障害福祉サービスの支給決定までの流れ|申請・障害支援区分・受給者証と事業所の実務

障害福祉サービスの支給決定までの流れ

障害福祉サービスは、事業所と利用者が契約すれば使えるものではなく、市町村の支給決定を経てはじめて給付費の対象になります。手続は、市町村の障害福祉担当課への相談・申請から始まり、障害支援区分の認定、サービス等利用計画案の提出を経て支給決定に至ります。事業所としては、この流れを理解して利用者の相談に応じる必要があります。

  • 支給決定を経なければ給付費の対象にならない
  • 窓口は市町村の障害福祉担当課
  • 介護給付ではサービス等利用計画案の提出が必要

この記事で分かること

障害福祉サービスは、事業所と利用者が契約すれば使えるものではなく、市町村の支給決定を経てはじめて給付費の対象になります。この記事では、相談・申請から障害支援区分の認定、サービス等利用計画案の提出、支給決定と受給者証の交付、利用開始とモニタリングまでの流れを、介護給付・訓練等給付・障害児の通所給付決定に分けて整理します。あわせて、事業所が受給者証のどこを確認し、契約の後に何を市町村へ提出するのかを解説します。

はじめに

見学に来た方から「来週から通いたい」と言われたとき、いつから受け入れられるかをその場で答えられるでしょうか。障害福祉サービスは、利用者と事業所が契約しただけでは始まりません。市町村の支給決定があって、はじめて給付費の対象になります。

支給決定までには、相談、申請、障害支援区分の認定、サービス等利用計画案の提出といった段階があります。介護給付では市町村審査会の審査を挟むため、申請から支給決定まで1か月以上かかることも珍しくありません。この流れを把握していないと、利用開始日の見通しを誤り、給付の対象にならない期間が生じます。

この記事では、障害者総合支援法および児童福祉法に基づく支給決定の流れを、事業所の実務の視点から整理します。

この記事のポイント

  • 障害福祉サービスの利用は、相談・申請 → 障害支援区分の認定 → サービス等利用計画案 → 支給決定 → 受給者証の交付 → 契約・利用開始 → モニタリング、という順で進みます。
  • 障害支援区分は非該当と区分1から区分6まであり、80項目の認定調査と医師意見書をもとに、一次判定(コンピュータ判定)と二次判定(市町村審査会)の二段階で認定されます。
  • 介護給付は区分の認定が必要ですが、訓練等給付は原則として不要です。障害児の通所支援には障害支援区分そのものがありません。
  • 事業所が最初に確認するのは受給者証です。支給決定の有効期間、サービスの種類と支給量、負担上限月額、上限額管理事業所の4点は契約前に必ず確認します。
  • 契約したら、受給者証の事業者記入欄への記載と、契約内容(支給決定)報告書の市町村への提出が必要です。
図解1支給決定までの流れ(介護給付の場合)
相談・申請市町村の障害福祉担当課へ申請
認定調査・医師意見書80項目の訪問調査と主治医の意見書
障害支援区分の認定一次判定(コンピュータ)と二次判定(市町村審査会)
サービス等利用計画案指定特定相談支援事業者またはセルフプラン
支給決定・受給者証の交付サービスの種類ごとに支給量を決定
※この後、サービス担当者会議を経てサービス等利用計画が確定し、事業所との契約・利用開始に進みます。利用開始後は一定期間ごとにモニタリングが行われます。訓練等給付は原則として障害支援区分の認定を経ずに支給決定へ進みます。

1. 支給決定までの全体像

介護給付の場合、支給決定までの手続は次の順に進みます。相談を受けた市町村が申請を受理し、認定調査と医師意見書をもとに障害支援区分を認定します。その後、勘案事項の調査と利用意向の聴取を経て、サービス等利用計画案が提出され、市町村が支給要否と支給量を決定します。

支給決定が下りると受給者証が交付され、相談支援専門員が開くサービス担当者会議を経てサービス等利用計画が作成されます。ここまで来て、ようやく事業所との契約と利用開始です。利用が始まった後も、一定の期間ごとにモニタリングが行われます。

同じ「利用までの流れ」でも、給付の種類によって手続の重さは大きく違います。

区分障害支援区分の認定計画案を作る人交付される証
介護給付(生活介護・短期入所・居宅介護など)必要指定特定相談支援事業者またはセルフプラン障害福祉サービス受給者証
訓練等給付(就労移行支援・就労継続支援・共同生活援助など)原則として不要指定特定相談支援事業者またはセルフプラン障害福祉サービス受給者証
障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービスなど)制度としてなし障害児相談支援事業者またはセルフプラン通所受給者証

2. 相談から申請まで

窓口は市町村の障害福祉担当課です。本人や家族が直接窓口へ行くこともあれば、相談支援事業所や医療機関、事業所の見学をきっかけに相談へつながることもあります。

申請では、申請書のほか、個人番号を確認する書類、世帯の課税状況を確認する書類などが求められます。障害者手帳は要件そのものではありません。手帳がなくても、難病等に該当する場合や、医師の診断書等により障害の状態が確認できる場合には対象になります。手帳の有無だけで見学者を断らないよう注意してください。

申請を受けた市町村は、認定調査員による訪問調査を行い、あわせて主治医に医師意見書を求めます。介護給付を希望する場合は、ここから障害支援区分の認定に進みます。

図解2障害支援区分の認定調査項目(合計80項目)
行動障害に関連する項目
34項目
身の回りの世話や日常生活等
16項目
移動や動作等
12項目
特別な医療に関連する項目
12項目
意思疎通等
6項目
※目盛りの最大値は34項目です。行動障害に関連する項目が全体の4割超を占めます。

3. 障害支援区分の認定

障害支援区分は、障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すものです。非該当と区分1から区分6まであり、数字が大きいほど支援の度合いが高いことを表します。

認定調査は80項目

認定調査の項目は合計80項目で、移動や動作等が12項目、身の回りの世話や日常生活等が16項目、意思疎通等が6項目、行動障害に関連する項目が34項目、特別な医療に関連する項目が12項目という内訳です。行動障害に関連する項目が全体の4割超を占める構成になっており、知的障害や精神障害の状態が区分に反映されやすい設計になっています。

一次判定と二次判定

一次判定は、認定調査の選択状況と医師意見書の一部の項目を用いたコンピュータ判定です。二次判定は市町村審査会が行い、認定調査の特記事項と医師意見書の内容から、一次判定の結果と比べてより多い(または少ない)支援を必要とするかどうかを判断します。一次判定は出発点であって、結論ではありません。

認定調査には、日頃の様子を最もよく知る人が同席できます。普段は自分でできることが調査の日にはできてしまう、あるいはその逆もあります。事業所として関わっている方であれば、日中の様子を具体的に伝えられるよう記録を整理しておくと役立ちます。

有効期間と区分変更

障害支援区分の認定には有効期間があり、原則3年以内の範囲で市町村が定めます。市町村審査会の意見により、これより短い期間が設定されることもあります。有効期間が切れる前に更新の手続が必要です。また、状態が変わって必要な支援の度合いが変化したときは、有効期間の途中でも区分変更の申請ができます。

図解3一次判定と二次判定の役割

一次判定(コンピュータ判定)

  • 認定調査の選択状況を使う
  • 医師意見書の一部の項目を使う
  • 基準省令の条件式のいずれに該当するかを判定
  • 機械的に区分の案を出す段階

二次判定(市町村審査会)

  • 認定調査の特記事項を使う
  • 医師意見書の内容を使う
  • 一次判定より多い(少ない)支援が必要かを判断
  • ここで区分が確定する
※一次判定は出発点であって結論ではありません。日頃の様子が特記事項に具体的に記載されているかどうかが、二次判定に影響します。

4. サービス等利用計画案と支給決定

区分が認定されると、市町村はサービス等利用計画案の提出を求めます。作成するのは指定特定相談支援事業者(計画相談支援)で、本人や家族が自ら作成するセルフプランも認められています。

市町村は、障害の種類および程度、介護を行う人の状況、居住の状況、サービスの利用に関する意向といった勘案事項と、提出された計画案を踏まえて支給の要否を決定し、サービスの種類ごとに支給量を定めます。必要に応じて市町村審査会の意見を聴くこともあります。

支給決定を受けた方には受給者証が交付されます。支給決定にも有効期間があり、月を単位として定められます。区分の有効期間とは別物なので、事業所としては両方の満了日を押さえておいてください。

支給決定の後、相談支援専門員がサービス担当者会議を開き、事業所を交えてサービス等利用計画を確定させます。ここで事業所が担う役割が決まり、契約と利用開始に進みます。利用開始後は、計画に定められた期間ごとにモニタリングが行われ、必要があれば支給量の変更申請につながります。

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図解4支給決定からサービス利用開始まで
支給決定勘案事項と計画案を踏まえ、サービスの種類ごとに支給量を決定
受給者証の交付有効期間・支給量・負担上限月額が記載される
サービス担当者会議相談支援専門員が招集し、事業所が参加
契約・利用開始その後は計画に定めた期間ごとにモニタリング
※支給決定の有効期間は月を単位として定められ、障害支援区分の有効期間とは別に満了します。

5. 受給者証の見方と利用者負担

事業所が最初に手に取る書類が受給者証です。契約前に少なくとも次の4点を確認します。

  • 支給決定の有効期間 この期間を外れた日のサービスは給付の対象になりません。
  • サービスの種類と支給量 自事業所が提供するサービスが決定されているか、支給量(日数・時間数)はいくらか。
  • 負担上限月額 利用者から徴収する上限額です。
  • 上限額管理事業所 複数の事業所を利用している場合、どこが上限額を管理するのかが記載されます。

利用者負担は、家計の負担能力その他の事情を踏まえた負担上限月額が設けられており、1か月に利用したサービス量にかかわらず、それ以上の負担は生じません。

区分対象となる世帯障害者障害児(通所)
生活保護生活保護受給世帯0円0円
低所得市町村民税非課税世帯0円0円
一般1市町村民税課税世帯(障害者は所得割16万円未満、障害児は所得割28万円未満)9,300円4,600円
一般2上記以外37,200円37,200円

20歳以上の入所施設利用者と共同生活援助の利用者は、市町村民税課税世帯であれば一般2になります。所得を判断する世帯の範囲は、18歳以上の障害者は本人と配偶者、障害児は保護者の属する住民基本台帳上の世帯です。障害児の入所施設については一般1が9,300円です。

このほか、世帯で合算した負担額が基準額を超える場合の高額障害福祉サービス等給付費、入所施設等の食費・光熱水費に係る補足給付、共同生活援助の家賃助成(月額1万円を上限)といった負担軽減の仕組みがあります。食費や光熱水費、日用品費などの実費は上限月額とは別に徴収する費用であり、重要事項説明書と契約書での説明が欠かせません。

図解5受給者証で必ず確認する欄

契約前に確認する4点

  • 支給決定の有効期間/期間外の日は給付の対象外
  • サービスの種類/自事業所のサービスが決定されているか
  • 支給量/日数・時間数の上限
  • 負担上限月額上限額管理事業所

見落としやすい点

  • 支給決定の有効期間と障害支援区分の有効期間は別々に満了する
  • 支給量を超えて提供した分は給付の対象にならない
  • 食費・光熱水費などの実費は上限月額とは別に徴収する費用
  • 契約後は事業者記入欄への記載と市町村への報告が必要
※受給者証の様式や記載欄の名称は市町村により異なります。

6. 訓練等給付|暫定支給決定と就労選択支援

就労移行支援、就労継続支援、自立訓練、共同生活援助などの訓練等給付は、原則として障害支援区分の認定を経ずに支給決定を受けられます。ただし、共同生活援助で介護を伴う場合など、訓練等給付でも区分の認定や認定調査が必要になるものがあります。自事業所のサービスがどちらなのかは、指定権者の手引きで確認してください。

暫定支給決定

自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型については、本支給決定の前に暫定支給決定が行われます。期間は2か月以内の範囲で、アセスメントに必要な期間を勘案して市町村が設定します。この間に事業所がアセスメントを行い、個別支援計画を作成して支援を実施し、評価結果をまとめます。その結果と本人の意向を踏まえて、サービスの継続が適切かどうかを判断し、本支給決定に移ります。

暫定支給決定期間中の評価をまとめないまま本支給決定に進むことはできません。受入れの段階で、誰がいつまでに評価を作成するかを決めておく必要があります。

就労選択支援

令和7年10月1日から就労選択支援が始まりました。就労継続支援B型については、新規に利用する方は原則として就労選択支援事業者によるアセスメントを受けることとされています。ただし、近隣に就労選択支援事業所がない場合や、利用可能な事業所が少なく待機期間が生じる場合には、就労移行支援事業所等による就労アセスメントを経たB型の利用が認められています。

就労継続支援A型と就労移行支援については、当面の間、利用にあたって就労選択支援を利用することは必須とされていません。ただし、本人の意向や能力に変化が見られる場合には客観的なアセスメントが効果的であるとして、定期的な情報提供が求められています。

図解6暫定支給決定の流れ(自立訓練・就労移行支援・就労継続支援A型)
暫定支給決定2か月以内の範囲で市町村が期間を設定
アセスメント・個別支援計画事業所が実施し、支援を行う
評価結果のまとめ継続が適切かを評価
本支給決定本人の意向と評価を踏まえて決定
※就労継続支援B型は暫定支給決定の対象ではありません。B型を新規に利用する場合は、原則として就労選択支援によるアセスメントを受けることとされています。

7. 障害児の通所給付決定

児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援は、児童福祉法に基づく通所給付決定です。障害支援区分という仕組みはなく、市町村が障害の種類および程度その他の心身の状態などの勘案事項を調査し、調査指標を用いて必要性を判断します。

計画案を作成するのは障害児相談支援事業者で、セルフプランも認められています。決定を受けると通所受給者証が交付され、支給量は日数で定められます。事務の取扱いは、こども家庭庁の「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について」(事務処理要領)に整理されています。

障害児通所支援でも、受給者証の確認、契約内容(支給決定)報告書の提出、上限額管理といった事業所側の実務は障害福祉サービスと同じ考え方です。

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図解7障害者(総合支援法)と障害児(児童福祉法)の手続の違い

障害福祉サービス(障害者)

  • 根拠法:障害者総合支援法
  • 介護給付は障害支援区分の認定が必要
  • 計画案:指定特定相談支援事業者/セルフプラン
  • 証:障害福祉サービス受給者証

障害児通所支援(障害児)

  • 根拠法:児童福祉法
  • 障害支援区分の仕組みはない(勘案事項の調査と調査指標)
  • 計画案:障害児相談支援事業者/セルフプラン
  • 証:通所受給者証(支給量は日数)
※受給者証の確認、契約内容(支給決定)報告書の提出、上限額管理といった事業所側の実務は、どちらも同じ考え方です。

8. 事業所側の実務|契約から請求・更新まで

契約時

受給者証を確認し、支給決定の内容と提供するサービスが一致していることを確かめます。契約が成立したら、受給者証の事業者記入欄に事業所名と契約支給量、契約日を記載し、契約内容(支給決定)報告書を市町村へ提出します。契約の内容を変更したときや契約を終了したときも同じ報告が必要です。

請求まわり

複数の事業所を利用する方については、上限額管理事業所が利用者負担上限額管理結果票を作成し、関係事業所へ送付します。各事業所はサービス提供実績記録票をもとに、翌月に国民健康保険団体連合会へ請求します。給付費は代理受領の形で事業所に支払われます。

有効期間の管理

支給決定の有効期間と障害支援区分の有効期間は別々に満了します。満了前に更新の手続がなされないと、翌月から給付の対象外になりかねません。利用者ごとに満了日を一覧にして、2か月前を目安に相談支援専門員へ確認する運用にしておくと安全です。

サービス等利用計画と個別支援計画は別物

相談支援専門員が作るサービス等利用計画と、事業所のサービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が作る個別支援計画は別の書類です。支給決定が下りていても、個別支援計画が作成されていなければ、事業所側は個別支援計画未作成減算の対象になります。混同しないでください。

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図解8契約したあとに事業所が行うこと
受給者証への記載事業者記入欄に事業所名・契約支給量・契約日
契約内容(支給決定)報告書市町村へ提出(変更時・終了時も)
実績記録票・上限額管理提供実績を記録し、必要に応じ管理結果票を作成
請求(翌月)国保連へ請求し、給付費は代理受領
※あわせて、支給決定と障害支援区分の有効期間、個別支援計画の見直し時期を利用者ごとに一覧管理しておくと漏れを防げます。

つまずきやすいポイント

□ 契約前に受給者証の写しを確認し、有効期間・サービスの種類・支給量・負担上限月額を記録した

□ 受給者証の事業者記入欄に記載し、契約内容(支給決定)報告書を市町村へ提出した

□ 支給決定の有効期間と障害支援区分の有効期間を、利用者ごとに一覧で管理している

□ 支給量を超えて提供していないか、月末に実績記録票で確認している

□ 上限額管理事業所になっている場合、管理結果票の作成と送付の期限を決めている

□ 暫定支給決定の対象サービスで、評価の作成担当者と期限を決めている

□ 就労継続支援B型の新規利用について、就労選択支援または就労アセスメントの取扱いを指定権者に確認した

□ 支給決定と個別支援計画を切り分け、計画の作成・見直しの期限を管理している

よくある質問

Q
申請してから支給決定が下りるまで、どのくらいかかりますか。
A

標準的な処理期間は市町村が定めており、一律ではありません。介護給付では認定調査、医師意見書の取得、市町村審査会の審査を経るため、1か月以上かかることが一般的です。訓練等給付は障害支援区分の認定を経ないため、比較的短くなります。見学の段階で利用開始日を約束せず、支給決定の見込みを市町村または相談支援専門員に確認してください。

Q
障害者手帳がなければ利用できませんか。
A

手帳の所持は要件そのものではありません。難病等に該当する場合や、医師の診断書等により障害の状態が確認できる場合には対象になります。判断は支給決定を行う市町村が行いますので、手帳がないことだけを理由に断らず、まず市町村の窓口へつないでください。

Q
障害支援区分の有効期間が近く切れます。何をすればよいですか。
A

有効期間は原則3年以内の範囲で市町村が定めます。満了前に更新の手続が必要で、認定調査が改めて行われます。事業所としては、利用者ごとに区分と支給決定それぞれの満了日を一覧管理し、2か月前を目安に相談支援専門員へ確認する運用にしておくと安全です。

Q
セルフプランでもサービスを利用できますか。
A

利用できます。サービス等利用計画案は指定特定相談支援事業者が作成するのが基本ですが、本人や家族が作成するセルフプランも認められています。ただし相談支援専門員によるモニタリングが行われないため、事業所側で状況の変化を把握し、必要に応じて市町村へつなぐ意識が必要です。

Q
支給量を超えてサービスを提供した場合、どうなりますか。
A

受給者証に記載された支給量を超えた分は、介護給付費・訓練等給付費の対象になりません。月の途中で支給量が不足しそうな場合は、提供する前に相談支援専門員を通じて変更申請を検討してください。事後の請求では対応できません。

Q
就労継続支援B型の新規利用の相談を受けました。何を確認すればよいですか。
A

令和7年10月1日から、B型を新規に利用する方は原則として就労選択支援事業者によるアセスメントを受けることとされています。近隣に就労選択支援事業所がない場合などは、就労移行支援事業所等による就労アセスメントを経た利用が認められる取扱いがあります。地域の整備状況によって運用が異なるため、支給決定を行う市町村に確認してください。

Q
サービス等利用計画があれば、個別支援計画は不要ですか。
A

別の書類です。サービス等利用計画は相談支援専門員が作成する全体の計画で、個別支援計画はサービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が作成する自事業所の支援計画です。個別支援計画が作成されていなければ、事業所は個別支援計画未作成減算の対象になります。

まとめ

  • 障害福祉サービスは、市町村の支給決定を経てはじめて給付費の対象になります。契約だけでは始まりません。
  • 介護給付は障害支援区分の認定が必要で、80項目の認定調査と医師意見書をもとに一次判定と二次判定の二段階で認定されます。
  • 訓練等給付は原則として区分の認定が不要ですが、自立訓練・就労移行支援・就労継続支援A型では暫定支給決定を挟みます。
  • 障害児通所支援は児童福祉法に基づく通所給付決定で、障害支援区分はありません。
  • 事業所の実務は、受給者証の確認、契約内容(支給決定)報告書の提出、上限額管理、有効期間の管理が柱になります。

支給決定の手続や必要書類、標準的な処理期間は市町村によって運用が異なります。新規の受入れで判断に迷ったときは、支給決定を行う市町村と、担当の相談支援専門員に早い段階で確認してください。

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障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、指定申請から運営中の届出、人員基準の管理、労務までをひとつの窓口でご相談いただけます。

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主な参考資料

  • 参考:厚生労働省「障害支援区分」(障害支援区分の概要、認定調査員マニュアル、障害支援区分に係る研修資料)/厚生労働省「障害者の利用者負担」「障害児の利用者負担」/厚生労働省「就労選択支援の実施について」(令和7年3月31日障障発0331第2号)/こども家庭庁「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について」

※本記事は令和8年8月時点の法令・告示・通知等に基づく一般的な整理です。指定権者の条例・手引き・個別の運用により取扱いが異なる場合があります。実際の手続は支給決定を行う市町村にご確認ください。

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。