静岡市の運営指導|事前提出資料・自己点検票と当日確認資料の準備

静岡市の運営指導|事前提出資料・自己点検票と当日確認資料の準備

令和8年度の静岡市の運営指導は、事前提出資料、自己点検票、当日の書類確認という三段階で構成されています。事前提出資料は電子申請フォームから9種類を提出し、自己点検票は「指定基準関係」「報酬請求関係」「処遇改善」の3シートに分かれています。就労継続支援B型と共同生活援助では、点検される項目がそれぞれ異なります。

  • 事前提出資料は9種類で、提出期限が定められている
  • 自己点検票は3つのシートで構成される
  • 共同生活援助は設備の数値要件が多い

はじめに

静岡市が指定権者となる障害福祉サービス事業者等には、令和8年度も運営指導が実施されます。実施の連絡を受け取ってから最初に届くのは、事前提出資料一覧、自己点検票、当日確認対象資料一覧という一式の様式です。量が多く、どこから手を付けるべきか迷いやすいところですが、様式そのものが「何を確認するか」を明示しているため、読み解けば準備の順序は自然に決まります。

この記事では、就労継続支援B型と共同生活援助(グループホーム)を運営する事業所を想定して、令和8年度の静岡市の運営指導で求められる資料と点検項目を整理します。多機能型やほかのサービスを実施している場合も、共通する部分は同じ考え方で準備できます。

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1. 静岡市の運営指導は三段階で構成されている

令和8年度の静岡市の運営指導は、当日に事業所を訪問して書類を確認するだけの手続ではありません。あらかじめ電子申請で提出する事前提出資料、基準日時点の状況を事業所自身が確認する自己点検票、そして当日にその場で提示を求められる当日確認資料という三つの段階で構成されています。

提出期限、対象期間、自己点検票の基準日は、年度ごとに市から届く通知で指定されます。事業所ごとに異なることもあるため、この記事では具体的な日付は書かず、通知で示される日を「基準日」「指定された対象期間」と表記します。実際の日付は、届いた通知で必ず確認してください。

この三段階は役割が異なります。事前提出資料は、市が事前に事業所の全体像を把握するためのもの。自己点検票は、事業所が基準への適否を自ら判断して申告するもの。当日確認資料は、その申告と実際の記録が一致しているかを突き合わせるためのものです。準備の順序を誤ると、自己点検票では「適」と回答したのに当日に記録が出てこない、という食い違いが生まれます。

対象期間も段階ごとに異なります。事前調査票は指定された対象期間、自己点検票は基準日時点、出勤簿は指定された月分、利用者の数等算出表は前年度。当日確認資料のうち期間の指定がないものは、指定された対象期間の分を準備します。同じ「直近」でも指す時期が違うため、資料を集める前に対象期間を一覧にしておくと迷いません。

図解1運営指導の準備は三段階に分かれる
① 事前提出資料電子申請で提出。期限は通知で指定されます
→
② 自己点検票基準日時点の適否を事業所が自ら記入
→
③ 当日確認資料当日に提示。期間の指定がなければ指定された対象期間
※三段階は役割が異なります。事前提出は市が全体像を把握するため、自己点検は事業所が基準への適否を申告するため、当日確認は申告と実際の記録が一致しているかを突き合わせるためのものです。

2. 事前提出資料と自己点検票

事前提出資料は9種類(提出期限と対象期間)

事前提出資料は電子申請フォームからの提出で、令和8年度は通知で指定された期限が期限とされています。提出物は次の9種類です。

1 事前調査票/対象期間は指定された対象期間。ただし「前回指導事項」シートは、この対象期間にかかわらず記載します。指定された月分の職員勤務実績表を含みます。

2 自己点検票/基準日時点。複数のサービスが指導対象となる場合はサービスごとに提出しますが、「処遇改善加算関係」シートだけは、いずれか1サービスの入力で足ります。

3 職員の出勤簿(タイムカード)/指定された月分。同一事業所内で複数のサービスに従事する職員については、サービスごとの勤務時間が確認できるものにします。ただし、児童発達支援と放課後等デイサービスを実施する多機能型事業所、共同生活援助と短期入所を一体的に運営する事業所、複数の相談支援サービスを一体的に運営する事業所は、この限りではありません。

4 利用者の数等算出表/前年度分。新規指定から基準日までの実績期間が1年未満の場合は、同日から遡って直近6か月間で作成します。障害児通所支援と相談支援は対象外で、複数のサービスが指導対象となる場合はサービスごとに提出します。

5 利用契約書(ひな形)/6 重要事項説明書(ひな形)/7 運営規程/いずれも基準日時点のもの。同時点のデータ等が保存されていない場合は、提出時点で最新のものを提出します。サービスごとの提出が原則ですが、共通のひな形を使用している場合は1部で足ります。

8 事業所案内・パンフレット等/作成している場合に提出します。9 事業所に関する広告の掲載内容が確認できる画面資料/事業所または運営法人のホームページ内で事業所の広告をしている場合に、PDFやスクリーンショット等で提出します。

9番目は見落とされやすい項目です。自己点検票にも「広告をしている場合、その内容が虚偽又は誇大なものとなっていないか」という確認項目があり、ホームページの記載内容そのものが確認対象になります。断定的な表現や、実態と異なる人員体制の記載が残っていないか、この機会に見直しておきたいところです。

自己点検票は3つのシートでできている

自己点検票は、表紙のほかに「指定基準関係」「報酬請求関係」「処遇改善加算関係」の3シートで構成され、いずれも基準日時点の適否を入力します。表紙には法人名・事業所名・事業所番号のほか、点検者の職種と氏名、点検年月日を記入します。誰がいつ点検したかを残す様式になっている、ということです。

「指定基準関係」は、さらに2つのまとまりに分かれています。ひとつは個別サービスの質に関する事項で、設備、内容及び手続の説明及び同意、サービスの提供の記録、身体拘束等の禁止、個別支援計画の作成等といった、利用者一人ひとりへの支援に直結する項目です。もうひとつは個別サービスの質を確保するための体制に関する事項で、従業者の員数、管理者、運営規程、勤務体制の確保等、非常災害対策、衛生管理等といった事業所全体の体制に関する項目です。

各項目には根拠となる指定基準の条番号と、「確認文書」の欄が付いています。たとえば従業者の員数であれば、勤務実績表、出勤簿(タイムカード)、従業員の資格証、勤務体制一覧表、利用者数が分かる書類——というように、その項目を確認するために想定されている書類が明示されています。自己点検の段階で確認文書欄をたどれば、当日に何を出せばよいかがそのまま分かる構造です。

就労継続支援B型の指定基準に関する点検項目

就労継続支援B型の点検項目は、個別サービスの質に関する事項と個別サービスの質を確保するための体制に関する事項の2部構成です。分野ごとに整理すると、次のとおりです。

設備(個別サービスの質に関する事項)
No.点検項目
1訓練・作業室、相談室、洗面所、便所、多目的室その他運営上必要な設備を設けているか
2訓練・作業室は、訓練または作業に支障がない広さを有し、必要な機械器具等を備えているか
3相談室に、室内における談話の漏えいを防ぐための間仕切り等を設けているか
4洗面所および便所は、利用者の特性に応じたものとなっているか
5設備は原則として当該事業所の専用となっているか
※表は横にスクロールできます
就労継続支援B型計画の作成等
No.点検項目
1管理者がサービス管理責任者に計画の作成業務を担当させているか
2アセスメントを利用者への面接により行い、趣旨を説明して理解を得ているか
3意思決定に困難を抱える利用者について、意思および選好並びに判断能力等を把握しているか
4計画作成会議を開催し、原案について意見を求めているか
5原案を利用者または家族に説明し、文書により同意を得ているか
6計画を利用者および指定特定相談支援事業者等に交付しているか
7作成後にモニタリングを行い、少なくとも6か月に1回以上見直しているか
8計画変更時に、作成時と同様の手続を行っているか
※表は横にスクロールできます
項目数が多く、実務でもっとも手を抜けない部分です。作成から交付、モニタリング、変更までが一連で確認されます。
体制に関する事項(従業者の員数)
No.点検項目
1職業指導員および生活支援員の総数が、利用者数(前年度平均)に応じた基準を常勤換算方法により満たしているか
2職業指導員と生活支援員をそれぞれ1人以上配置しているか
3そのうち1人以上を常勤で配置しているか
4サービス管理責任者が利用者数に応じて配置され、常勤要件を満たしているか
5従業者の専従性および兼務の状況が基準に適合しているか
※表は横にスクロールできます
そのほかに点検される事項
No.点検項目
1緊急時等の対応
2受給資格の確認
3業務継続計画の策定等(策定・周知・研修および訓練・定期的な見直し)
4秘密保持等
5情報の提供等
6苦情解決
7事故発生時の対応
8虐待の防止
9勤務体制の確保等(ハラスメント防止のための方針の明確化等を含む)
10定員の遵守
11非常災害対策
12運営規程
13衛生管理等
14利用者負担額等の受領
※表は横にスクロールできます

共同生活援助の指定基準に関する点検項目

共同生活援助(グループホーム)は、設備の数値要件が多いのが特徴です。入退去に関する項目があるのも、このサービスに固有の点です。

設備
No.点検項目
1共同生活住居が住宅地等にあり、入所施設または病院の敷地外に設けられているか
2共同生活住居(サテライト型住居を除く)を1以上設けているか
3共同生活住居およびサテライト型住居の入居定員の合計が4人以上か
41以上のユニットを有し、日常生活に必要な設備を設けているか
5ユニットに居室および交流できる設備があるか
6居室は1人(必要時2人以下)で7.43㎡以上か
7共同生活住居の入居定員は2人以上10人以下か(既存建物を活用する場合は住居の定員20人以下、特例30人以下)
8ユニットの入居定員も2人以上10人以下か
※表は横にスクロールできます
入退去
No.点検項目
1共同生活住居への入居を必要とする利用者(入院治療を要する者を除く)に対して提供しているか
2入居に際して、心身の状況・生活歴・病歴等の把握に努めているか
3退居の際に、利用者の希望を踏まえて退居後の生活環境や援助の継続性に配慮しているか
4退居に必要な援助、または居宅における自立した日常生活への移行後の定着に必要な援助を行っているか
5退居に際して、保健医療サービスまたは福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めているか
※表は横にスクロールできます
従業者の員数
No.点検項目
1世話人を、利用者数(前年度平均)に応じて6:1で配置しているか
2生活支援員を、障害支援区分に応じた基準(区分3は9:1、区分4は6:1、区分5は4:1、区分6は2.5:1)で配置しているか
3サービス管理責任者が、利用者数に応じた基準(利用者30人までの区分)で配置されているか
※表は横にスクロールできます
管理者
No.点検項目
1事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を配置しているか
2適切な指定共同生活援助を提供するために必要な知識および経験を有する者となっているか
※表は横にスクロールできます
確認文書として履歴書や研修修了証などが挙げられています。
利用者負担額等の受領
No.点検項目
1食材料費、家賃、光熱水費、日用品費その他日常生活において通常必要となるものに係る費用に限って徴収しているか
2家賃について、特定障害者特別給付費相当額を控除した額の範囲内となっているか
※表は横にスクロールできます
勤務体制の確保等
No.点検項目
1従業者の業務の全部または一部を委託している場合に、委託先の業務の実施状況を定期的に確認し、その結果等を記録しているか
※表は横にスクロールできます
委託して終わりではなく、確認した記録まで求められる点に注意が必要です。

処遇改善加算は「職員への周知」が点検される

自己点検票の「処遇改善加算関係」シートは、加算率や賃金改善額の計算ではなく、職員への周知に絞った4項目の点検票です。基準日時点の状況について「適」「否」を選び、「否」の場合は理由等を備考欄に記載します。

処遇改善加算関係シートの4項目
No.点検項目判断基準
1処遇改善計画書の内容を全職員に周知しているか加算区分、賃金改善の対象、配分方法、支給時期・方法等について、処遇改善計画書を用いるなどして全職員に周知していること
2賃金改善方法を具体的に周知しているかどの賃金項目を、誰に、どのような考え方で改善するかを、職員が理解できる内容で周知していること
3就業規則等を職員に周知しているかキャリアパス要件Ⅰ・Ⅲや賃金改善に関係する就業規則・賃金規程等を、常時確認できる状態にしていること
4職員からの照会に分かりやすく回答する体制があるか照会があった場合に、その職員の賃金改善内容について書面等を用いて回答できること
※表は横にスクロールできます

いずれも、計画書を作って届け出るだけでは満たせない項目です。根拠として示されているのは、福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示についての通知(令和8年3月31日付け)と、福祉・介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版、令和8年4月9日付け事務連絡)です。当日確認資料でも「処遇改善加算計画書の内容、賃金改善の方法、就業規則等について、従業員に周知していることがわかる資料」が挙げられており、周知した事実を残しているかが確認の対象になります。

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3. 当日確認資料

当日確認資料に共通する分野

当日確認対象資料一覧はサービスごとにシートが分かれていますが、分野の構成は共通しています。就労継続支援B型で51項目、共同生活援助で52項目が挙げられており、内訳はおおむね次のとおりです。

当日確認資料に共通する分野と主な資料
確認分野主な確認資料
利用者に関する各種資料・記録等個別支援計画、アセスメント記録、モニタリング記録、個別支援会議録、利用契約書、重要事項説明書、サービス提供記録、受給者証またはその写し、サービス提供実績記録表(提供記録について利用者に確認を受けたことが分かるもの)、給付費等明細書
勤務体制の確保等雇用形態が分かる書類(雇用契約書、労働条件通知書等)、従業者の資質の向上のための研修計画、研修実施記録、ハラスメント防止方針および相談窓口の設置が確認できる資料
苦情解決苦情受付簿、利用者またはその家族からの苦情を解決するために講ずる措置の概要、苦情対応記録
身体拘束等の禁止身体拘束等に関する記録(事例がある場合)、適正化のための指針、委員会議事録、研修の実施記録
事故発生時の対応事故対応マニュアル、事故対応記録(事例がある場合)、再発防止の検討記録、損害賠償関係書類(賠償すべき事故がある場合)
虐待の防止委員会議事録、研修の実施記録、担当者を配置していることが分かる書類
衛生管理等感染症および食中毒の予防およびまん延の防止のための指針、委員会議事録、研修・訓練の実施記録
利用者負担額等の受領請求書、領収書、受領費用の内訳が分かる書類等、実費負担についてあらかじめ内容および費用を説明し同意を得たことが分かる資料(実費負担を求めている場合)
業務継続計画(BCP)計画本体と、従業員への周知・研修・訓練の実施が分かる記録
非常災害対策消防計画またはそれに準ずる計画、通報・連絡体制の整備が確認できる資料、消防用設備点検の記録、避難訓練の記録
秘密保持等従業者および管理者の秘密保持誓約書、その他必要な措置を講じたことが分かる書類(就業規則等)、個人情報同意書
※表は横にスクロールできます

個別支援計画は原則として利用者1名分ですが、必要に応じて2名分以上確認される場合があり、対象となる利用者は当日に現地で知らされます。誰が選ばれても出せる状態にしておく必要がある、ということです。

そのほか「その他」の分野に、利用定員超過に関する記録(実績がある場合)、緊急時等の対応記録(サービス提供中に利用者の病状の急変等が生じ、医療機関へ連絡を行う等の緊急対応を行った事例がある場合)が並び、最後に報酬請求(処遇改善加算を含む)が置かれます。委員会・指針・研修という三点セットが、身体拘束等の禁止、虐待の防止、衛生管理等でそれぞれ求められている点は、当日までに必ず確認しておきたいところです。

就労継続支援B型で追加される当日確認資料

共通の分野に加えて、就労継続支援B型では次の資料が挙げられています。

ひとつは施設外支援、施設外就労、在宅支援に関する記録(実施している場合)です。利用者に関する記録の分野に位置づけられており、報酬請求の分野でも「基本報酬や各種加算等の算定要件を満たしていることがわかる資料」の例として、施設外就労や在宅支援の実施記録等が挙げられています。実施しているのであれば、利用者ごとの記録として説明できる形にしておく必要があります。

もうひとつは就労支援事業会計における要作成書類一式(前年度実績分)です。当日確認資料一覧には対象書類を示す別のシートが用意されており、就労支援事業会計の書類がひとまとまりで確認対象になっています。決算のときに作成したきりで事業所に置いていない、という状態にならないよう、当日に提示できる場所を決めておきます。

報酬請求については、指定された月の実績(同月に実績がない場合はそれ以前の直近の実績)を基本として確認しつつ、状況に応じて前年度以降のその他の期間の実績も確認される場合があるとされています。指定された月の分だけを整えておけばよいわけではない、という点は押さえておきたいところです。

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共同生活援助で追加される当日確認資料

共同生活援助では、「その他」の分野に、退去と外部委託に関する資料が置かれています。委託契約書と、利用者退去時に必要な支援をしたことがわかる記録です。退去した利用者がいる場合、また生活支援員の業務を外部委託している場合に必要となるもので、いずれも指定基準の入退去および勤務体制の確保等の点検項目と対応しています。

さらに地域連携推進会議に関する記録等が挙げられています。例として示されているのは、会議録、会議構成員による住居見学の記録、公表をしたことがわかる資料等です。会議を開いた記録だけでなく、見学と公表まで含めて確認される点に注意してください。

報酬請求の分野では、「基本報酬や各種加算等の算定要件を満たしていることがわかる資料」の例として、夜間支援等体制加算に関する支援記録が挙げられています。夜間支援等体制加算は要件が細かく、支援記録の書き方で結論が変わりやすい加算です。算定しているグループホームは、指定された月分の夜間の記録を先に読み返しておくことをおすすめします。

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当日の資料準備で押さえる6つの留意事項

当日確認資料一覧には、準備にあたっての留意事項が6つ示されています。

当日確認資料の準備にあたっての留意事項
留意事項内容
01 資料の準備サービスによって当日の確認対象となる資料が異なります。指導対象サービスに対応するシートを確認し、記載された資料を速やかに提示できるよう漏れなく準備します。
02 対象期間期間の指定がない資料は、指定された対象期間に係るものを準備します。
03 資料の提示方法必ずしも紙媒体で準備する必要はなく、電子媒体で管理している資料はパソコン等の画面上で提示することも可能とされています。
04 複数サービスを実施する事業所同一の事業所番号で複数のサービスを実施している事業所(多機能型事業所等)で複数サービスが指導対象となっている場合は、原則としてサービスごとに資料を準備します。ただし、サービス間で一体的に作成・管理している資料は1部で差し支えありません。
05 追加資料の提示確認状況に応じて、一覧に記載のない資料の追加提示を求められる場合があります。
06 確認範囲進捗状況や時間の都合により、準備した資料のすべてが確認されない場合もあります。
※表は横にスクロールできます

03について補足すると、画面で提示できるとはいえ、その場で開いて見せられる状態にしておくことが前提です。フォルダの構成と探し方を整理し、当日に操作する担当者を決めておきます。

06は「準備しなくてよい」という意味ではありません。どの資料が確認されるかは当日まで分からないため、一覧に挙がっているものはすべて提示できる状態にしておく、というのが前提になります。

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4. 業務管理体制の一般検査は「事業所等の数」で変わる

運営指導とあわせて、業務管理体制の一般検査が行われることがあります。静岡市の点検票は、法人内の全ての指定事業所等が静岡市内に所在し、業務管理体制の整備に関する届出先が静岡市となる事業者を対象としたものです。

まず確認したいのが、事業所等の数の数え方です。法人内の全サービスを単純に合計するのではなく、根拠条文(条区分)ごとに数えます。障害者総合支援法第51条の2(指定障害福祉サービス・指定障害者支援施設)、同法第51条の31(一般相談支援・特定相談支援)、児童福祉法第21条の5の26(障害児通所支援)、同法第24条の19の2(障害児入所施設)、同法第24条の38(障害児相談支援)の5区分です。点検票では「生活介護18事業所と放課後等デイサービス5事業所を運営している場合、法人全体では23事業所だが、第51条の2は18、第21条の5の26は5であるため、いずれも20未満」という例が示されています。

この区分によって、整備すべき範囲が変わります。法令遵守責任者の選任はすべての事業者に必要で、特定の資格は求められておらず、代表者自身を選任することもできます。法令遵守規程は、条区分ごとの事業所等の数が20以上の場合に必要です。内容は、日常業務における注意事項、報告経路、確認手順、標準的な業務プロセス等を、事業者の実態に即して定めれば差し支えなく、独立したチェックリスト形式である必要はないとされています。業務執行状況の監査は100以上の場合に定期的な実施が必要で、内部監査・外部監査のいずれでもよく、既存の法人監査に法令遵守の確認が含まれる場合はその監査を充てることができます。全事業所を毎年監査する必要もありません。

点検票の項目は、①法令遵守に対する方針・経営関与、②法令遵守責任者の役割及び業務内容、③事業所等との連携・情報共有、④規程の内容(20以上のみ)、⑤相談・苦情・内部通報及び違反対応、⑥研修・基準等の遵守状況、⑦業務執行状況の監査の実施状況及び内容(100以上のみ)、⑧評価・改善の8つです。②では届出内容と現在の選任状況が一致しているかが問われており、法令遵守責任者が交代したまま変更の届出をしていないケースは、ここで表に出ます。なお、この点検票では根拠資料等の提出・提示までは求められていません。

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図解2準備の進め方
① 自己点検票を通しで埋める確認文書欄から必要書類が洗い出される
→
② 事前提出資料を割り振る9項目を期限から逆算。対象期間の版を探す
→
③ 当日資料を分野ごとに束ねる委員会・指針・研修/記録/周知に分けて担当を決める
→
④ 三段階を突き合わせる提出内容・自己点検の回答・実際の記録の食い違いを消す
※電子データで提示する場合は、当日に画面を操作する担当者を決め、事前に一度開いてみておくと安心です。

5. 準備は自己点検票を先に埋める順序で進める

実務としておすすめしたい順序は、資料集めから始めるのではなく、自己点検票を先に一度通しで埋めてしまうことです。自己点検票には確認文書の欄があるため、埋める過程で「どの項目にどの書類が必要か」が自動的に洗い出されます。ここで「否」になった項目や、書類が見当たらない項目こそ、当日までに手を打つべき論点です。

次に、事前提出資料の9項目を期限から逆算して割り振ります。事前調査票は対象期間が1年4か月分と長く、職員勤務実績表も含むため、着手が遅れると期限に間に合いません。利用契約書・重要事項説明書・運営規程は「基準日時点」のものが必要なので、その後に改定している場合は当時の版を探す作業が発生します。

そのうえで、当日確認資料を分野ごとに束ねます。委員会・指針・研修が求められる分野(身体拘束等の禁止、虐待の防止、衛生管理等)、記録の継続性が問われる分野(個別支援計画とモニタリング、サービス提供記録)、周知した事実が問われる分野(業務継続計画、処遇改善加算、ハラスメント防止)に分けて担当を決めると、抜けが起きにくくなります。

最後に、事前提出資料の内容、自己点検票の回答、当日に提示する記録の三つが食い違っていないかを突き合わせます。運営指導で問題になりやすいのは、書類がないことよりも、申告と実際が一致していないことだからです。

よくある質問

Q
事前提出資料はどのように、いつまでに提出しますか。
A

電子申請フォームから提出します。提出期限は通知で指定されますとされています。提出物は事前調査票、自己点検票、職員の出勤簿、利用者の数等算出表、利用契約書・重要事項説明書・運営規程のひな形、事業所案内、ホームページの画面資料の9種類です。

Q
自己点検票はいつ時点の状況を書きますか。
A

基準日時点の適否を入力します。複数のサービスが指導対象となる場合はサービスごとに提出しますが、「処遇改善加算関係」シートについては、いずれか1サービスの入力のみで足ります。

Q
出勤簿はサービスごとに分ける必要がありますか。
A

同一事業所内で複数のサービスに従事する職員については、サービスごとの勤務時間が確認できるものとされています。ただし、児童発達支援と放課後等デイサービスを実施する多機能型事業所、共同生活援助と短期入所を一体的に運営する事業所、複数の相談支援サービスを一体的に運営する事業所は除かれます。

Q
当日の資料は紙で用意しなければなりませんか。
A

必ずしも紙媒体である必要はなく、電子媒体で管理している資料はパソコン等の画面上で提示することも可能とされています。その場で速やかに開けるよう、保存場所と探し方を整理しておくことが前提になります。

Q
個別支援計画は何名分を用意すればよいですか。
A

原則として利用者1名分ですが、必要に応じて2名分以上確認される場合があります。確認対象となる利用者は運営指導当日に現地で知らされるため、特定の利用者だけを整えておく準備はできません。アセスメント記録、モニタリング記録、個別支援会議録まで一式で出せる状態にしておきます。

Q
報酬請求はいつの実績が確認されますか。
A

指定された月の実績(同月に実績がない場合はそれ以前の直近の実績)を基本として確認されますが、状況に応じて前年度以降のその他の期間の実績についても確認される場合があるとされています。

Q
一覧に載っていない資料を求められることはありますか。
A

留意事項に「確認状況に応じて、各シートに記載のない資料の追加提示をお願いする場合がある」と明記されています。反対に、進捗状況や時間の都合により、準備した資料のすべてが確認されない場合もあるとされています。

Q
業務管理体制の「事業所等の数」はどう数えますか。
A

法人内の全サービスを単純に合計するのではなく、障害者総合支援法第51条の2、同法第51条の31、児童福祉法第21条の5の26、同法第24条の19の2、同法第24条の38という根拠条文ごとに数えます。20以上で法令遵守規程の整備、100以上で業務執行状況の監査が必要です。

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まとめ

令和8年度の静岡市の運営指導について、準備の要点を整理すると次のとおりです。

  • 準備は事前提出資料・自己点検票・当日確認資料の三段階。段階ごとに対象期間が違う
  • 事前提出は9種類で、期限は通知で指定された期限。事前調査票は対象期間が長く、着手が遅れやすい
  • 自己点検票の確認文書欄が、そのまま当日に出す書類の一覧になる
  • 身体拘束等の禁止・虐待の防止・衛生管理等は、委員会・指針・研修の三点セットで確認される
  • 就労継続支援B型は施設外就労等の記録と就労支援事業会計、共同生活援助は退去・委託・地域連携推進会議・夜間支援の記録が加わる
  • 処遇改善加算は、計画書の届出ではなく職員への周知が点検の対象になる
  • 業務管理体制は、条区分ごとの事業所等の数で整備すべき範囲が決まる

運営指導で問われるのは、支援の質そのものというより「適切に運営していることが記録から確認できるか」です。日々の支援が丁寧でも、記録と書類がそろっていなければ確認のしようがありません。逆に言えば、書類の型を先に整えてしまえば、運営指導の準備はほとんど終わります。

当法人では、静岡市内の事業所について、運営指導の事前準備(自己点検票の確認、規程・記録の点検、事前提出資料の作成補助)から、当日の立会い、指摘を受けた後の改善報告書の作成まで対応しています。指定申請から開業後の運営・労務まで、行政書士と社会保険労務士が連携して継続的に支援します。

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障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、指定申請から日々の運営、労務管理までをひとつの窓口でご相談いただけます。

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※この記事は、令和8年度静岡市指定障害福祉サービス事業者等運営指導の事前提出資料一覧、当日確認対象資料一覧、自己点検票および業務管理体制の一般検査点検票にもとづいて整理したものです。

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主な参考資料

執筆者 永野将太(行政書士・社会保険労務士)
執筆者WRITER
永野 将太
行政書士法人 障害福祉リーガルパートナーズ 代表

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。

これまで5,000件を超える相談に対応。法令・通知・行政実務を踏まえながら、制度上の正しさだけでなく、実際の事業所運営まで見据えた実務的な情報発信を行っています。