神奈川県の運営指導|指導講習会でわかる指摘事項と2つの減算・事故報告

神奈川県の運営指導|指導講習会でわかる指摘事項と2つの減算

神奈川県が令和8年度第1回の指導講習会で示した内容から、県指定の事業所が運営指導で確認される項目を整理しています。運営指導は原則として実地で行われ、当日確認されるのは人員、運営、サービス内容、報酬請求の4点です。監査は通報・苦情や運営指導での確認内容などを契機に行われ、その先に行政処分があります。

  • 当日確認されるのは人員・運営・サービス内容・報酬請求の4点
  • 実施頻度はサービス種別によって異なる
  • 行政処分には効力の全部停止など複数の種類がある

この記事で分かること

神奈川県が令和8年度第1回の指定障害福祉サービス事業者等指導講習会で示した内容をもとに、県指定の事業所が運営指導で確認される項目を整理します。運営指導の頻度と流れ、監査から行政処分に至る判断要素と実際の処分事例、運営管理・利用者支援でよくある指導事項、個別支援計画の一連の流れ、虐待防止措置未実施減算と身体拘束廃止未実施減算、事故報告、業務管理体制の一般検査までを、自己点検に使える形でまとめています。

はじめに

神奈川県は毎年度、県が指定した障害福祉サービス事業者等を対象に指導講習会(集団指導)を開催しています。令和8年度第1回は令和8年6月8日に行われ、指導・監査及び行政処分、虐待の防止、身体拘束の取扱い、災害時情報共有システム、情報公表制度、業務管理体制、事故報告、そして個別支援計画の一連の作成までが取り上げられました。

集団指導の資料は、その年の運営指導で実際に指摘が多かった項目が並ぶ一覧でもあります。運営指導の実施通知が届いてから自己点検シートに向き合うより、講習会で示された項目を先に潰しておくほうが、はるかに負担が軽くなります。

この記事では、令和8年度第1回の指導講習会で示された内容を、県指定の事業所が日々の運営で確認できる順番に組み替えて整理します。なお、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市に所在する事業所は、サービスの種別によって指定権者が市になります。市が指定権者となる場合は、各市の集団指導資料もあわせてご確認ください。

あわせて読みたい横浜市の運営指導|障害児通所支援で指摘が多い項目と減算の取扱い あわせて読みたい静岡市の運営指導|事前提出資料・自己点検票と当日確認資料の準備

この記事のポイント

  • 運営指導は原則実地。就労継続支援A型・B型、共同生活援助、児童発達支援、放課後等デイサービスは3年に1回以上、それ以外は指定の有効期間内に1回以上
  • 実施通知はおおむね実施日の1〜2か月前。当日は人員・運営・サービス内容・報酬請求について説明できる管理者とサービス管理責任者が出席する
  • 結果通知は実施日のおおむね3か月後。文書指導事項は期限内に改善報告書を提出する
  • 運営管理でよくある指摘は、運営規程と重要事項説明書・実態の不一致、変更後10日以内の届出漏れ、BCP・感染症指針・非常災害計画の未策定
  • 利用者支援でよくある指摘は、個別支援計画の一連のプロセス。作成日・作成者・説明日・説明者の記載がないと、サビ管の関与が確認できないと判断される
  • 虐待防止措置未実施減算は基本報酬の1%、身体拘束廃止未実施減算は施設・居住系10%/訪問・通所系1%。複数事由に該当しても減算率は変わらない
  • 令和8年度の業務管理体制の一般検査は、指定障害児通所支援事業者と指定障害児入所施設等の設置者が対象
図解1指導と監査は目的が違う

指導

  • 集団指導/障害福祉サービス等の取扱い、自立支援給付費等の請求について、一定の場所に集めて講習等の方法で行う。例年3回開催され、令和7年度は延べ561事業所が参加
  • 運営指導/原則実地。事業所ごとに個別支援を行い、自らルールを守るための取組を推進してもらうことが目的
  • 目指すのは周知の徹底

監査

  • 指定基準違反等(人員・運営基準違反、不正請求等)、人格尊重義務違反に関する事実関係の的確な把握
  • 立入検査等の権限を行使して事実関係を把握し、評価する
  • 行政上の措置(行政処分、行政指導)、経済上の措置(返還、過誤調整)を決定
運営指導で不正が発覚すれば監査へ悪質な態様がみられれば監査に切替え
※指導の目的は「障害福祉サービスの健全かつ適正な運営の確保」と「法令等に基づく適正な事業実施」です。監査は、不正や基準違反が疑われる場合に事実関係を把握するための手続きで、行政処分に直結します。

1. 指導・監査・行政処分の関係

神奈川県の資料では、事業者に対する行政のかかわりが「指導」と「監査」の2本立てで整理されています。指導はさらに集団指導と運営指導に分かれ、いずれも事業者を育てることに目的があります。一方の監査は、指定基準違反や不正請求、人格尊重義務違反の事実関係を把握する手続きです。

この2つは連続しています。運営指導の中で不正が発覚すれば監査に切り替わり、監査の結果によっては勧告(行政指導)や指定取消等の行政処分に至ります。運営指導を「書類のチェック」とだけ捉えていると、この連続性を見誤ります。

あわせて読みたい障害福祉サービスの運営指導|通知から改善報告までの流れ

2. 運営指導の対象と頻度

運営指導は原則として実地で行われます。サービス種別によって実施の頻度が定められています。

  • 就労継続支援A型、就労継続支援B型、共同生活援助、児童発達支援、放課後等デイサービス/3年に1回以上
  • それ以外のサービス/指定の有効期間内に1回以上
  • 指定後間もない事業者/指定後3年以内。ただし就労継続支援A型のみ指定後半年後

あわせて、過去の指導内容や通報等により不適切な運営・報酬請求が疑われる場合など、県指定事業者等の運営に重大な問題があると認められる場合は優先的に実施されます。そして、指導の結果、悪質な態様がみられる場合には監査に切り替えられます。

つまり、開業して間もない事業所ほど早い時期に運営指導を受けます。特に就労継続支援A型は指定から半年後が目安とされているため、開業準備の段階から運営指導を意識した記録の体制を組んでおく必要があります。

図解2実施通知から改善報告書まで
① 実施通知おおむね実施日の1〜2か月前に発出
② 事前準備事前提出資料と自己点検シートを事前に提出。当日準備資料を作成(様式は県障害サービス課ホームページ)
③ 当日対応説明できる管理者・サビ管が出席。資料に基づく聴取と書類確認。必要に応じて他の従業者にも聴取
④ 結果通知実施日のおおむね3か月後に発出。文書指導事項は期限内に改善報告書を提出
※事前提出資料と自己点検シート、当日準備資料の様式は、神奈川県障害サービス課のホームページに掲載されています。

3. 運営指導の流れ

当日、県が確認するのは人員、運営、サービス内容、報酬請求の4点です。これらについて説明できる管理者とサービス管理責任者が出席することが求められます。管理者が兼務で当日不在、サビ管が非常勤で来られない、という状態は避けなければなりません。

聴取は、事前提出資料や当日準備資料に基づいて行われ、必要に応じて他の従業者にも及びます。管理者だけが答えられればよい、という進み方ではありません。日ごろから、支援の記録や勤務の実態を現場の職員が説明できる状態にしておくことが実質的な準備になります。

結果通知は実施日のおおむね3か月後です。文書指導事項があれば期限内に改善報告書を提出し、問題がなければ運営指導は終了します。

4. 監査から行政処分に至る流れ

監査の契機になるのは、通報・苦情・相談等に基づく情報、運営指導において確認された情報、市町村や相談支援事業所等に寄せられた苦情などです。監査で事実関係が把握されると、行政処分の前に聴聞(対面で実施。指定取消の場合は必須)または弁明の機会の付与(書面で実施)が行われ、そのうえで処分が決定されます。

行政処分の種類

  • 指定取消
  • 効力の全部停止(1〜12か月)/この間もサービスは提供しなければならないが、障害報酬の請求はできない
  • 効力の一部停止(1〜12か月)
  • このほか、行政指導として勧告が行われる

効力の全部停止は、サービス提供義務は残るのに報酬請求ができないという処分です。事業所の資金繰りに直接効いてきます。

処分の重さはどう判断されるか

神奈川県は、次の要素を総合的に判断するとしています。

  • 被害の程度
  • 故意・過失の有無、程度
  • 継続性・期間
  • 組織による関与
  • 事案への対応姿勢
  • 過去の処分等履歴
  • このほか、社会的影響等その他の事情を考慮することもある

注目したいのは「事案への対応姿勢」が判断要素に入っていることです。同じ事実でも、指摘を受けて速やかに是正し、原因を検証して再発防止に動いた事業所と、説明を避けた事業所とでは扱いが変わり得るということです。なお、処分基準の詳細は神奈川県情報公開条例第5条第5号の規定により非公開とされています。

直近5年間の処分件数

年度勧告効力の一部停止指定取消
令和7年度2法人(2事業所)1法人(1事業所)1法人(1事業所)
令和6年度1法人(1事業所)3法人(6事業所)
令和5年度1法人(2事業所)1法人(1事業所)2法人(3事業所)
令和4年度2法人(2事業所)
令和3年度2法人(6事業所)

実際の処分事例

講習会では、2つの事例が示されました。

  • 共同生活援助(非営利法人)/効力の一部停止6か月 指定当初から指定申請にある従業者を配置せず、人員配置基準を満たさない状態で事業を開始。人員欠如であることを認識していながら過大に報酬を請求。利用者に他害行為があったことを理由に退去を求め、支援を放棄・放任。処分の理由は虚偽申請、人員基準違反、不正請求、人格尊重義務違反
  • 就労継続支援A型(非営利法人)/指定取消 代表者が所在不明・音信不通となりサービスの提供が停止。管理者兼サービス管理責任者の後任を配置せず。利用者及び職員に賃金の支払いがなかった。代表者が監査に立ち会わず、調査・答弁を忌避。処分の理由は基準条例違反、人員基準違反、不正請求、人格尊重義務違反、監査の妨害・忌避

どちらも人員配置の問題が起点になっています。指定申請の内容と実際の配置がずれたまま事業を続け、それを認識しながら請求を続けたことが不正請求と評価されました。人員が欠けたときにまず行うべきは、報酬の減算処理と変更届です。

あわせて読みたい運営指導で報酬返還となるケース

5. よくある指導事項①運営管理

ここからは、講習会で「よくある指導事項」として示された項目です。まず運営管理から見ていきます。

内容、手続きの説明及び同意

  • 運営規程の記載が、サービスの実態又は重要事項説明書と一致していない(例:職員配置、営業日、営業時間、食事代等)
  • 重要事項説明書に、利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項が網羅されていなかった

県からのコメントは明快で、「運営規程を見直したら、重要事項説明書も一緒に確認を。契約書も見直して」というものです。3つの書類は同じ内容を別の場所に書いているだけなので、どれか1つだけを直すと必ず食い違います。加算を取得したとき、職員体制を変えたとき、営業時間を変えたときは、3点セットで確認する運用にしておくのが確実です。

運営規程

  • 従業者の職種・員数、営業日・営業時間、通常の事業の実施地域など、サービスの実態が運営規程と合っていない
  • 運営規程を変更しているが、県に届出をしていない(変更後10日以内の届出が必要

変更届の10日以内は見落とされやすい期限です。運営規程を改定した日から起算されるため、理事会や社内の決裁で日付が確定したら、その場で届出の準備に入るくらいの段取りが必要です。

勤務体制の確保

  • 従業者の資質向上のための研修機会の確保が不十分

研修は、義務化されている虐待防止研修・身体拘束適正化研修・感染症研修・BCP研修だけを指すのではありません。従業者の資質向上のための研修機会そのものが求められています。年間研修計画を立て、実施記録(日時、内容、参加者、資料)を残す形にしておきます。

業務継続計画(BCP)

  • 非常災害時、感染症時のそれぞれのBCP未策定
  • 定期的な備品のチェックが不十分
  • 研修、訓練の実施回数不足や記録の未作成

BCPは災害と感染症の2本が必要です。片方しかない状態は未策定と同じ扱いになります。業務継続計画未策定減算の対象にもなる項目です。

衛生管理

  • 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針の未策定
  • 染対策委員会の未設置、委員会の開催不足
  • 研修、訓練の実施回数不足や記録の未作成

非常災害対策

  • 非常災害に対する具体的計画の未作成(単なるマニュアルでは不可)
  • 避難訓練の実施記録の未作成

「単なるマニュアルでは不可」という一文が重要です。市販のひな形をそのまま綴じただけでは、非常災害に対する具体的計画とは認められません。自分の事業所の立地、建物の構造、利用者の状況、避難先、職員の参集方法まで落とし込まれているかどうかが分かれ目になります。

また、県は「各計画の違いを理解し、効率的に研修訓練を実施してください」とも案内しています。BCP(災害)、BCP(感染症)、非常災害対策計画、感染症予防指針は、それぞれ目的が異なる別の文書です。混同したまま1つの訓練で済ませていると、回数不足を指摘されます。

6. よくある指導事項②利用者支援

利用者支援では、個別支援計画の一連の作成に指摘が集中しています。県は、計画の作成にあたって「当事者目線の支援」「意思決定支援」の視点を大事にしてほしいと繰り返し述べています。

個別支援計画の一連の作成

  • 計画未作成(利用開始日の時点で計画が作成されていない)。さらに利用開始月内に計画が作成されない場合には減算
  • サービス管理責任者(児童発達支援管理責任者)が一連の計画作成に未関与
  • アセスメント時の本人面接と記録の未作成
  • 計画作成会議に利用者本人が不在、あるいは会議録未作成
  • 計画について、文書により利用者本人の同意を得ていない
  • 計画に作成日、作成者、説明日及び説明者が記載されていない(サービス管理責任者等の関わりが確認できない)
  • モニタリングの未実施

6つめの「作成日、作成者、説明日及び説明者が記載されていない」は、様式の問題に見えて実質的な指摘です。この4項目が空欄だと、県から見てサビ管が一連のプロセスに関与した証拠がないことになります。中身のよい計画を作っていても、記載がなければ確認できません。

サービス提供の記録

  • 利用状況を具体的に把握するための記録が作成されていない
  • サービス提供の記録について、利用者や保護者から確認を得ていない

事故への対応、苦情解決等

  • 事故発生後、県、市町村、利用者の家族等に連絡を行っていない
  • 利用者等から受けた苦情内容等を記録していない

県はここで、「運営規程に『県への報告』についての記載がない事業所がよくみられます」と付言しています。事故発生時の対応として、支給決定市町村・所在地市町村・県への報告を運営規程に書き込んでいるか、この機会に確認しておきたい点です。

図解3サービス管理責任者等が行う①〜⑦の業務

計画をつくるまで(①〜④)

  • ① 利用状況の把握/フェイスシート・利用者台帳等。他事業所の利用状況、心身の状況、置かれている環境の把握
  • ② アセスメント本人面接が必須。趣旨を説明し理解を得る。地域移行等の意向もあわせて把握・確認
  • ③ 原案作成/意向、生活全般の質を向上させるための課題、総合的な支援の方針、目標と達成時期、留意事項
  • ④ 会議の開催利用者が同席。担当者から意見を求め、会議録に参加者名を記載

同意から見直しまで(⑤〜⑦)

  • ⑤ 説明及び同意文書により利用者の同意を得る。代筆は不可
  • ⑥ 交付/同意を得た計画を利用者に交付。契約している相談支援事業所にも交付
  • ⑦ モニタリング/少なくとも6月に1回以上、定期的に面接して記録を残す
①〜⑦のすべてがサービス管理責任者等の業務②〜⑦が適切でないと減算になる場合がある
※サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が行う業務は①〜⑦のすべてです。②〜⑦の業務が適切に行われていない、又はサービス管理責任者により個別支援計画が作成されていないと、減算になる場合があります。

7. 個別支援計画の一連の流れ

講習会の後半は、個別支援計画の一連の作成に丸1本が充てられました。県が示した、指摘につながる典型例は次の3つです。

  • サービス等利用計画があるし支援もしているため、個別支援計画を作成しなかった
  • 相談支援事業所が関わっているようだが、サービス等利用計画の内容を知らない
  • 個別支援計画が数年間全く同じ内容

3つめについて県は、次のように説明しています。数年間同じ内容の個別支援計画だと、障害特性に配慮した様々な支援を行っていたとしても「計画に基づいたサービスを提供していない」、あるいは「サービス提供が漫然かつ画一的になっている」という指摘になる場合がある、というものです。現場の支援の質とは別に、計画という文書が更新されていないこと自体が問題になるということです。

各段階で押さえる点

  • ②アセスメント/面接の趣旨を利用者に十分説明して理解を得ることが前提で、本人面接が必須です。有する能力の評価、希望する生活の把握、課題等の把握、置かれている環境の評価、日常生活全般の状況の評価が最低限の把握事項。あわせて地域移行等の意向も把握・確認します(新基準)
  • ③原案作成/盛り込むのは、利用者及びその家族の生活に対する意向、生活全般の質を向上させるための課題、総合的な支援の方針、サービスごとの目標及びその達成時期、提供する上での留意事項。到底達成できない目標や、達成時期が不明なものは指摘対象
  • ④会議利用者が同席したうえでの開催が新しい減算基準になっています。会議録に参加したサービス提供担当者の名前を残し、地域移行等意向確認の結果も報告します
  • ⑤説明及び同意/口頭で同意を得てサビ管が利用者や家族の名前を代筆する扱いは認められません。同意を得て交付した時点で、その計画は「原案」ではなくなります
  • ⑥交付/署名捺印のある同意済みの計画を利用者に交付します。契約している計画相談事業所にも交付することが新しい減算基準です
  • ⑦モニタリング/達成・未達成を判定するものではなく、支援の客観的評価を行い、計画の見直しの必要性を判断するもの。少なくとも6月に1回以上、定期的に面接して記録を残します
図解4虐待防止と身体拘束の2つの減算

虐待防止措置未実施減算(令和6年度新設)

  • 対象はすべてのサービス
  • 基本報酬の1%を減算
  • 減算事由/虐待防止委員会を定期的に開催し結果を従業者に周知徹底していない・虐待の防止のための研修を定期的に実施していない・担当者を置いていない

身体拘束廃止未実施減算(令和6年度改定)

  • 施設・居住系は所定単位数の10%
  • 訪問・通所系は所定単位数の1%(改定前は1日5単位)
  • 減算事由/記録がない・身体拘束適正化委員会を1年に1回以上開催していない・指針を整備していない・研修を1年に1回以上実施していない
複数の減算事由に該当しても減算率は変わらない事実が生じた日の翌月から改善が認められた月まで減算県に速やかに改善計画を提出し3か月後に改善状況を報告
※「事実が生じた」とは、運営基準を満たしていない状況が確認されたことを指します。改善が認められた月まで減算が続くため、指摘を受けた直後の対応の速さがそのまま減算期間の長さになります。

8. 虐待防止措置未実施減算

虐待防止措置未実施減算は令和6年度に新設され、すべてのサービスが対象です。運営基準で求められる虐待の防止のための取組が適切に行われていない場合に、基本報酬が1%減算されます。減算に該当する状況が確認された場合は、県に速やかに改善計画を提出し、3か月後に改善計画に基づく改善状況の報告を行います。

求められる3つの措置

  • 虐待防止委員会を定期的に開催し、その結果について従業者に周知徹底を図ること
  • 従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること
  • 上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと

虐待防止委員会は、法人単位での開催が可能で、身体拘束適正化検討委員会と一体的に設置・運営することもできます。テレビ電話装置等を活用しての実施も認められています。小規模な法人であれば、この3つを組み合わせて年間の会議設計を軽くできます。

担当者は、各事業所のサービス管理責任者やユニットリーダーなど、現場で虐待防止のリーダーとなる職員を配置します。複数の事業所がある法人では、担当者間で虐待への認識の相違が起きないよう相互確認を行うなど、基準を統一することがポイントとされています。

虐待の判断で押さえておく4点

  • 虐待しているという「自覚」は問わない
  • 障害者ご本人の「自覚」は問わない
  • 親やご家族の意向が、障害者ご本人のニーズと異なる場合がある
  • 虐待の判断はチームで行う

そして、判断が難しい場合は「虐待でないことが確認できるまでは虐待事案として対応」するよう示されています。事業所内だけで抱え込まず、市町村の障害者虐待防止センター等に相談することが求められています。なお、通報を理由とした解雇その他の不利益な取扱いは受けません。

取組として示された具体例

  • 管理者による現場の把握/管理者が現場に直接足を運び、支援場面の様子や雰囲気を確認する。頻繁な巡回や職員面談など管理体制に留意する
  • 性的虐待の防止/2人きりになる場面や死角になる場所を極力作らない。業務中のスマートフォン等の携行禁止。利用者に対する虐待への理解啓発研修
  • 経済的虐待の防止/出金時に出金内容・出金額・日時等を記載した出金記録を提出。精算時に使用内容と領収書等を照合。現金出納帳と金額の確認。提出先を利害関係の少ない総務等にすることも有効
  • 風通しのよい職場づくり/職場内に「話してもよい」安心感を生むこと。特に上司の聞く姿勢とその後のアクションによって、「話しにくい」「話す意味がない」が決まる

9. 身体拘束廃止未実施減算

身体拘束は、行ってはならないことが原則です。やむを得ず行う場合には、①態様、②時間、③利用児者の心身の状況、④緊急やむを得ない理由、⑤その他必要な事項を記録しなければなりません。県は「正当な理由や記録がなく身体拘束することは、①身体的虐待、②運営基準違反に該当」と明示しています。

令和4年4月1日からは、記録の整備に加えて委員会の開催、適正化のための指針の整備、研修の実施が義務化され、対象サービスも拡充されました。居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期入所、重度障害者等包括支援、施設入所支援、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、共同生活援助、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援が対象です。

緊急やむを得ない場合の3要件

  • 切迫性/利用者本人又は他の利用者等の生命、身体、権利が危険にさらされる可能性が著しく高い
  • 非代替性/身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する方法がない
  • 一時性/身体拘束その他の行動制限が一時的である

やむを得ず行う場合の手順

  • 1 個別支援計画の原案作成/態様、時間、緊急やむを得ない理由(3要件)を記載。原案作成はサービス管理責任者等が行う。非代替性については、代替方法を常に模索し続けること
  • 2 計画作成に基づく会議/管理者、サービス管理責任者等、運営規程に基づいて選定されている虐待の防止に関する責任者等、サービス提供に当たる担当者等が出席し、組織として慎重に検討・決定する
  • 3 本人・家族への説明/十分に説明し了解を得る。了解を得た後で個別支援計画を交付する
  • 4 関係者間で共有/手順と方法をあらかじめ定めておく。①個別支援計画に記載した身体拘束に当てはまるのか、②どのような状態になれば解除となるのかを適宜確認できるようにし、職員間で共有する
  • 5 記録/身体拘束の態様、拘束開始時間及び解除時間、利用者の心身の状況等
  • 6 モニタリング/廃止に向けた取組の結果を記載。問題検討もなく「漫然」と拘束している場合は直ちに解除。継続する場合もモニタリングの都度、3要件が当てはまるか確認する

手順1で「個別支援計画の原案」から始まっている点は見落とされがちです。身体拘束は、拘束の記録簿だけを別に作って完結する話ではなく、個別支援計画の中に位置づけ、会議で決め、同意を得て、モニタリングで見直すという一連のプロセスに乗せることが求められています。

よくある問合せ

  • つなぎ服/基本的には身体拘束にあたります。家庭でご家族が行っていたとしても、事業所がご家族の要望のままつなぎ服を着用してもらうことは虐待に該当します。医師の意見書があっても、それをもって該当しないことにはなりません
  • 送迎バスのチャイルドシート・ジュニアシート/道路交通法第71条の3により運転者の遵守事項として定められている方法により行っている補助装置の使用は、身体拘束には該当しないものと考えられます
  • 座位保持装置のベルトやテーブル/医師の意見書があるということだけをもって身体拘束ではないとは言えません。変形や拘縮の防止・体幹の安定が目的でも、ベルトやテーブルをしたまま利用者を漫然と長時間放置する行為は虐待に該当する場合があります。医師や理学療法士等の意見を踏まえ、使用する場面・目的・理由を明確にしたうえで個別支援計画に記載します
  • 拘束時間が長い・回数が多いものの記録/医師の意見書・診断書等を踏まえ、目的に応じて取扱われており、個別支援計画等への記載があれば、必ずしも逐次のケア記録等への記載が求められているわけではありません。ただし記録の趣旨は廃止に向けた取組のためなので、検証ができる記録用紙を整えることが必要です

10. 事故報告

県指定の施設・事業所は、サービスの提供により事故が発生した場合、指定権者(県)、支給決定市町村、当該利用者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければなりません。賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行うことも県条例等で定められています。

報告対象の事故の範囲

  • 死亡、骨折、誤嚥、食中毒、感染症、所在不明、利用者の不利益につながる職員による犯罪行為等
  • その他の参考事例/誤薬・抜薬、打撲・捻挫、裂傷、異食、金銭関係、自傷、他害、送迎車による交通事故、その他車両等による交通事故、利用者の触法行為、病気による入院、虐待、個人情報、送迎時の置き去り、火傷、救急搬送 など

判断に迷う場合は、県障害サービス課監査グループに相談することとされています。

報告手順

  • 1 必要な措置を講じるとともに、当該利用者の家族等に連絡
  • 2 第一報の連絡(事故発生後速やかに)/障害児入所施設は、給付決定児童相談所・施設所在地域を所管する児童相談所・県障害サービス課監査グループへ。それ以外の事業所等は、支給決定市町村の障害福祉主管課・事業所の所在地市町村の障害福祉主管課・県障害サービス課監査グループへ
  • 3 再発防止策等を検討のうえ、事故報告書を作成し郵送で提出/個人情報が多く含まれるため、ファックス送信はしない

様式は「障害福祉情報サービスかながわ」からダウンロードでき、【者】と【児童】で様式が異なります。必ず所定の様式を使用します。

事故報告書のポイント

  • その他項目は具体的に該当の種類を記載する。骨折の場合は骨折名を詳しく(例:左足第5趾中節骨折)
  • 完治までの期間を記入する
  • 記入欄が足りないときは別紙を付ける
  • 再発防止に向けて今後どのような対応・対策をするのか、当該利用者のみならず他の利用者も含めて具体的に記載する

留意点として県が挙げているのは、事故報告は利用者を中心に報告するということです。たとえば利用者とぶつかって職員が裂傷を負った場合も、対象者は利用者とします。職員と利用者双方の状況、処置や完治の見込み、原因の分析(歩行が不安定だったのか、他害があったのか、事故発生前の状況や様子はどうだったのか)まで記載します。

死亡及び骨折等の事故報告では、事故発生に至るまでの利用者の健康状態や検証結果まで求められます。原因不明の場合は原因を追究した経緯も記載し、再発防止策にはどのようにしたら今回の事故は防げたかの検討内容を書きます。

なお、死亡又は30日以上の治療を要する重大事故については、県から消費者庁及び厚生労働省の関係課に通知されます。令和7年度の集計では、事故報告の全体件数は増加傾向にあり、特に骨折や所在不明が多く、その他の項目では誤薬・抜薬の再発が多いほか、裂傷、打撲・捻挫、個人情報に関する事故も増えているとされています。

11. 業務管理体制の整備と一般検査

運営指導(書面)の結果通知で、「業務管理体制の整備にかかる届出がされていないので、速やかに県のホームページの様式による届出をしてください」という指摘が出ることがあります。業務管理体制の届出は、平成24年4月1日から、指定・許可を受けている法人に義務づけられているものです。

まず行うのは、法令を守って運営されているかを確認・管理するための責任者「法令遵守責任者」の選任です。特別な資格は不要で、法人代表、役員、管理者等が選ばれています。現場を把握でき、指示・指導できる人が適しているとされています。

対象となる法人整備する内容(届出内容)
全ての法人法令遵守責任者の氏名・生年月日、法人の名称、主たる事務所の所在地、代表者の氏名・生年月日・住所・職名
事業所等の数が20以上上記に加えて、法令遵守を確保するための注意事項等を記載した「法令遵守規程」の概要
事業所等の数が100以上上記に加えて、「業務執行状況の監査方法」の概要

間違えやすいのが事業所等の数の数え方です。事業所番号が同じでも、サービスが異なれば別々にカウントします。ひとつの事業所で居宅介護・重度訪問介護・同行援護の指定があり事業所番号が同じ場合、事業所合計数は3か所になります。

届出先の考え方

  • 事業所が神奈川県と他都道府県にある/厚生労働省へ届出
  • 事業所が県内のみで、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市のうち1市のみにある/その市へ届出
  • 事業所が県内のみで、複数の市町村にまたがる、または上記4市以外にある/神奈川県へ届出

計画相談支援・障害児相談支援については別の考え方になります。ひとつの市町村のみで行っている場合はその市町村へ、複数の市町村で行っている場合や地域移行支援・地域定着支援を行っている場合は県へ届け出ます。ひとつの法人でも、区分ごとに届出様式を作成する必要がある点にも注意が必要です。

出し忘れが多いのは、管理者等の交代に伴う法令遵守責任者の変更、事業所の新規開設による事業所数の変更、事業所の新規・廃止に伴う届出先の変更です。変更後は遅滞なく提出します。

あわせて読みたい業務管理体制整備の届出とは|届出事項・事業所等の数え方・届出先と休止廃止・連座制

一般検査

一般検査は、適切な業務管理体制を整備しているかを確認するもので、毎年、法人が行うサービスの区分ごとに実施されています。

  • 令和8年度の対象/指定障害児通所支援事業者、指定障害児入所施設等の設置者
  • 令和7年度/指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設の設置者(終了)
  • 令和9年度の対象/指定一般相談支援事業者及び特定相談支援事業者、指定障害児相談支援事業者

通知は「障害福祉情報サービスかながわ」(らくらく)に登録されているお知らせ配信用メールアドレス宛てに送信されます。らくらくは事業所ごとの通知になるため複数届くことがありますが、報告は1法人につき1つです。添付するエクセルは必ずエクセルブックのまま、ファイル名に法人名を付けて電子申請で提出します。

なお、指定事業所等において指定取消処分相当の事案が発生した場合には、法人に対して特別検査が実施されることがあります。厚生労働省は令和9年度を目途に、届出や一般検査の共通システムを整備中とされています。

12. 情報公表制度と経営情報の報告

障害福祉サービス等情報公表制度(WAM NET)は毎年度の更新が必要です。毎年5月上旬に申請手続きの一斉メールが送られ、7月末までに申請します。

  • カテゴリ7項目/法人等、事業所等、従業者、サービス内容、利用料、事業所運営、システムからの連絡先
  • 経営情報の報告/事業活動計算書(損益計算書)、資金収支計算書(キャッシュフロー計算書)、貸借対照表(バランスシート)。会計年度終了後3か月以内
  • 福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅰ・Ⅱを算定する場合/職場環境等の改善に係る取組について、ホームページの掲載により公表すること
  • 地域連携推進会議の実施状況

管理者や事業所住所の変更など、運営内容に変更が生じた場合は年度内であっても再度申請が必要です。未報告のままにすると情報公表未報告減算・経営情報未報告減算の対象になり得ます。

よくある問合せとして、ログインIDを忘れた場合は情報公表担当へ問い合わせ、パスワードは事業者側で再設定します。承認申請ボタンを押した後に修正したい場合は差戻しの作業が必要なため、情報公表担当へ連絡します。

13. 災害時情報共有システム

障害者支援施設等災害時情報共有システムは国が整備したシステムで、令和3年度から運用されています。災害発生時には、行政から施設や事業所あてに被災状況の報告依頼メールが送信されます。報告指示があった際は、被災の有無にかかわらず報告が必要です。

平時からの取組

  • 連絡用メールアドレスの管理/施設情報はWAM NETから連携されるため、WAM NETに「システムからの連絡用メールアドレス」が未登録(変更後に変更登録をしていない場合を含む)だと、被災状況報告指示メールを受信できません
  • 災害時緊急連絡先の登録/事業所単位でシステム上に別途登録。各事業所2件まで登録可能。スマートフォンのメールアドレスを登録しておくと、ライフラインが停止した場合でも施設外から報告できる
  • 施設情報の更新/事業所側で修正できるのは、災害時緊急連絡先(携帯電話番号、メールアドレス)と非常用自家発電の有無のみ。他の項目は県へ連絡

入力の際は、災害による直接的な被害(人的被害、建物被害等)がない場合は必ず「被害なし」を選択します。複数の事業所を併設している場合は、すべてのサービスにおいて被災状況を入力します。システムに入力できない場合は、事業所が所在する市町村に電話等で報告します。

令和8年2月27日付で機能が追加され、平時における物資の備蓄状況の入力ができるようになりました。未対応の事業所は、備蓄している物資の状況を入力して施設情報を更新します。

14. 地域連携推進会議と地域移行等意向確認担当者

最後に、減算に直結する新しい取組を確認します。県が挙げた施設入所支援に係る主な減算事項は次のとおりです。

  • 定員超過減算
  • 人員欠如減算(生活支援員、栄養士、夜勤職員)
  • 個別支援計画未作成減算
  • 身体拘束廃止未実施減算
  • 虐待防止措置未実施減算
  • 業務継続計画未策定減算
  • 情報公表未報告減算(情報公表対象サービス等に係る情報/経営情報)
  • 地域移行等意向確認体制未整備減算【新設】

地域連携推進会議(条例第28条の2)

  • 年1回以上開催
  • 構成員/利用者、家族、地域住民の代表、市町村担当、知見のある者
  • 内容/運営状況報告、要望・助言。施設見学もあわせて実施
  • 記録と公表が必要(情報公表制度でも実施状況を報告)

地域移行等意向確認担当者の選任(条例第28条の3)

利用者の地域生活への移行に関する意向を把握するため、指針の整備担当者の選任の2つが必要です。

  • 指針に定める内容/意向確認等の時期、意向確認担当者の選任方法、意向確認等の実施方法及び実施体制、体験的な利用に係る支援・地域生活への移行に向けた支援の内容、地域の連携機関
  • 担当者の業務/アセスメント時の把握、サービス管理責任者への報告、支援計画作成会議時の報告

個別支援計画の一連の流れと連動している点に注意してください。アセスメントで地域移行等の意向を把握し、会議でその結果を報告する、という形で計画作成のプロセスに組み込まれています。

あわせて確認したい、忘れやすい手続き

  • 衛生管理者など/事業場を所管する労働基準監督署へ
  • 防火管理者/建物を所管する消防署へ
  • 医薬品安全管理責任者/事業所を所管する保健所へ

これらは県への届出ではないため、障害福祉の書類だけを見ていると抜けます。特に衛生管理者は、常時使用する労働者数が一定規模に達した時点で選任義務が生じるため、事業の拡大に合わせた確認が必要です。

よくある質問

Q
運営指導は何年に1回来ますか。
A

就労継続支援A型・B型、共同生活援助、児童発達支援、放課後等デイサービスは3年に1回以上、それ以外のサービスは指定の有効期間内に1回以上とされています。指定後間もない事業者は指定後3年以内、就労継続支援A型のみ指定後半年後が目安です。加えて、通報等により不適切な運営や報酬請求が疑われる場合は優先的に実施されます。

Q
運営指導の当日は誰が出席すればよいですか。
A

人員、運営、サービス内容、報酬請求について説明できる管理者とサービス管理責任者が出席することとされています。必要に応じて他の従業者にも聴取が行われるため、管理者だけが答えられればよいという想定ではありません。

Q
運営規程を変更したら、いつまでに届出が必要ですか。
A

変更後10日以内の届出が必要です。届出漏れはよくある指導事項として挙げられています。あわせて、重要事項説明書と契約書の記載が運営規程と一致しているかも確認してください。

Q
BCPは災害と感染症で1本にまとめてもよいですか。
A

県の資料では「非常災害時、感染症時のそれぞれのBCP未策定」が指導事項として挙げられており、それぞれ必要と整理されています。また、非常災害対策計画は単なるマニュアルでは不可とされ、BCPとは別に具体的計画の作成が必要です。各計画の違いを理解したうえで、研修と訓練を効率的に組み立ててください。

Q
個別支援計画に作成日や作成者を書いていませんでした。問題になりますか。
A

作成日、作成者、説明日及び説明者が記載されていないことは、よくある指導事項として挙げられています。記載がないと、サービス管理責任者等が一連の計画作成に関わったことが確認できないと判断されます。様式にこの4項目の欄を設けて、必ず埋める運用にしてください。

Q
虐待防止委員会と身体拘束適正化検討委員会は別々に開く必要がありますか。
A

一体的に設置・運営することが可能とされています。虐待防止委員会は法人単位での開催も可能で、テレビ電話装置等を活用しての実施も認められています。ただし、開催した結果を従業者に周知徹底することと、記録を残すことは必要です。

Q
身体拘束廃止未実施減算は、いくつの事由に該当しても減算率は同じですか。
A

複数の減算事由に該当する場合であっても、減算率は施設・居住系で10%、訪問・通所系で1%です。事実が生じた日の翌月から改善が認められた月までの間について減算され、あわせて県への改善計画の提出と3か月後の改善状況の報告が必要です。

Q
事故報告書はどこから入手して、どこへ出しますか。
A

様式は「障害福祉情報サービスかながわ」からダウンロードします。障害者用と障害児用で様式が異なるため、必ず該当する様式を使用してください。提出先は神奈川県福祉子どもみらい局福祉部 障害サービス課監査グループで、個人情報が多く含まれるため郵送で提出し、ファックス送信はしないこととされています。

まとめ

令和8年度第1回の指導講習会で示された内容を、日々の運営に落とすと次のようになります。

  • 運営指導の通知はおおむね1〜2か月前。自己点検シートは、通知が来る前に一度通しで確認しておく
  • 運営規程・重要事項説明書・契約書は3点セットで見直す。変更したら10日以内に届出
  • BCP(災害・感染症)、非常災害対策計画、感染症予防指針は別の文書。年間の研修・訓練計画に落とし込み、実施記録を残す
  • 個別支援計画は、作成日・作成者・説明日・説明者を必ず記載。会議は利用者同席、同意は文書、交付は相談支援事業所にも
  • 虐待防止委員会と身体拘束適正化検討委員会は一体的な運営が可能。年1回以上の開催・指針・研修・担当者の4点を揃える
  • 事故報告は利用者を中心に。骨折名と完治までの期間、他の利用者を含めた再発防止策まで書く
  • 業務管理体制の届出は、管理者交代や事業所の増減があったら変更届。令和8年度の一般検査は障害児通所支援・障害児入所施設が対象

運営指導で問われるのは、支援の質そのものというより「適切に運営していることが記録から確認できるか」です。日々の支援が丁寧でも、記録と書類が揃っていなければ確認のしようがありません。逆に言えば、書類の型を先に整えてしまえば、運営指導の準備はほとんど終わります。

当法人では、神奈川県内の事業所について、運営指導の事前準備(自己点検シートの確認、規程・記録の点検)から、指摘を受けた後の改善報告書の作成、過誤申立て・返還のスケジュール整理まで対応しています。指定申請から開業後の運営・労務まで、行政書士と社会保険労務士が連携して継続的に支援します。

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障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、指定申請から日々の運営、労務管理までをひとつの窓口でご相談いただけます。

静岡・神奈川・愛知を中心に、オンラインで全国に対応しています。「通知が届いたが何から手を付ければよいか」「指摘されやすい記録を先に直したい」「当日に立ち会ってほしい」といったご相談を承っています。運営顧問では、通知が来る前の段階から書類の整備を一緒に進めます。

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※この記事は、令和8年度第1回 神奈川県指定障害福祉サービス事業者等指導講習会の資料にもとづいて整理したものです。制度や取扱いは変更されることがあるため、実際の手続きにあたっては神奈川県障害サービス課の最新の案内をご確認ください。

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

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