令和8年4月施行】障害福祉サービスの指定申請等の様式が全国統一へ!標準様式についてわかりやすく解説

令和8年4月から、障害福祉サービス等の指定申請や届出に使用する様式が全国で統一されます。対象は、新規・更新の指定申請と変更届の様式、体制届などの加算の届出様式、そして運営指導で使われる主眼事項・着眼点の様式です。自治体ごとに異なっていた書類がそろうことで、事業者の負担が軽くなります。

  • 新規申請・更新申請・変更届の様式が標準様式に統一される
  • 体制届など加算の届出に使う様式も標準化される
  • 運営指導の主眼事項・着眼点についても標準的な様式が示される

令和8年(2026年)4月から、障害福祉サービス等の指定申請や届出に使用する様式が全国で統一されます。

これまで自治体ごとに異なっていた申請書類の様式が「標準様式」として一本化されることで、事業者の手続き負担が大幅に軽減されることが期待されています。

この記事では、この標準様式の導入について、事業者に知っておいていただきたいポイントをわかりやすくまとめました。

標準様式とは

障害福祉サービスの事業所を開設・運営するには、指定申請や変更届、加算届出など、さまざまな書類を自治体に提出する必要があります。

しかし、これまでは自治体ごとに書類の様式が異なっていたため、複数の自治体で事業所を運営する場合、それぞれの様式に合わせて書類を作り直す必要がありました。

こうした状況を改善するため、厚生労働省及びこども家庭庁は、全国共通の「標準様式」を策定しました。これにより、どの自治体に対しても同じ書式で申請・届出を行えるようになります。

図解1標準様式とは
これまで自治体ごとに書類の様式が異なり、複数の自治体で事業所を運営する場合は様式に合わせて作り直しが必要
標準様式厚生労働省及びこども家庭庁が策定した全国共通の様式。どの自治体にも同じ書式で申請・届出ができる

定められている様式の例

  • 指定申請書類一覧(提出書類のチェックリスト)
  • 標準様式1:主たる対象者を特定する理由等
  • 標準様式2:苦情解決処理の概要
  • 標準様式3:誓約書
  • 標準様式4:従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表
※本文「標準様式とは」を図解化したものです。

変更内容|3つのポイント

ポイント① 指定申請の様式が統一されます

新規の指定申請、更新申請、変更届出などに使用する書類が「標準様式」に統一されます。具体的には以下のような様式が定められています。

様式名 内容
指定申請書類一覧 提出書類のチェックリスト
標準様式1 主たる対象者を特定する理由等
標準様式2 苦情解決処理の概要
標準様式3 誓約書
標準様式4 従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表

ポイント② 加算届出の様式も統一されます

体制届や加算の届出に使う書類についても、標準様式が整備されました。これまで自治体独自の様式で対応していたものが、全国統一の書式で提出できるようになります。

ポイント③ 指導監査の様式も標準化されます

運営指導(実地指導)における主眼事項や着眼点についても標準的な様式が示されました。これにより、運営指導への事前準備もしやすくなると期待されます。

統一されるのは「一部」― 自治体独自の様式は残る

標準様式が定められたからといって、申請書類のすべてが全国共通になるわけではありません。実際の指定申請では、標準様式と自治体独自の様式が併存します。

ある中核市の手引きに掲載されている指定申請の提出書類を整理すると、次のようになります。

区分書類の例
標準様式(全国共通)主たる対象者を特定する理由等/苦情を解決するために講ずる措置の概要/誓約書/従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表
指定申請書・付表指定申請書、サービス種別ごとの付表(居宅介護、生活介護、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、共同生活援助、短期入所、計画相談支援 など)
指定権者ごとの参考様式設備の概要/管理者・サービス管理責任者等の経歴書/実務経験証明書/協力医療機関に関する協定書/役員等名簿/体制等に関する届出書 など
条例・地域固有の書類暴力団員等の排除に関する誓約書および警察署長への照会に対する同意書/事業開始届/消防用設備等検査済証の写し など

※様式番号は指定権者ごとに異なります。

このように、標準様式として統一されたのは書類全体の一部です。付表・参考様式・条例に基づく誓約書などは、引き続き指定権者ごとに用意されたものを使用します。複数の自治体で事業所を運営する場合でも、書類の作り直しが完全になくなるわけではない点は押さえておいてください。

加算届の添付書類は自治体様式のまま

加算の届出でも、標準様式と自治体様式の併存という構図は変わりません。ある中核市の手引きでは、加算の届出について、体制等に関する届出書と体制等状況一覧表を必須書類としたうえで、加算ごとに個別の届出書と添付書類を求めています。

  • 加算ごとの届出書(福祉専門職員配置等加算、視覚・聴覚言語障害者支援体制加算、重度障害者支援加算、医療連携体制加算、就労移行支援体制加算、送迎加算 など)
  • 従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表(標準様式)とその添付シート
  • 資格証の写し、研修修了証の写し、実務経験証明書の写し
  • 業務委託契約書の写し、工賃向上計画の写し、指針など、加算の性質に応じた書類

※様式番号は指定権者ごとに異なります。

加算の種類は数十に及び、必要書類も加算ごとに細かく定められています。標準様式化が進んでも、どの加算にどの書類が必要かは指定権者の手引きで確認する作業が欠かせません。加算届の準備は、算定開始月の前月15日といった期限から逆算し、余裕をもって進めてください。

標準様式には自治体独自の添付書類が付く

様式そのものが統一されても、その様式に添付を求められる書類は指定権者ごとに異なります。とくに、標準様式である「従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表」には、次のような自治体独自の添付書類が求められることがあります。

サービス勤務形態一覧表に添付する書類の例
生活介護平均障害支援区分の算出、平均利用者数算定シート
就労選択支援・就労移行支援・就労継続支援A型・B型平均利用者数算定シート
共同生活援助・短期入所平均利用者数算定シート、障害支援区分別平均利用者数算定シート

※様式番号は指定権者ごとに異なります。

同様に、標準様式である誓約書についても、サービス種別ごとの「別紙」を添付する運用が示されています。標準様式のファイルだけをダウンロードして提出すると、添付書類の不足で差し戻しになる可能性があります。標準様式であっても、必ず指定権者の提出書類一覧と照らし合わせて準備してください。

図解2統一される3つの領域

① 指定申請の様式

  • 新規の指定申請、更新申請、変更届出などに使用する書類

② 加算届出の様式

  • 体制届や加算の届出に使う書類

③ 指導監査の様式

  • 運営指導(実地指導)における主眼事項や着眼点
  • 運営指導への事前準備もしやすくなると期待される
※本文「変更内容|3つのポイント」を図解化したものです。
図解3統一されるのは「一部」――4系統の書類が併存する

標準様式(全国共通)

  • 主たる対象者を特定する理由等
  • 苦情を解決するために講ずる措置の概要
  • 誓約書
  • 従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表

指定申請書・付表

  • 指定申請書、サービス種別ごとの付表

参考様式

  • 管理者等の経歴書/実務経験証明書/協力医療機関に関する協定書/役員等名簿/体制等に関する届出書 など

条例・地域固有の書類

  • 暴力団員等の排除に関する誓約書および警察署長への照会に対する同意書
  • 事業開始届/消防用設備等検査済証の写し など
複数の自治体で事業所を運営する場合でも、書類の作り直しが完全になくなるわけではない
※様式番号は指定権者ごとに異なります。
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適用が始まる時期

法令上の施行日は令和8年(2026年)4月です。

ただし、厚生労働省は施行を待たず、標準様式の使用が可能な自治体にはできる限り早期に活用することを促しています。

実際に、すでに標準様式への切り替えを済ませている自治体もあります。今後、全国の自治体で順次導入が進む見込みです。

事業者にとってのポイント

お手元の申請書類のひな形が、所在地の自治体ですでに標準様式に切り替わっている可能性があります。次回の申請・届出の際には、必ず最新の様式を自治体のホームページ等でご確認ください。

図解4標準様式にも自治体独自の添付書類が付く

勤務形態一覧表に添付する書類の例

  • 生活介護:平均障害支援区分の算出、平均利用者数算定シート
  • 就労選択支援・就労移行支援・就労継続支援A型・B型:平均利用者数算定シート
  • 共同生活援助・短期入所:平均利用者数算定シート、障害支援区分別平均利用者数算定シート

そのほか

  • 標準様式の誓約書にも、サービス種別ごとの「別紙」を添付する運用がある
  • 加算の届出でも、体制等に関する届出書と体制等状況一覧表を必須としたうえで、加算ごとに個別の届出書と添付書類を求められる
標準様式のファイルだけをダウンロードして提出すると、添付書類の不足で差し戻しになる可能性がある加算届の準備は、算定開始月の前月15日といった期限から逆算して進める
※標準様式であっても、必ず指定権者の提出書類一覧と照らし合わせて準備してください。

事業者にとってのメリット

標準様式の導入は、事業者に次のようなメリットをもたらします。

① 書類作成の手間が減る
標準様式の部分は全国共通になるため、複数拠点を持つ事業者は書類の作り直しの負担が軽くなります。ただし付表や自治体独自の様式は残るため、作り直しが完全になくなるわけではありません。

② 過去の書類を使い回しやすくなる
様式が統一されることで、以前作成した書類をもとに、次の申請書類を短時間で作成できます。

③ 行政とのやり取りが減る
全国統一の様式であるため、記載内容や添付書類に関する自治体ごとの確認が減り、手続き全体の流れが速くなります。

ご注意ください

標準様式への移行にあたり、各自治体の指定申請の手引きも一部改訂されています。これまでの手引きの内容と異なる箇所がある場合がありますので、最新版の手引きをあわせてご確認ください。

様式が統一されても「手続きのルール」は統一されない

標準様式の導入で統一されるのは「書式」であって、提出期限・提出方法・事前協議の要否といった手続きのルールではありません。ある中核市の手引きでは、次のような運用が定められています。

手続き期限・方法の例
指定申請指定日の3か月前の15日までに事前協議書類を持参(予約制)。2か月前の7日までに申請書類の1回目提出、2か月前の末日までに最終提出。指定前月に現地確認。指定は毎月1日付け
更新申請指定有効期間満了日の1か月前の末日まで(必着)。郵送または持参
変更申請(定員増加)事前協議書類は変更日の3か月前の15日まで、指定変更申請書は変更日の2か月前の末日まで。持参(予約制)
加算の届出新たに算定する場合・区分を上げる場合は算定する月の前月15日まで(必着)。区分を下げる場合・取りやめる場合は速やかに提出

これらはいずれも指定権者ごとの運用です。事前協議が予約制で数か月前に必要な自治体もあれば、そうでない自治体もあります。総量規制を実施していて、そもそも指定申請や定員増加の変更申請を受け付けていない自治体もあります。

「様式が全国共通だから手続きも同じ」と考えず、スケジュールと提出方法は必ず申請先の最新の手引きを確認してください。

図解5施行時期とメリット

施行時期

  • 法令上の施行日は令和8年(2026年)4月
  • 厚生労働省は、施行を待たず使用可能な自治体には早期の活用を促している
  • すでに標準様式へ切り替えを済ませている自治体もある

事業者にとってのメリット

  • ① 書類作成の手間が減る(標準様式の部分は全国共通になり、複数拠点の作り直しの負担が軽くなる。ただし付表や自治体独自の様式は残る)
  • ② 過去の書類を使い回しやすくなる
  • ③ 記載内容や添付書類に関する自治体ごとの確認が減り、手続き全体の流れがスムーズになる
お手元のひな形が、所在地の自治体ですでに標準様式に切り替わっている可能性がある次回の申請・届出の際には、必ず最新の様式を自治体のホームページ等で確認する
※本文「適用が始まる時期」「事業者にとってのメリット」を図解化したものです。
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よくある質問

Q
標準様式とは何ですか。
A

厚生労働省およびこども家庭庁が策定した全国共通の様式です。これまで自治体ごとに書類の様式が異なっていたため、複数の自治体で事業所を運営する場合は様式に合わせて作り直す必要がありましたが、標準様式により同じ書式で申請・届出を行えるようになります。

Q
どのような様式が定められていますか。
A

指定申請書類一覧(提出書類のチェックリスト)のほか、標準様式1(主たる対象者を特定する理由等)、標準様式2(苦情解決処理の概要)、標準様式3(誓約書)、標準様式4(従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表)などが定められています。

Q
指定申請以外の様式も統一されますか。
A

体制届や加算の届出に使う書類についても標準様式が整備されました。また、運営指導における主眼事項や着眼点についても標準的な様式が示されています。

Q
いつから適用されますか。
A

法令上の施行日は令和8年4月です。ただし、施行を待たずに標準様式の使用が可能な自治体には早期の活用が促されており、すでに切り替えを済ませている自治体もあります。

Q
申請書類はすべて全国共通になりますか。
A

なりません。実際の指定申請では、標準様式と自治体独自の様式が併存します。加算届の添付書類が自治体様式のままであったり、標準様式に自治体独自の添付書類が付いたりする例があります。

Q
手続きのルールも統一されますか。
A

統一されません。様式が共通になっても、事前協議の時期や提出期限、予約の要否といった手続きの進め方は自治体ごとに残ります。

Q
実務では何に注意すればよいですか。
A

お手元の申請書類のひな形が、所在地の自治体ですでに標準様式に切り替わっている可能性があります。次回の申請・届出の際には、必ず最新の様式を自治体のホームページ等で確認してください。

まとめ

今回の標準様式の導入は、障害福祉分野における手続き負担の軽減を目的とした国の取り組みの一環です。

事業者にとっては、これまで煩雑だった書類作成の負担が軽くなります。変更の内容を確認し、対応の準備を進めてください。

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※本記事の内容は令和8年3月時点の情報に基づいています。最新の情報は厚生労働省のホームページや各自治体にてご確認ください。

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執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。

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