サービス管理責任者等実践研修の受講には、通常、基礎研修修了後2年以上の実務経験(OJT)が必要です。一定の要件を満たす場合には、これを6月以上に短縮できます。短縮には、個別支援計画作成の業務に従事することと、その旨を指定権者へ届け出ることが必要です。
- 原則2年以上のOJTを6月以上に短縮できる制度
- 短縮が認められる要件は3つ
- 個別支援計画作成の業務に従事する旨の届出が必要(実践研修の受講開始前まででよい)
はじめに
サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者(以下「サービス管理責任者等」といいます。)の実践研修を受講するには、通常、基礎研修修了後2年以上の実務経験(OJT)が必要です。ただし、要件を満たす場合には、例外的に6月以上の実務経験で受講できます。
この取扱いは、サービス管理責任者等に関する告示が令和5年6月30日に改正され、同日から適用されたことに伴うものです。例外的な取扱いを受ける場合には、指定権者への届出が必要です。この記事では、短縮の要件、OJTとして行う業務の内容と回数、人員配置上の取扱い、届出書類までを整理します。
1. OJT短縮と3つの要件
実務経験(OJT)短縮とは
サービス管理責任者等実践研修の受講には、通常、基礎研修修了後2年以上の実務経験が必要とされています。要件を満たす場合は、例外的に6月以上の実務経験で受講が可能です。
| 区分 | 必要な | 対象 |
|---|---|---|
| 原則 | 2年以上 | 基礎研修受講開始時に |
| 例外(短縮) | 6月以上 | 基礎研修受講開始時に |
なお、実践研修の受講要件である実務経験(OJT)は、「サービス管理責任者等基礎研修」及び「相談支援従事者初任者研修(講義部分)」の双方を修了し、修了証の交付を受けた時点から起算できます。
短縮が認められる3つの要件
実務経験(OJT)を6月以上とすることができるのは、次の要件のいずれも満たす者です。
- 基礎研修受講開始時に、既にサービス管理責任者等の配置に係る実務経験要件(相談支援業務又は直接支援業務3〜8年)を満たしていること
- 実践研修の受講要件である実務経験(OJT)として、障害福祉サービス事業所等において個別支援計画作成の業務に従事すること
- 上記の業務に従事することについて、指定権者に届出を行うこと
要件① 基礎研修受講開始時に実務経験要件を満たしていること
ここでいう「基礎研修受講開始時」とは、「サービス管理責任者等基礎研修」の受講開始時をいいます。「相談支援従事者初任者研修(講義部分)」の受講開始時と、実務経験要件を満たした時点との先後は問われません。
一方で、基礎研修を修了した後に実務経験要件を満たした場合は、短縮の対象になりません。この場合、実践研修の受講には、相談支援業務又は直接支援業務の2年間の実務経験(OJT)が必要です。
要件② 個別支援計画作成の業務に従事すること
サービス管理責任者等の配置を必要とする障害福祉サービス事業所等に、従業者として配置を届け出ている者について、次のいずれかに該当する場合が対象です。
- サービス管理責任者等のもとで基礎研修修了者が、個別支援計画の原案の作成までの一連の業務(利用者へ面接の上アセスメントを実施、個別支援計画の原案を作成、サービス管理責任者等が開催する個別支援計画の作成に係る会議への参画(モニタリングを含む))に従事する場合
- やむを得ない事由によりサービス管理責任者等を欠いている事業所等において、実務経験者がサービス管理責任者等とみなして個別支援計画の作成の一連の業務(利用者へ面接の上アセスメントを実施、原案を作成、会議を開催、原案の内容について利用者又はその家族に説明し、個別支援計画を交付(モニタリングを含む))に従事する場合
- 令和3年度末までに実務経験者が基礎研修修了者となっており(経過措置対象者)、サービス管理責任者等とみなして個別支援計画の作成の一連の業務に従事する場合
基礎研修修了後の実務経験は、OJTとして行う趣旨で設けられていることを踏まえ、必要に応じて他の事業所等に協力を求めるなどして、サービス管理責任者等による助言・指導を受けた上で行われることが望ましいとされています。
要件③ 指定権者へ届出を行うこと
「個別支援計画作成の業務」に従事する旨の届出は、実践研修の受講開始時までの間に、人員体制届出等において該当する者が個別支援計画(原案を含む)の作成の業務に従事する旨を明示する必要があります。
国のQ&Aでは、この届出は実践研修の受講開始時までの間であれば時期は問わないとされています。つまり、OJTを始める前に届け出ていなくても、実践研修の受講開始前に届け出れば足ります。OJTの途中で届け出ても、OJTを終えてから届け出ても構いません。
なお、届出に係る事務負担の軽減の観点から、人員体制届出の際に併せて行うことが考えられます。基礎研修修了者として配置され、原案の作成までの一連の業務を担う場合は、備考欄等にその旨を記載することを要するものとされています。届出内容の確認は、研修受講者が研修の実施主体に対し、当該届出の写し等を提出すること等により行うことが考えられます。
あわせて読みたいサービス管理責任者の資格要件|研修・実務経験の数え方と配置人数2. OJTの内容・回数・期間
OJTとして行う「個別支援計画の作成の業務」
OJTの対象となる「個別支援計画の作成の業務」とは、次の業務をいいます。
| 記号 | 業務内容 |
|---|---|
| Ⓐ | 利用者に |
| Ⓑ | アセスメント及び支援内容の |
| Ⓒ | 個別支援計画の |
| Ⓓ | 原案の |
| Ⓔ | 定期的に |
OJTの回数と期間の算定
この実務経験(OJT)は、サービス管理責任者等養成に係る一連の研修の一部をなすものとして設定されたものであり、その十分な実施を担保する観点から、少なくとも概ね計10回以上行うことが基本とされています。なお、個別支援計画の見直しは、原則として少なくとも6月に1回以上ですが、就労移行支援と自立訓練(機能訓練・生活訓練)は少なくとも3月に1回以上とされています。
また、実務経験(OJT)に係る期間(勤務日数)の算定にあたっては、厳密に「個別支援計画の作成の業務」を行った日のみを算入するわけではありません。サービス管理責任者等の配置を必要とする障害福祉サービス事業所等において従事した期間をもって算定して差し支えないとされています。
基礎研修修了者に原案の作成を担わせる場合の人員配置
サービス管理責任者等のもとで基礎研修修了者に個別支援計画の原案の作成までの業務を担わせる場合、当該基礎研修修了者の人員配置上の取扱いは、配置の区分によって異なります。
| 配置の区分 | 生活支援員等と | 常勤換算上の |
|---|---|---|
| 人員配置基準上必要な | 利用者に | 生活支援員等の |
| 人員配置基準上必要な | 生活支援員等と | 生活支援員等の |
なお、サービス管理責任者等を2人以上配置する必要がある事業所(利用者数が61人以上(共同生活援助及び自立生活援助は31人以上))についても、取扱いが示されています。サービス管理責任者等が1人配置されている場合、残りの人員は基礎研修修了者を配置することで基準を満たしているものとみなされます。
あわせて読みたい障害福祉サービスの人員基準とは?3. 届出の方法と提出書類
例外的な取扱いを受ける場合は、指定権者への届出が必要です。届出の時期は、1章の要件③で触れたとおり、実践研修の受講開始時までであれば問われません。
いずれも届出は間に合う
- OJTを始める前に届け出た
- OJTの途中で届け出た
- OJTを終えてから、実践研修の受講開始前に届け出た
一方で、提出方法は指定権者が定めており、変更から10日以内に郵送または持参により提出することとしている指定権者もあります。提出先の取扱いも事前に確認してください。
| 書類 | 内容・留意点 |
|---|---|
| サービス管理責任者等実践研修の | サービス管理責任者等以外の |
| 実務経験証明書 | 基礎研修受講開始日までに、 |
| 研修修了証の写し | サービス管理責任者等基礎研修、 |
実務経験(OJT)の確認は、実務経験証明書等により行うことが考えられており、「個別支援計画作成の業務」については、同業務に従事していることが当該実務経験証明書等に合わせて記載されているもので確認することが想定されています。
また、実務経験(OJT)について「個別支援計画作成の業務」に6月以上従事することで要件を満たす意向の者については、実務経験年数(3〜8年)を満たすに至った時期が基礎研修受講開始日以前かどうかについても、合わせて確認が必要です。
4. やむを得ない事由によるみなし配置との関係
本改正により、やむを得ない事由によりサービス管理責任者等としてみなして配置される者について、一定の要件を満たした場合、実践研修を修了するまでの間(最長でサービス管理責任者等の欠如時から起算して2年間)みなし配置が可能となりました。要件は次のいずれも満たすことです。
- 実務経験要件(相談支援業務または直接支援業務3〜8年)を満たしていること
- サービス管理責任者等が欠如した時点で既に基礎研修修了者となっていること(サービス管理責任者等基礎研修及び相談支援従事者初任者研修(講義部分)の双方を修了している必要があります)
- サービス管理責任者等が欠如する以前から引き続き当該事業所に配置されていること
「やむを得ない事由」とは、サービス管理責任者等が退職、病休など事業者の責に帰さない事由により欠如した場合であって、かつ、当該事業所にサービス管理責任者等を直ちに配置することが困難な場合をいいます。この判断は、指定権者である自治体が個別の状況を踏まえて適切に行うこととされています。
なお、サービス管理責任者等としてみなして配置した者が、そのみなし配置期間中に基礎研修修了者となった場合は、2年間とはならず、元々のみなし期間の起算点から1年間のみみなして配置が可能です。
改正告示の施行日において上記の要件をいずれも満たしている場合は、施行日以降、実践研修を修了するまでの間(サービス管理責任者等の欠如時から起算して2年間に限ります。)みなし配置が可能です。人員欠如減算の算定開始月・終了月については、届出時期等によって変動しうる点に注意が必要です。
5. 実務上の注意点
「実務経験者となった時期」を先に確認する
短縮の可否は、実務経験年数(3〜8年)を満たすに至った時期が基礎研修の受講開始日以前かどうかで決まります。候補者の経歴を確認する際は、基礎研修の受講開始日と、実務経験要件を満たした時点との前後関係を最初に確認してください。
OJTの実施内容と回数を記録に残す
OJTは少なくとも概ね計10回以上行うことが基本とされています。アセスメント、原案の作成、会議への参画、モニタリングなど、従事した業務の内容と実施日が分かる記録を残しておくと、実務経験証明書の作成や研修の実施主体への説明が円滑になります。
改正施行前の従事期間も算入できる場合がある
本改正の施行前の従事であっても、実務経験者となり、その後に基礎研修修了者となった後の期間であれば、実務経験(OJT)の期間に算入して差し支えないとされています。
よくある質問
できません。個別支援計画の作成の業務の6月の実務経験(OJT)については、基礎研修受講開始時に実務経験者である者が対象です。基礎研修受講開始時に実務経験者でない者は、実践研修の受講には相談支援業務又は直接支援業務の2年間の実務経験(OJT)が必要です。
「サービス管理責任者等基礎研修」の受講開始時において既に実務経験要件を満たしていればよく、「相談支援従事者初任者研修講義部分」の受講開始時と実務経験要件を満たした時点の先後は問いません。もっとも、実践研修の受講要件である実務経験(OJT)は、双方を修了し、修了証の交付を受けた時点から起算可能です。
少なくとも概ね計10回以上行うことが基本とされています。期間(勤務日数)の算定は、厳密に個別支援計画の作成の業務を行った日のみを算入するわけではありません。サービス管理責任者等の配置を必要とする障害福祉サービス事業所等において従事した期間をもって算定して差し支えないとされています。
人員配置基準上必要な数を満たすためにサービス管理責任者等として配置する場合は、サービス提供に支障がない場合に限り可能ですが、生活支援員等の職務に係る常勤換算上、当該勤務時間を算入できません。基準上必要な数を超えて配置する場合は、常勤換算上、当該勤務時間を算入して差し支えありません。
実践研修の受講開始前であれば間に合います。個別支援計画作成の業務に従事する旨の届出は、実践研修の受講開始時までの間であれば時期を問わない取扱いです。なお、OJTの期間は、基礎研修と相談支援従事者初任者研修(講義部分)の修了証の交付を受けた時点から起算できるとされています。
実務経験者となり、その後基礎研修修了者となった後の期間であれば、実務経験(OJT)の期間に算入して差し支えないとされています。
まとめ
サービス管理責任者等実践研修の受講に必要な実務経験(OJT)は原則2年以上です。ただし、基礎研修受講開始時にすでに実務経験要件(3〜8年)を満たしている者が、個別支援計画作成の業務に従事し、指定権者に届出を行った場合には、6月以上に短縮できます。
実務では、①候補者が実務経験者となった時期、②OJTとして行う業務の内容と回数、③人員体制届出等での明示、の3点を早い段階で押さえておくことが重要です。特に届出は、OJTの開始前でなくても構いませんが、実践研修の受講開始時までには済ませておく必要があります。研修の受講予定から逆算して準備してください。
なお、届出様式や提出期限、みなし配置に関する「やむを得ない事由」の判断は指定権者によって異なります。個別の取扱いは、必ず指定権者にご確認ください。
サービス管理責任者等の要件確認から、OJTの届出まで
障害福祉リーガルパートナーズは、障害福祉サービスに専門特化した行政書士法人です。代表の永野将太は行政書士と社会保険労務士の資格を併せ持ち、サービス管理責任者の実務経験の数え方から、経歴書・実務経験証明書の整備までを一貫して支援します。開業支援は20万円〜、候補者選びの段階から承っています。
静岡・神奈川・愛知を中心に、オンラインで全国に対応しています。判断に迷う点こそ、早めにご相談ください。
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主な参考資料
※本記事は令和8年8月時点の法令・告示・通知等に基づく一般的な整理です。指定権者の条例・手引き・個別運用、最新の告示・Q&Aを必ず確認してください。

障害福祉分野に専門特化し、行政書士・社会保険労務士の資格を活かして、指定申請・開業支援から、人員配置、加算・減算、処遇改善加算、運営指導対応、労務管理まで幅広く支援しています。
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